黒獅子ラルゴ
くろじしらるご
大鎌を携えた黒尽くめの巨漢で、その巨体に見合ったタフさや、冷静な戦術眼と強靭な精神力を有し、第五音素の炎を伴った技を得意とする。六神将の中では最年長であり、年相応の落ち着きと芯の強さを持つ。武人肌で敵対者であっても礼節を持ち合わせているため、敵対しているアニスからも性格面では信用できると言われている程。
本名はバダック・オークランドで「ラルゴ」は音楽用語の「極めて遅い」。『極めて遅い』というのは印象がよろしくないネーミングだが、見た目から受ける重厚な印象や、戦闘時の彼の堅牢さと力強さを鑑みると、マッチした名前ではないだろうか。
敵対しているルークたちの中でも、何故かキムラスカの王女ナタリアに何かと突っかかる様子を見せていたが、実はラルゴが王女とされていたナタリアの本当の父親。ナタリアの外見は実母に似たが、身体が弱かった実母と違って身体能力の高さと芯の強い性格は実父譲りである。
元は砂漠のキャラバン隊の護衛を務める傭兵であり、妻シルヴィアはキムラスカ王室の使用人だった。シルヴィアは身体が弱かったが、預言で必ず夫との間に子どもを作らなければならないと言われており、それ故に娘のメリルの誕生をふたりはとても喜んでいた。ちなみに息子が生まれたら、ラルゴと名付けるつもりであった。
しかし誕生した娘のメリルが王女になる預言が詠まれていた為に、王妃に仕えていた義母によって死産した本物のナタリア王女と入れ替えられた。妻は娘を失ったショックで自殺し、家族を失ったバダックは世捨て人となり放浪していたところ、ヴァンと出会い家族の悲劇が預言通りだった事を知り、預言に支配された世界に復讐するためにヴァンに仕えるようになった。
実の娘であるナタリアに対しては内心複雑な思いを抱きながらも、自分の娘メリルはキムラスカ王家に奪われた時点でいなくなったと割り切っており、彼が消滅を望む世界にはナタリアも含まれている。そのためナタリアに対しては一貫して敵として接し、最後まで名乗り出るつもりはなかった。
ルークたちとの戦いで誕生間もない娘の写真が入ったロケットを落とし、ルークがロケットを拾いアニスがそれがラルゴのものだと言ったことでラルゴがナタリアの本当の父親だと判明、後にルークたちから話を聞いていた義父である国王の口からナタリアに伝えられた。
キムラスカ王女として国と世界を守りたいナタリアと、今の人類を消し去って預言に支配されていないレプリカの人類に入れ替えようとするラルゴの主張は最後まで相入れる事はなく、実の親子の戦いはナタリアが父にトドメを刺す形で幕を閉じ、最期は大きくなった娘の成長に安堵して静かに息を引き取った。
「いい腕だ………。
メリル……大きくなったな………」
「………お父様っ!」
中の人はファンタジアにてマルス・ウルドールやデスティニーでマイティ・コングマンを演じたりもしている。(操られていたとはいえ)卑劣漢だったマルスや、コメディリリーフのマイティとは違う、寡黙で威風堂々とした武人・豪傑といったキャラクター像で、玄田氏の演じ分けが光る。
六神将では唯一、なぜかテイルズオブザレイズには出演してない。
同じ声優が演じるコングマンは出演しているにもかかわらず…。
もしも登場したのならば、実娘のナタリアと放つクロスオーバー魔境技でも引っ提げて登場して欲しいものだ