1978年から2001年まで製造されていたバス向けのシャーシ。B58シャーシの後継として発売されたもので、エンジンは歴代で4種類が採用され、いずれも水平直列6気筒、排気量9,600ccのターボ付きディーゼルエンジンである。
製造は主にスウェーデンで行われたが、イギリス・ブラジル・中華人民共和国・アメリカ合衆国でも生産されていた。
日本におけるB10M
日本では主に富士重工業がシャーシを輸入し、連節バス・観光・長距離バスのアステローペ、はとバスの「パノラマビューはとまるくん」として使われた。
連節バス
1985年に茨城県つくば市で開かれたつくば科学万博会場へのアクセス用シャトルバスとして登場。シャーシのみの状態で輸入し、車体は富士重工業が製造したものを架装した。
シャーシ型式はK-B10M型で、エンジンは排気量9.6Lの水平型直列6気筒ターボ付きエンジン・THD100EE型をメイン動力車に、付随車には日産ディーゼル製SD22型をサブエンジンとして搭載した。
100台が製造され、万博終了後は80台がオーストラリアへ渡り、国内に残った20台のうち19台は東京空港交通へ、1台は保存用として富士重工が引き取ったが、部品取用になってしまい2000年頃に解体された。東京空港交通所属車も当初はリムジンバスとして使用されたものの、渋滞時の迂回が出来ないなど道路交通法上の制約が多く、成田空港内ランプバスに転用された3台を除き全て運行を停止(うち2台はニュージーランドへ輸出)。その3台も旭川電気軌道のスクールバスに転用された後、2004年に廃車された。
この万博輸送用連節バス登場より13年後、今度は京成バスが混雑が著しい幕張本郷駅と幕張メッセ・マリンスタジアムの間を結ぶ路線用として10台を導入。シャーシの型式はK-B10M型を改良したKC-B10M型で、エンジンは275PSを発揮したTHD100EE型より69PSパワーアップした直列6気筒ターボ付きエンジン・DH10型を搭載。ボディは富士重工製の7E(17型E)を架装。
2010年、排ガス規制の関係ででメルセデス・ベンツ・シターロに代替されることが発表され、翌年4台が鹿児島県のいわさきバスネットワークへ、4台はJRバス関東へ嫁いだ。
アステローペ
長距離・観光バス用車両。エンジンがホイールベース間にあるため、リア部分の空間に余裕があり、この部分を2階建て構造にしていた。詳細はアステローペの記事を参照。
パノラマビューはとまるくん
2001年にはとバス創立50周年を記念して開発され、都内定期観光用の特別車両として2台が導入された。型式はKC-B10M改で、東京特殊車体製のシアターフロアボディを架装。2013年に引退し、福島県の浜通り交通へ譲渡。