AEUヘリオン
えーいーゆーへりおん
AEUの主力航空可変MS。
機体設計はユニオン製のリアルドを参考としており、換装による変形機構や搭載武装などの類似点が多い。ただし、機体のブロック構造が採用されていないなど運用思想の違いも見られる。
第5次太陽光発電紛争真っ只中の2292年の就役以降も度重なる改修が加えられ、数多くのバリエーション機も生産されている。特に2300年と2305年の次期主力機コンペティションでは大掛かりなモデルチェンジが行われ、当時の競合機達を退け長く主力の座に君臨し続けた。
2307年では後継機イナクトの登場により退役する運命にあるが、長期に渡り大量生産が続けられたこともあり、未だその就役数は多い。
AEUは外貨を会得するつもりで加盟国以外の第三国にも多数が輸出されているが、その影響でアンフのようにテロリストやゲリラなどに流出した機体も少なくなく、各地で社会問題化している。フェレシュテもこの機体を保有している。
地球連邦樹立後も旧式ながらも地球連邦正規軍だけでなくカタロンなどの反連邦テロ組織で運用されている。
また、ヘリオンとは『手に負えぬ乱暴者』、『暴徒』を意味する。
過去編外伝「00P」によると生産時期を基準として、初期生産型「AEUヘリオンイニティウム」、中期生産型「AEUヘリオンメディウム」、後期生産型「AEUヘリオンベルベトゥウム」の3種に分類されるため、テレビ本編に登場するヘリオンはそれらのうち後期型の「ベルベトゥウム」である。
それに関しては以下のとおりである。
- ヘリオンイニティウム
2292年就役。第五次太陽光発電紛争時代のAEUの主力機として活躍した初期型。
この頃は後継型に比べやや大型、重量級の機体で、加えてエンジン出力も不足しているため、純粋な航空機よりも機動性と航続距離で劣っている。この時の主武装はリニア兵器ではなく炸薬式の180mm滑腔砲。ソレスタルビーイング加入以前のイアン・ヴァスティもこの機体の開発に携わっていた。
ちなみにセカンドシーズンにおいてスメラギ・李・ノリエガことリーサ・クジョウの回想にも登場している。それによるとかつて彼女とカティ・マネキンが起こした同士討ち事件でこの機体のパイロットであるエミリオ・リビシが犠牲となっている。
- ヘリオンメディウム
第五次太陽光発電紛争終結後の2300年に就役した中期型。
全体の形状は92年型と後の05年型の折衷的なデザインとなっている。
頭部には従来のモノアイカメラに加え、多数のセンサー素子が集合したバイザーユニットを追加。本モデル以降からリニア系武器が標準装備となったが、就役当初は肝心の武器の生産が追い付かず、イニティウム型と同装備の機体も多かった。またバディクラフトMAアグリッサと合体した機体も存在する。
- ヘリオンベルベトゥウム
西暦2305年に就役した後期生産型。全面再設計されたことで機体形状も洗練され、重量も92年型に比べ1t近く軽量化されている。
アニメ本編にもっぱら登場するヘリオンはこのタイプである。
リニアライフル
電磁力で弾丸を高速射出する銃。
電圧を調節することで破壊力の大きい単射モードと、高速戦闘に対応した連射モードを選択することが出来る。
飛行形態時は機首を構成する。
ディフェンスロッド
左腕の防御装備。回転するローターに適切な傾斜角で敵弾を着弾させ跳弾させる。
ソニックブレイド
超高硬度カーボン製のアサルトナイフ。
刃を高周波振動させ切断力を増大させる。
- AEU-05Gヘリオン陸戦型
変形機構を排除し、装甲の強化を図ったグランドパッケージモデル。主翼の大幅な小型化で飛行能力は無いに等しいが、滑空は可能である程度の機動性はある。頭部形状が異なるほか、腹部コクピットブロック左右に短砲身の105mmリニアキャノンや脚部にロケットランチャーが装備されていると全身が改造されている。
モラリア共和国と同国の民間軍事会社PMCが運用・配備しており、他にもイタリアにも配備されている。
- ヘリオン捕獲型
両腰部に磁性コントロール機能を持つリニアシールドを搭載した捕獲仕様。巡航形態への変形機構がオミットされ、頭部形状も変更されている。
タクラマカン砂漠での戦いでガンダムヴァーチェを鹵獲したがガンダムスローネアインの攻撃で撃破された。
- ヘリオン爆撃型
爆撃用の機体で機首のリニアライフルを始め、脚部間に大型武装コンテナユニットを装備し、両碗を火器内蔵型に換装した重武装となっている。MS形態での運用は基本的に考慮されない。
- ヘリオン偵察型
背部に円盤状レドームを装着した偵察・早期警戒仕様。武装は20mm機銃に限定され、機首にはリニアライフルに代わって、外付け式のレーダーユニットを装着する。変形システムは残されているものの、両腕部がオミットされている等、MS形態での運用は基本的に考慮されていない模様。
尚、モラリア空軍にも配備されているがこちらは両腕部およびリニアライフルは通常機同様に装備されているのが特徴。
- ヘリオン宇宙型
宇宙用の機体。人革連の軌道エレベーター「天柱」の電力供給開始10周年記念式典を襲撃したテロリストたちが使用した機体で頭部がメインセンサー露出タイプに変更され、背面のエンジンブロックは、空間戦闘用に主翼を廃した代わりに、バーニア4基に換装されている。また主兵装のリニアライフルはAEU正規軍と異なる独自品を装備。また、2機がかりで牽引する大型ミサイルコンテナもある。
この機体のテロ行為はガンダムキュリオスとガンダムヴァーチェによって阻止された。
カタロンもこれに似た機体を使用した他、劇場版では連邦軍がこれと同じタイプを使用している。