概要
『IDWソニック』とは、セガゲームスのゲーム『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』シリーズを題材にしたIDW社より出版されているアメコミシリーズの総称。
表題は日本での通称であり、正式名称は『SONIC THE HEDGEHOG(ソニック・ザ・ヘッジホッグ)』と、副題付きのスピンオフタイトルが複数ある。
作品解説
1993年~2017年までArchie社より出版されていた同名タイトルのアメコミが諸般の事情により打ち切りになり、入れ替わりになる形で2018年より連載が開始された。
Archieソニックがゲームとは別の世界線で様々なオリジナル要素を持つ作品だったのに対し、本作ではゲーム『ソニックフォース』後を舞台にソニック達の活躍が描かれる。
出版社を変えてのリブートからソニックチームのキャラクター監修が強く入るようになり、念願の日本語翻訳版も2020年より刊行されている。
翻訳はワイズ・パブリッシング社が担当。
2024年現在、本国では本編が69話まで、4話構成のスピンオフ作品が3つ、他様々な一話完結の短編等が刊行済み。
日本では邦訳版が7巻まで刊行済み。
監修について
前述の通りArchie時代のアメコミは数多くのオリジナルキャラクターや設定が存在し、それはそれで人気を博していたが、同時にゲーム本編の展開との乖離や原案者との権利問題等を抱えてもいた。
そこで本作ではArchie時代から人気の高かったIan Flynn(イアン・フリン)をメインライターとし、日本セガのソニックチームからも飯塚隆や豊田栄太郎がキャラクター監修として参加している。
豊田栄太郎はソニック・ザ・ヘッジホッグ25周年記念に漫画"Sonic Comic"や、30周年記念に小説"かべがみカバーストーリー"といったシリーズを日本のポータルサイトであるソニックチャンネルで連載し、その名前が表に出る前から特に日本国内のソニックファンから「これを描いた人に本編のシナリオを担当して欲しい」という声が多く上がっていた存在。
そんな彼が実は2018年よりソニックの重要な軸の一つであるアメコミの監修という大役を任されていたことが2021年後半になって明かされた。
単なるキャラクター描写のチェックではなく、プロット製作の段階からシナリオに参加していることを(海外向け)インタビューにて語っている。
世界観
前述の通り『ソニックフォース』から地続きであり、獣人達が暮らす世界が舞台となっている。
世界観自体はフォースのものであるが、他にも多数の過去作品のキャラクターや設定が上手くストーリーに組み込まれて登場し、ソニックシリーズの長いファンであればなお深く楽しめるようになっている。
スピンオフシリーズ
Tangle & Whisper
Bad Guys
Imposter Syndrome
Scrapnik Island
IDW版オリジナルキャラクター
レギュラーキャラクター達についてはソニックシリーズのキャラクター一覧等も参照のこと。
タングル・ザ・リーマー
味方側としては本編で最初に登場したオリジナルキャラクター。
リーマーはキツネザル。陽気で楽観的、ムードメーカーな性格。
尻尾を伸ばしたり物を掴んだり自在に操る能力を持つ。
ウィスパー・ザ・ウルフ
仮面を着け、ひそひそ声で喋るシャイなオオカミ。
実は『ソニックフォース』時代にも戦場で神出鬼没に活躍しており、シルバーやレジスタンスの間では"ガーディアンエンジェル"の異名を持っていたと語られる。
ウィスプの力を借り、特別なウィスポンを操って戦う。
本作には同じくウィスポンを使っていた『ソニックフォース』のアバターが居ない代わりに彼女が登場した。
名前はウィスプを使役するもの(Wisp+er)と囁く(Whisper)のダブルミーニング。
左下がラフ・右上がタンブル
ラフ・ザ・スカンク
本作オリジナルの悪役スカンクコンビの小さい方。
どちらかというとツッコミ役。
「スカンク・ボンバー」という緑のガスを噴出しながら相手に突っ込む必殺技を持つ。
タンブル・ザ・スカンク
本作オリジナルの悪役スカンクコンビの大きい方。
尻尾が半分ほどのところで千切れており、長い尻尾に憧れを持っている。
登場する度にラフと二人で決め台詞&ポーズを披露する憎めないやつ。
"Rough and Tumble"はかつてアメリカに存在したルール無用の格闘技の一種であり、それが転じて現在では「荒々しい」などの意味で使われる慣用句。
Dr.スターライン
エッグマンに憧れる悪の天才科学者。
種族はカモノハシ。
カオスエメラルド・ファントムルビーに次ぐ「ワープトパーズ」という宝石の力を操る。
ベル・ザ・ティンカラー
心を持った木製の操り人形。
赤毛の三つ編みにそばかすと、「赤毛のアン」的な見た目をしている。
尻尾を引っ張られると自動で鋭いキックを繰り出す機能を持つ。
父親と呼ぶ人物を探している。
ジュエル・ザ・ビートル
一周年記念短編集にて初登場。
名前の通り宝石のような外見を持つカブトムシ。
タングルと昔なじみであり、鉱石博物館の館長。
本編では事務仕事に疲れ果てたエミーの後釜を務めることになる。
サージ・ザ・テンレック
Imposter Syndromeに登場。
テンレックはマダガスカルに生息するハリネズミに似た動物。
電気を操る能力を持ち、ソニックの音速に対しそれを超えた光速を自称する。
緑色の身体に青い目というソニックと反対の配色はメガドライブ版『ソニック・ザ・ヘッジホッグ2』でソニックがそう表示されるバグがあったことに由来し、同様の配色と似た名前(ScourgeとSurge)を持つArchieコミックス時代の人気キャラクタースカージ・ザ・ヘッジホッグのリファインでもある、ソニックと対になるキャラクター。
キツナミ・ザ・フェネック
Imposter Syndromeに登場するサージの弟分的なキャラクター。
正式名称はKitsunamiであり、Kitはそれを縮めたニックネーム。
"マイルス・パウアー"に対する"テイルス"のようなもの。
Kitsunamiはkitsune(狐)+tsunami(津波)が由来で、その名の通り水を操る能力を持つ。
水で形作る尻尾が時に九尾の狐のような姿を取るなど、様々な意味でテイルスと対になるキャラクター。
またサージとキットの名前は二人合わせてサーキット(電気回路)の言葉遊びでもある。
関連タグ
IDWSonic - 英語表記。
外部リンク
ワイズ・パブリッシング - 日本語翻訳を担当している出版社の公式サイト