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概要編集

周波数変調(FM)方式を用いるラジオ放送。送信電波の周波数帯は中波放送であるAMラジオに比べて波長の短い超短波を用いる。


地形や建物の影響を受けやすい一方で音質は良く、ノイズによる混信には強い(FM放送が混信した際は出力の強い電波が弱い電波を上書きしてしまう「弱肉強食特性」と言われる性質がある)。またAM放送に比べると送信施設が小さくてよく、放送設備の投資が少なくて済む。


機器の小型化も容易なため、かつてはウォークマンなどのヘッドホンステレオ、デジタルオーディオプレーヤーなどにチューナーを搭載することもあった。今日のスマートフォンにもFMラジオ放送を受信できる機種がある。radikoなどインターネット経由と違って通信帯域を消費しない上、バッテリーの消費を抑えることができる。


日本で現在新規に開局するラジオ局はほぼ全てFMラジオ局であり、またAMラジオは施設の維持や更新に膨大な費用が掛かる、混信するといった理由で、北海道等を除き既存のAM局もFM放送に転じる予定。ヨーロッパなどでは国内向けラジオ局が既に全てFMという国もある。中にはノルウェーのようにアナログ式のFMラジオすら廃してデジタル化した国もある(フィヨルドという特殊な地理条件のためもあるが)。日本でも2000年代以降デジタルラジオ放送が行われていたが、既に地上波は終了している(衛星ラジオ放送では継続しているが大半が廃局)。


FMラジオのアンテナは、ポータブルラジオなどでは伸縮できるダイポールアンテナが用いられる(AMの電波を受信するアンテナは一般的に機体に内蔵されている)。八木アンテナを接続するとより安定する。


歴史編集

AMの中波放送に比べ技術的に新しい方式であり、初のFM放送局が開局したのは1941年(実験放送は1936年から)。日本で放送が始まったのは昭和30年代以降のことである。1963年にはFMステレオ放送が始まった。


1982年のFM愛媛を皮切りに民放FM開局が全国各地に開局し、1984年のエフエム沖縄(旧極東放送)を嚆矢として中波から転換する局も現れた。


1980年代は「ミニFM局」と言われる個人局が雨後の筍のように現れた時代である。イベント会場限定で開局されることもあった。彼らはインターネット以前に配信者のようなことをやっていた人たちであったが、法律上許された微弱電波では聴取範囲はせいぜい半径100mほどにしか過ぎなかったので、もっとたくさんの人に自分の番組を聞かせたいと出力アップを試みる者も多く、郵政省(電波行政を管轄していた)による摘発も相次いだ。

National SONY などよりFMワイヤレスマイク、トランスミッタが販売された。またELEHOBBY(現:ELEKIT)からはステレオが送信できるトランスミッタキットが販売された。いずれも到達距離はラジカセのロッドアンテナをいっぱいに伸ばしても10m程度しか届かないため問題にはならない。学校の運動場や体育館などで使われたワイヤレスマイクは40MHz帯で使われた。(1989/5電波法改正で売ることはできなくなったが、故障交換までは使うことが許され体育館では長いダイポールアンテナが残置されているケースがある)


また東海道・山陽新幹線ではNHK第一放送、独自音楽放送を送信していたが700系新幹線置き換えにより終了した。

国技館では館内サービスとしてのFM放送(どすこいFM 83.4MHz NHK相撲中継の再送信 76.6MHzを十両取り組みから送信している。)

いずれのケースも車外、館外には漏洩しないので問題にならない。

球場クラスになるとミニFMとして場内の実況放送が実施されているところもあるのでイヤホンとFMラジオを持っていくとまた異なる演出が楽しめる(かもしれない)。


1992年のFMいるか(函館市)を皮切りに全国各地にコミュニティ放送(コミュニティFM)局が開局。2010年以降はJCBAなどのサイトで、全国のコミュニティFM局の放送が聴取可能な時代となった。


2014年からは新たに割当てられた周波数(90.1MHz~95MHz)を用いてAM放送と同じ内容をFMで同時放送するワイドFM(FM補完中継局)が次々と開局している。2028年までに大半の民放AMラジオ局がFMに転換予定。


関連項目編集

6月13日アルファベットの順番から「FMの日」とされている。

FMラジオ局一覧


関連タグ編集

ラジオ FM 中波放送 短波放送

外部リンク編集

超短波放送 - Wikipedia

FMラジオ - ニコニコ大百科

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