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「このゼニトラに言いがかりをつけるたぁ‥‥」「‥‥命知らずやのお‥‥‥‥」

ダレやァッ! いったいダレが、ワイとやり合うっちゅうんじゃい!


声:三上哲(アニメ版)


概要編集

逆転裁判3』第3話『逆転のレシピ』に登場。年齢42歳。身長185cm。


金融会社『カリヨーゼ』社長。通称「ナニワのゼニトラ」。その通称通り関西弁を話す。本人曰く「闇金界のプリンス」とも呼ばれているらしいが、既に40代前半なのを踏まえると、あくまで自称なのかもしれない。もしくは「若い頃に付けられた名称を今も気に入ってるので、自ら名乗っている可能性」もある。


髪型が弁護士・成歩堂龍一とよく似ているが、それを除くと彼と似ている部分は皆無である。「龍と虎の刺繍が縫い込まれたワイルドな朱色のスーツ」に身を包み、鬼の様な風貌と恐ろしい怒鳴り声(も含める威嚇の声)を持つ、極めてガラの悪い人物。ガチムチ巨漢でもあり、赤いを思わせる人間離れした真っ赤な肌も目を引く。成歩堂も含めた誰も彼もが芝九蔵に恐怖する中ゴドーだけは、彼の威嚇にも全く動じない所か逆に相手を怯ませる勇姿を見せた。そんなゴドーも芝九蔵の確保や連行には手を焼いた。


こんなにも凶暴で攻撃的な男性だが、秘書の鹿羽うらみの前では常に大人しい。時々うらみの暗い性格や言動に苛立ちを見せるが、すぐに抑え込んでご機嫌取りを始める体たらくである。どうやら彼女には苦手意識を抱いている様だ。うらみの自分への恋心には気付いていて、彼女が妙に積極的なので狼狽える事もしばしば。


彼曰く『カリヨーゼ』は「経営が苦しい小さな会社の温かい味方」との事。なお会社の信条は「三日坊主」(「一度捕まえた客は、3日で丸ボーズにムシるべし」という経営理念)」)。社長室には筆で「三日坊主」と横に書かれた横長の紙を大きな額縁に入れて飾っている。


殊更にハードスケジュールという事をアピールしている為、裁判では彼への無用なゆさぶりはペナルティを喰らってしまう。これには裁判長が芝九蔵への恐怖に屈して、彼の要求に従ったのも影響している。


名前の由来は、「芝九蔵」は「しばくぞ」(関西弁で「叩くぞ」あるいは「殴るぞ」という意味)、「虎ノ助」は成歩堂龍一の「龍」との対比にある「虎」から。


なお『逆転裁判6』では、特選コスチュームパックをダウンロードする事で、成歩堂の服装を芝九蔵のスーツに変更する事が出来る。このスーツでは胸部に「虎が龍にガブリと噛み付いている構図」が描かれている。この服のデザインも前述の名前の由来とも合わせて「竜虎対決」を強調している。


関連タグ編集

逆転裁判3


逆転のレシピ


鹿羽うらみ

成歩堂龍一 ゴドー検事




















龍にも劣る虎編集

フランス料理店『吐麗美庵』で岡高夫を毒殺し、その罪を須々木マコに着せた真犯人。そればかりか1ヶ月前、成歩堂に成り済まして裁判でマコの弁護を担当し、出鱈目な弁護を行い有罪判決を下させた。弁護士バッジはボール紙で作ったお粗末な偽物で、肌の色の違いは「出張でサイパンに行って日焼けした」と強引に押し通したらしい。本物とは完全に容貌も人柄も異なっているので、流石に関係者一同も疑惑の目を向けたが、余りにも恐ろしい芝九蔵の威圧に屈し追求も許されず沈黙してしまった。多少なりとも勉強はした様で『入門シリーズ・弁護士になろう』で得た知識をひけらかす事もあった。


芝九蔵がここまでした理由は事件から4ヶ月前、運悪く彼が起こした交通事故にある。この時の事故の相手が「町の闇金融の総元締である『鹿羽組』の組長・鹿羽権太の孫娘うらみ」が乗っていた車であり、彼女はこの時の事故で怪我を負ってしまい、芝九蔵はうらみの治療費(という名の落とし前)として『鹿羽組』から1億円を請求されてしまう。「年内に支払えなければ自分の命が危ない」と悟った芝九蔵は、コンピューター会社『バグダス』の社員で優秀なプログラマーである岡高夫に目を付け、ギャンブル狂の彼に競馬や宝くじ等、様々なギャンブルの話を持ち掛けては融資して行った。しかし芝九蔵の狙いは岡から借金を回収する事ではなく、彼が作ったコンピューター・ウイルス『クリーニング・ボンバー』を手に入れる事であった。この『クリーニング・ボンバー』は闇ルートで億単位の値が付く代物であり、芝九蔵は岡のギャンブルが下手の横好きである事を利用し、ギャンブルで彼を散財させて借金を返済出来ない様に追い込んで行った。


ついに迎えた返済期限の最終日、芝九蔵は岡を『吐麗美庵』に呼び出し、借金の返済を迫った。芝九蔵の狙い通り、岡は全く金を用意出来ておらず、後はウイルスが入ったディスクを差し押さえるだけだったのだが、ここで「岡が5000万円の宝くじに当選するという起きてはならない奇跡」が起きてしまう。宝くじで5000万円が当たった事で岡は借金1000万円の返済が可能になり、芝九蔵はウイルスを手に入れる事が出来なくなった為、落とし前の支払い期限が迫っていた中「岡を殺害してウイルスを手に入れる」という強硬手段に出た。岡を毒殺後、彼と同じく金を貸していた『吐麗美庵』の店長・本土坊薫を脅迫して現場工作を手伝わせ「岡に成り済ました自分と、ウェイトレスに扮したうらみの2人でウェイトレスによる毒殺事件の芝居」を行い、唯一の常連客・五十嵐将兵を「都合の良い目撃者」に仕立て上げる事でマコに岡殺害の罪を着せた。更に上述した通りマコの逮捕後、成歩堂龍一の名を騙って彼女の前に現れ、裁判では出鱈目な弁護を行ってマコを有罪に追いやった。


岡を殺した直後にアリバイ工作を考える思考力や、目撃者や法廷に集まった者を(違和感ありまくりとはいえ)騙せる演技力、金を貸した者を操る支配力等は侮れない所がある。成歩堂も自分に化けてマコを陥れた彼を「見かけによらず用心深い」と評価した。決定的な証拠も残してはいない。


事件から1ヶ月後に行われたマコの再審では、証人として召還されて本物の成歩堂龍一を相手に戦う。成歩堂の推理により犯行内容は、ほぼ完全に暴かれていたものの決定的な証拠が無かった為、一度は証拠不十分を理由に罪を免れそうだった。しかし最後の最後で「刑事・糸鋸圭介が持って来た証拠品を使った成歩堂のハッタリ」に乗せられ「犯行に使われた毒薬の容器という犯人しか知らない筈の情報」を証言してしまい、自滅する形で罪が立証された。「この自爆したとも言える末路」を理由に『逆転』ファンからは「ジバクゾー」という不名誉な仇名で呼ばれる事もある。


(ニセモノの裁判、ニセモノの弁護‥‥そしてニセモノの手がかり)

(全てがニセモノだった、この事件のカタをつけるのは‥‥)

(やはり《ニセモノの証拠》こそがふさわしい!)


自身の罪を完全に暴かれ「自身もニセモノ」とまで言われた芝九蔵は発狂し咆哮、事件での一連の行動がフラッシュバックすると気絶したのか硬直。法廷内は停電し真っ暗になっていた。彼の罪が明らかになった事で、ようやく無実のマコには正しい判決が下される。


うらみに対しては「自分が不幸になった元凶」とも見ていたのか、一片も愛情は無く内心では嫌悪すらしていた。元から暗い性格をした人が嫌いらしく、彼女の陰気な態度や言動を見る度に不快感を示している。うらみがいない場所で、彼女が成歩堂に重要な証拠を授けたと知ると「あの馬鹿女!湿っぽいのはツラだけにしとけ!」と日頃の不満を爆発させて陰口を叩いていた。その反面うらみの惚れた弱味に付け込んで、事件の偽装に荷担させる冷酷さも見せつけた。事故当時「うらみちゃんだから助けた」という芝九蔵の言葉から、彼を「命の恩人」として好意を持つ様になったうらみだが、実は薄々その本心や前述の台詞は「鹿羽組長の孫娘だから仕方なく助けた」という意味であった事にも気付いていた。成歩堂による捜査の中で「自身の恋が悲恋であった事実に直面した彼女」は、芝九蔵に対して「彼の言葉を信じていたかった。本当は心の隅には疑念があったが、あえて目を背けていた」と語って静かに涙を流した。成歩堂と真宵もうらみには同情していた。なお芝九蔵の逮捕後『カリヨーゼ』の経営はうらみが引き継いでいる。エンディングでは「女社長に就任した、彼女の働きぶりの一端」が見られる。会社を社長の自分1人で切り盛りして、一定の稼ぎを得ている辺り、うらみの経営手腕は高い様だ。


同情の余地こそ全く無いものの「事故を起こした際に、怪我を負わせたのが、よりにもよって暴力団の組長の孫」「数億円の価値があるウイルスソフトを借金のカタとして、合法的に入手出来るという所で、持ち主が宝くじを当ててしまう」という本人からすれば、とことん運が悪い人間とも言える。何気に前回『盗まれた逆転』の真犯人と同様「秘密の暴露」によって、自分からボロを出していなければ逃げられていたという事を考慮すると、かなりの強敵だったと言える。


今回の犯行を抜きにしても、常日頃から闇金融としては非常に悪辣な手法で商売をしている上「悪徳企業の社長である真犯人」という共通点から、情報処理会社『コナカルチャー』の社長・小中大と並んで「『逆転』二大悪徳社長」とも呼ぶ人もいる。大企業と小企業という違いはあれど、悪徳企業の経営者である以外にも「自己保身を目的とした殺人事件を起こす」「美人秘書を共犯者に加えて現場工作を任せる(芝九蔵→うらみ。小中→松竹梅世)」「筋肉質の巨漢」といった共通点が見受けられる。法廷に姿を現すと、所詮は小物でしかない低能ぶりを露呈した小中と正反対に、芝九蔵は探偵パートでも法廷パートでも、終始一貫して強敵だった事が最大の相違点とも言えるだろう。


アニメ版編集

第2期・第7話~第9話『逆転のレシピ

原作では人間離れしている上、成歩堂とは全く似ていない容姿の持ち主だったが、アニメ版では肌の色が普通の肌色に変更され、体格も成歩堂に近いものとなり「少しは本物と似ている」と言える位には風貌が変わっている。


毒薬のハッタリに引っ掛かった際には、往生際の悪い事に「1ヶ月前、成歩堂に成り済ました時、犯行に使われた小瓶を見たから犯人ではない」と言い訳に及ぶ。だが悪足掻きも空しく、成歩堂に「弁護士に成り済ましてまで真相を捻じ曲げようとした理由は何か」と詰問されると答えられず、言い逃れが完全に不可能となる流れが追加された。ブレイクシーンでは硬直後に真っ白に燃え尽きて倒れるという『あしたのジョー』の矢吹丈の様な退場シーンが挿入された。


その後、裁判所にて警察に連行される最中、階段の踊り場でうらみと再会し「今までの自分との関係に、彼女なりの落とし前を付けられるシーン」も加えられた。

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