飛鳥FC
あすかふっとぼーるくらぶ
1979年に創設した橿原FCを存続組織(直接の前身)として1984年に創設した白橿(しらかし)FCと1993年に創設した畝傍(うねび)FCの2つと合併し、総合スポーツクラブを兼ねたポルベニルカシハラとして再出発。
合併のきっかけは2002の日韓W杯であり、3クラブのホームタウンである奈良県橿原市はチュニジア代表のキャンプ地に選ばれた。そのことを契機に「共に地域をスポーツクラブで盛り上げていこう」という機運が高まって合併へと至った(ソース)。尚、当時クラブが焦点としていたのは、奈良県リーグ1部に在籍していたサッカー部門のトップチーム(旧:橿原FC)を始めとする社会人スポーツではなく、子供の育成を中心とした少年スポーツのほうであった。
後にJリーグ入りを目指すクラブとなろうと動いたのは2016年(ソース)、翌2017年にて正式にJリーグ参入を目標とすることを表明した(※ちなみにこの時、Jリーグ参入を目指す県内クラブとしては先発に当たる奈良クラブはまだJリーグ参入を達成していない)。同年、翌2018年度の関西リーグ2部への昇格を決める。その2018年ではトップチームの名称をポルベニル飛鳥に改名。"飛鳥"は奈良県が大和国だった頃の古い地名の一つでもある。関西2部は2年で突破した。
関西1部の2年目である2021年には複数のJリーグチームで監督職を担ってきた美濃部直彦が監督に就任。同年の天皇杯奈良県予選では、壁であった奈良クラブを相手に決勝で競り勝ち本選初出場を果たす。この時、監督の美濃部は「県予選の歴史に変化を入れるチャンス」と選手たちを鼓舞していたというが(ソース)、この結果が天皇杯予選のみならず、後の奈良県サッカー界の歴史そのものの変化の遠因ともなる。
2024年には関西1部で初優勝した。延期となっていた第11節でのアルテリーヴォ和歌山との直接対決で引き分け以上となれば優勝が確定する試合であったが、見事引き分けでしのぎ切り優勝と全国地域サッカーチャンピオンズリーグ(地域CL)への初出場を掴んだ。このシーズンは全国社会人サッカー選手権大会(全社)の関西予選で敗退していたこともあって全社枠での地域CL出場が不可になっていた為、関西1部で優勝するしかない状況であった(ソース)。
そして出場した2024年度の地域CLで3つに分かれた予選グループをワイルドカード枠(※予選3グループの各2位の中での成績1位)で突破し、決勝ラウンドも他力もありつつも初優勝という形で突破し、JFL参入(自動昇格)の権利を掴んだのだった。
実は2023年度からトップチームの運営法人のみ株式会社に移行させたのだが、初年度から350万円近くの赤字を計上してしまった。クラブ曰く「新型コロナウイルスの影響も残っている為」とのこと(ソース)。そのため、クラウドファンディングとして、まず100万円を目標に募ったが、残念ながら5分の1近くの21万5千円の集まりで終わるのであった。その一方で、ホームタウン内の自治体との提携など(ソース)、他にやるべきことは着々と進めているようなので、JFL入会審査においてもその辺の考慮が成されつつ審査に合格できるものだと信じたいところである。
奈良県立橿原公苑陸上競技場。近鉄橿原線の畝傍御陵前駅、同線の終点駅と近鉄南大阪線の途中駅を兼ねる橿原神宮前駅の2つ鉄道駅が最寄駅で、どちらから赴いても近い。但し、県立施設故に、Jリーグ参入に向けた改修には県の許可が要るはずなので、それがダメそうなら別途にサッカー専用スタジアムか球技専用スタジアムのどちらかをクラブと橿原市の両者主導で建設してみるしかない。
なお、関西リーグ時代は御所市民運動公園第一グラウンドと奈良県フットボールセンターAピッチも利用していた。しかし、前者は観戦環境は橿原公苑よりも上だが残念ながらピッチ上の芝がJFLとJリーグでは認められない人工芝である上に最寄駅からはかなり遠い(※JR和歌山線の御所駅からは車が、同線の駅と近鉄吉野線の駅を兼ねる吉野口駅からは山登りが各々必須な為)。後者はそもそも観戦席が無いのでJFLとJリーグでは必須となる有料での試合開催が行えない。
トップチームの元運営母体であるポルベニルカシハラが全ての運営を担っている。
セカンドチームであるネクストチームの『ポルベニルネクスト』、そしてOBチームの『ポルベニルカシハラ』は共に奈良県リーグに在籍し、シニアチームの『ポルベニルシニア』は独立リーグの一つである奈良県シニアプレミアリーグに在籍している。
育成組織はジュニアユースチーム、ジュニアチーム、ジュニアチームとは別途に存在するスクールコースがある。また、女子専用のチームやコースもあり、小学5年生から中学生までを対象としたレディースチームと小学生のみを対象としたレディーススクールもある。そのほか、園児を対象としたコースもあり、まさに元運営母体が合併当初の目的である『スポーツを通じて青少年の健全な育成に寄与するとともに、地域の連帯感・協調性を育む役割を果たす』ことに向けて実行されていると言えよう。
尚、ユースチームだけが存在しないが、今のところ設立予定は発表されていない。(※トップチームがJ2以上の上位カテゴリに在籍するためにはユースチームの保有が必要となる)