「そのカードを乱用すればーー あなたは私たちと同じ結末を迎える事になりますよ、先生。」
プロフィール
人物
その名前の通り黒いスーツを着込んでおり、体は影の様に黒く無機質で、右目にあたる箇所には発光部があり、そこから顔全体に亀裂が走っている。また、黒い手袋を着用しているが、手袋と袖の間の地肌のような部分にも同様に亀裂が存在している。頭部の亀裂からはモヤのようなものが出ている。
「黒服」という名前はその外見からホシノが名付けた仮称であったが、本人も気に入ったようで、自らそう名乗っている他、ゲマトリアのメンバーからも「黒服」と呼ばれている。
丁寧かつ達観した様なその口調と立ち振る舞いは、外見と相まって不気味な雰囲気を漂わせる。
本人曰く観察者であり、探求者であり、研究者。テーマ曲は『Black Suit』。
生徒達のことは研究、あるいは利活用する対象としか見ておらず、先生にとっては絶対に相容れることのない存在。
総力戦ではデカグラマトン系ボスの戦闘前口上を担当。
ゲマトリアや先生以外の存在である特異現象捜査部がデカグラマトンを追っている状況を快く思っていないような素振りを見せるが、その真意は不明。
本人自身は戦闘能力を持ち合わせておらずシロコ*テラーの襲来時はなすすべもなくやられてしまった。が、体の方は結構頑丈なのか負傷してはいたが命に別状は無さそうだった。
メインストーリー中での動向
初登場はメインストーリーVol.1「対策委員会編」。
アビドス高等学校に多額の借金を背負わせて学園を奪おうとしたカイザーPMC理事の協力者。
作中で初めて登場したゲマトリアのメンバーであり、かつ、カイザーPMC理事と同じく作中で初めて描かれた子供を搾取する「悪い大人」。
どこか小物臭のあったカイザーPMC理事とは違い大人であることを最大限に利用する、したたかかつ狡猾な姿を見せた。
「対策委員会編」のシナリオ内では、黒服が身柄を求めているキヴォトス最高の神秘であるホシノを巡って先生と舌戦を繰り広げる「大人の戦い」が描かれた。
先生に対しては最初から敵対するつもりはなく、むしろ協力関係を結びたいとまで考えていた模様。しかし生徒のことを第一に想う先生が黒服の要求を呑むはずもなく、大人のカードを取り出してまで抵抗してきたため渋々懐柔を諦め、拘束するまでには至ったホシノも居場所を教えることで手放した。
なお、ホシノが手に入らなければ別のターゲットに切り替えるつもりだったようだ。
悪い大人らしく汚い真似をしたが全てはルールの上でのことで彼自身は積極的に動いてない。
劇中では窓から日が差すだけの薄暗いデスクが置かれた簡素な部屋で先生やホシノと相対した。
その後はしばらく出番がなかったが、メインストーリーVol.3「エデン条約編」の第3章にて再登場し、ゲマトリアの会議に出席していた。
対策委員会編の頃から変わらず先生のことを好意的に見ており、敵対者ではなくゲマトリアの仲間になってくれることを期待する発言をしていた。
また、この会議では無名の司祭たちの技術を扱えることが語られており、アツコをヘイロー破壊爆弾から守った防御システム(恐らくマスクのこと)はその技術を用いて作られていることも語られている。
ベアトリーチェ曰く、黒服は先生を「仲間と認識し、互いに競い合える」と信じているとのこと。
メインストーリーFinal.「あまねく奇跡の始発点編」では他のゲマトリアメンバーと会議を行っていたところに、突如として現れたシロコ*テラーの襲撃を受け、負傷しつつも生還。
その後先生の前に姿を見せ、大人のカードの危険性を再び忠告。また、同じく襲撃を受けて負傷したマエストロの応急処置を行い蘇生(?)し、同時にゲマトリアの解散を宣言した。
その後、色彩の本拠地である「アトラ・ハシースの箱舟」に対処するための方法を聞きにきた先生に対してアビドス砂漠に事態を打開しうる存在が眠っていることを教えたが、それを起動すれば先生自身もただでは済まないと三度忠告した。
「対策委員会編」の三章ではカイザーコーポレーションのトップであるプレジデントとも協力関係にあったが、「あまねく奇跡の始発点編」でゲマトリアが壊滅した為、現在は連絡を取り合っていないことに加え、ホシノとは彼女が一年の頃から接触を図っていたことが明らかになった。
余談
3rdPV
先生宛に届いた年賀状が映し出される場面で、黒服の顔と同じような亀裂模様が描かれた、彼から送られてきたと思わしき年賀状が混じっている。また、ハガキが入れられていたレターボックスには“持参した手紙を入れるように”と書かれていた事から、どうやら直接訪れて置いていった模様。アニメでは似たような亀裂模様が入った手紙をアビドスの校舎にいる先生に送ったがどのような手段で送ったか不明。
4thPV
アリスが「名もなき神々の王女」となった別時間軸の光景と思われるカットに、亀裂の走った腕も一瞬写っており、この光景には黒服が関与していることが示唆されている。
ヒロイン?
なお、その独特の立ち位置やキャラクター性、明確な敵対者でありながらも先生に対する理解の深さと好感度の高さから、一部では「黒服こそがブルーアーカイブの真のヒロインである」というトンチキな説も根強い。
ベアトリーチェや地下生活者等と比較し「相入れぬ存在だが、まだ話が通じる相手」というのが現状先生とプレイヤー達の共通見解らしく、最終編で黒服の助言を受けている点からもそれが窺える。
「対策委員会編」でのスチルとユウカのメモリアルロビーの構図が似ていることや、両者の会話内容が一部共通すること、セフィロトの樹の守護天使の一柱「メタトロン」は"ゲマトリア"による数字変換に当てはめると314となり、これがユウカの誕生日3月14日と一致することなどから、ユウカ黒服説なる珍説(与太話)も存在している。
CV
アニメでは3話Cパートで初登場。アニメということで黒服にも声がついたわけだが、担当はなんとブルアカらいぶのMCなどでもお馴染みの、ブルアカ大好き声優もとい「生徒プロフィール網羅おじさん」こと坂巻学氏。
柴大将の市来氏共々、先生方からは衝撃と祝福をもって迎えられた。……なお、にわかに「全生徒のプロフを全把握してる黒服」という本当にあり得そうなミームも散見され、戦慄する先生もちらほら。
この他にかつて坂巻氏がヒフミのプリントされたシャツを着ていたことから、スーツの下にそれを着たヒフミ推しネタも。
記事冒頭のセリフについて
先生に大人のカードの危険性を何度も忠告するのは、嘗て黒服自身がその代償を受けたためという説が存在する。要するに、プレナパテスと同様に黒服は別時間軸の先生である、という説である。
詳細はブルアカ宣言に詳しいが、本編ともプレナパテスの過去とも別の道筋を辿る未来の可能性が示唆されており、本編含め少なくとも3つの世界線が存在することになる。さらに複数の世界線を仮定し、『プレナパテス以外にも失敗した先生が存在するのではないか』という発想から生まれた説である。
この説が正しいとすると『黒服が大人のカードの危険性を知っていること』『【使い過ぎると私達のようになる】と何度も忠告してくる理由』への一定の説明が可能である。
ただし、『なぜ生徒に対する姿勢が先生と異なるのか』『なぜ世界線を跨いだ(跨げた)のか』という新たな疑問が出てくるが…