概要
中東を中心に世界各地や宇宙でも戦いを続けている反連邦勢力。
地球連邦政府の独裁同然の統一政策や、その急先鋒たる独立治安維持部隊・アロウズの一方的な弾圧に反発して結成された。
いつ頃に結成されたのかは不明だが、少なくともまだ国際連合があった頃である2310年頃から存在しているようである。
「カタロン(Katharon)」とはギリシャ語で「純粋」の意である。
メンバーは主に地球連邦の政策で締め上げられている中東出身者を中心に、連邦のやり方に疑問を持つ旧三国家群の軍関係者や、地球連邦平和維持軍から離反した軍人、連邦非加盟国の政治家、難民やジャーナリスト等と多岐に及び、国籍も人種もかなり雑多である。
所属する人員の数や組織の規模はかなりのものであり、ソレスタルビーイングの作戦に便乗する形で多くの人員の保護に成功する等、地道なゲリラ活動で成果も確実に挙げている。
しかし、戦力は正規軍から流出したものを運用しているが、大半が太陽炉を搭載していない『1st』の旧三国家群時代のMSや輸送艦などを使っているため(パイロットスーツや宇宙服などの装備も旧三国家群時代のものをそのまま流用している)、擬似太陽炉搭載機や新造艦を多数所有する正規軍、取り分けそういった新兵器開発や配備が最優先で行われるアロウズとの戦いでは、常に一方的な劣勢を強いられている。
一方、なまじ様々な立ち位置の人間達が属する世界的規模の組織であるためか、「組織の内部統制が緩すぎる」という欠点が生じており、それが原因でアロウズの作戦に対する「報復」と称して世界規模で無差別的なテロ活動を行っている派閥も存在している。
この結果、バラック・ジニン大尉の妻を初めとした多くの一般人にも確実に犠牲者を出しているため、結果的にアロウズが「カタロンのテロに巻き込まれた犠牲者の遺族もいる組織」としての側面を持つことになってしまい、自分達の首を絞めることになっている。
クラウスなど、作中で登場したカタロンのメンバーがこのような行動をするとは思えない(実際にそういう行動を支持している様子もない)ので、おそらくカタロン内にもこういったテロ活動を支持する過激派が存在するのだと思われる。
こういった負の面も内包した活動内容や情報統制の影響で、世間的にはカタロンはただの反連邦のテロ組織としか認識されておらず、カタロンの主張は世界には全く伝わっていないのが実情である。
また、ソレスタルビーイングが活動を再開した本編においては、スパイとして潜入させた『ジーン1』の提供する情報を基に、ソレスタルビーイングの作戦行動に乗じる形で度々加勢しており、ソレスタルビーイングの行ったアレルヤ・ハプティズム救出作戦では、前述通り彼等の作戦に便乗する形で収監されていた多くの仲間の救出に成功するなど、周到に立ち回っていると言える。
ちなみに連邦正規軍内やアロウズ内部にも一応彼らのスパイはいるようである。
このように、ソレスタルビーイングの力を対アロウズのために利用したいという思惑ありきではあるものの、作中ではソレスタルビーイングを助ける数少ない味方勢力としても活動する。
当初ソレスタルビーイング側としては戦力にならない上に、政治的思想で動くカタロンと結託するつもりは無かったのだが、戦闘時にはカタロン自体は積極的に助けており、逆にカタロン側からプトレマイオスが支援を受けるなど、その後の成り行きで何だかんだで互いに相互支援をし合う関係となる。
しかし、メメントモリ攻略戦でカタロンの宇宙部隊の半数が壊滅し、さらにパング・ハーキュリーによるブレイクピラー事件におけるクーデター失敗の影響で、地上部隊も連邦軍を掌握したアロウズと保安局の殲滅戦でネットワークをズタズタにされて壊滅状態に瀕し、宇宙に上がって宇宙部隊と合流せざるを得ないところまで追いつめられた。
その一方で、中盤から登場した連邦正規軍のクーデター派とも、政治思想の一致や対アロウズという目的の一致から、クーデター派の方から接触を受けて対アロウズで本格的に手を組むことになる。
ソレスタルビーイングとアロウズ宇宙部隊の決戦では、指揮官のグッドマンが対ガンダムに備えてGN粒子を拡散するガスを散布し彼等を追い詰めようとしたのだが、それによって逆に擬似太陽炉未搭載の旧型機を駆るカタロンに有利なフィールドが形成され、擬似太陽炉搭載機やGN粒子を使った強力な武器や装備に完全に慣れきっていたアロウズの部隊を圧倒し、次々と撃破するという大戦果を挙げ、とうとうアロウズに一矢報いることに成功した。
後に、強硬政策を進めていた政権が倒れ、中東などで行われていた非人道的な政策が明るみに出た影響で、アロウズが正式に解体されたことで和平派中心となった地球連邦政府側と正式に和解。
以降は反体制勢力ではなく連邦議会において少数派を擁護する政党の一つとして活動するようになり、クラウスを初めとした旧カタロンを代表する一部構成員達は、代表として連邦議会に参加して活動している。
しかし、あくまでも連邦の打倒に固執していた過激派は、クラウス達を「裏切者」と断じて連邦議会への参加を拒否。
『劇場版』の時期に至っても連邦への抵抗活動やテロを行っているらしく、クラウス達にとっては頭痛の種となっている。
主なメンバー
エディ・ミヤサカ
マハル支部長
スルー・スルーズ
所有機体
所属機は、全て所謂「カタロンカラー」であるスカイブルーに塗装されているのが特徴。
ユニオンフラッグ陸戦重装甲型(TVシリーズ未登場)
ティエレン対空型(TVシリーズ未登場)
アグリッサ(TVシリーズ未登場)
関連イラスト
関連タグ
エゥーゴ:過去作の反政府組織。戦後に連邦政府の一部になった事も共通している。
ただし、約束された地位のために腐敗した政府に賛同する無責任な姿勢の輩もいると言うカタロンとは大違いな点もあり、その一方でスポンサー企業の思惑もあって政府側に引けを取らないような新型機を独自開発するなど、カタロンとは比較にならないレベルで戦力は充実している。
そもそもエゥーゴの場合は最初から反連邦政府と言うより反ティターンズの側面が強く、成り立ちからして本作で言えば正規軍クーデター派に近い組織である。