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Play,Doujin!

ぷれいどうじん

「Play,Doujin!」とは、「同人ゲーム」の一般商業展開の橋渡しを行うことを目的とするプロジェクトの一つである。
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今までPCでしか遊べなかった「同人ゲーム」を、PlayStation®4PlayStation®VitaNintendo Switch™ などの家庭用ゲーム機で遊びたい!

そんな夢を実現するプロジェクトです。

(Play,Doujin! 公式ページより)


「同人」

同人」とは、一般に同じ趣味などをもった人々によるその趣味などの共通点を通したつながりである。

同好の志の仲間関係を指す。


そういった同志たちの集い、つながりを通しては共通する趣味を何らかの形(例えば制作活動による「作品」)で具体化するなどのアクションに結びつくことがあり、生み出された作品などをさらに同じ趣味を持つ他の人々などと共有するなどするのが「同人」の交流の姿の一つでもある。

同人誌」などが具体的な一例であり、先述の「同人ゲーム」もその一形態である。


今日の「同人」は「同人サークル」などの形としても展開しているが、そういった集いによって生み出される作品は一般的な商業市場(例えば書籍的な形式の作品なら一般の書店)に流通することはなく、同人誌即売会のような独自の作品発表の形式を採ることが多い。

この交流の在り方は「非商業」等とも呼ばれ、作品が生み出される制作過程をはじめその作品が制作開発者以外の作品の受け手としての他者の手に届く過程に至るまでの一連の流通形式において、一般市場(「商業向け」)の各種作品・商品とはまた異なる性質を持つ。

作品のやりとりについても一般市場的な流通消費経済の視点ではなく同好の志によるコミュニケーションの一形態であると定義するなど、独自の文化を持つ。


「同人」が接触することのある問題として先述のような同好の志同士を結び付ける共通項が例えば既存の文芸作品や漫画作品、音楽作品などであった場合、そういった作品を原作に同好の志同士だけの間柄で作品を生み出す(原作者の関与しない、所謂「二次創作」)ことは、時に著作権の問題(例えば当該の二次創作作品のもととなった著作物の著作権者に対する著作権等権利侵害)などの問題がある。

特に同人作品を通した交流において金銭のやり取り(例えば作品を渡す・受け取るなどの場面)がある場合などでこの問題がクローズアップされることが多い。

これは著作権者の視点、「同人」に携わる人々の両者の視点から様々な議論が長らく行われており、海外の著作物など法的枠組みを異にする二者間のケースなどのテーマも視野に繊細な実際的問題ともなっている。


「Play,Doujin!」

プロジェクトの関係メンバー

「Play,Doujin!」では、この「同人」文化における作品、とりわけPCゲーム作品を一般商業ゲーム市場(例えば家庭向けビデオゲーム市場)へと橋渡しすることを目的としている。「同人」と商業市場の文化や手続きの違いなどの問題を仲介して一般市場のフォームにも対応することが、その行うところの一つである。


2018年2月現在では本プロジェクトを通して展開するゲームハード機器はソニー・コンピュータエンターテイメント(以下ソニー)によるPlayStation(以下PS)系列のハードである。例えば同現在時点ではPlayStation4(以下PS4)やPlayStation Vita(以下PSVita)などで作品が展開されている。

また2017年9月より任天堂系ハードでの展開も開始された(後述)。


本プロジェクトに特筆的なこととして、元の開発制作を行った同人サークル本人が一般市場展開に向けて作品制作に携わる点がある。個々の同人ゲームを開発者(サークル)以外の、例えば商業的パブリッシャー等の開発には携わっていない他者が作品を制作した同人サークルとライセンス契約をして当該作品をコンシューマー向けに移植する、といった形式は採らない(※参考1)。


しかし実際の同人作品を一般商業市場で展開するにあたっては先述のようにCERO審査をはじめとした種々の権利関係など同人展開の際には接する機会のない(あるいは少ない、黙認下の)ハードルがあり、これを間に入ってサポートするものとしてメディアスケープ株式会社(以下メディアスケープ)がある。

メディアスケープの位置づけは「 世話人 」となる(※参考・引用1)。


先述の現在時点の「Play,Doujin!」プロジェクトは大きく開発者である各制作サークル(同人作品の開発制作者)、作品展開サポートを行うメディアスケープ、ハードを展開するソニーの三者から成る。

パートナー体勢などを通した広がりも続けており、例えば2017年12月にはソニー系パートナーとして「UNTIES」(アンティーズ)が参加している。「UNTIES」とは、2017年10月発足の、インディーゲームを主にゲームパブリッシング事業を行うソニーのレーベルの一つ。メディアスケープとは同業他社同士のパートナー関係となる。

「Play,Doujin!」にみるメディアスケープとUNTIESのパートナー体勢の一例としては、『不思議の幻想郷TOD -RELOADED-』(東方Project二次創作作品。AQUA STYLE制作)のNintendo Switch版の展開(後述)などがある。

UNTIESやPlay,Doujin!との関係などの詳細は下記外部リンクのUNTIES関連より各関連記事を参照。


ゲームの種類としてはオリジナルの同人ゲーム作品の他、上記の「不思議の幻想郷」のような、同人サークル上海アリス幻樂団による「東方Project」を原作とする二次創作ゲーム作品(ファンゲーム)も本プロジェクトを通して展開を行っている。


※参考・引用1

参考資料は『東方外來韋編』。引用部分は同書籍の「壱」(Vol.1)より、メディアスケープ株式会社代表取締役インタビュー。

本書籍は株式会社KADOKAWA(角川)発行の東方Project関連雑誌の一つで、一般書店でも入手可能。

本書籍には「Play,Doujin!」に参加した実際の同人サークルのインタビューやメディアスケープ代表取締役のインタビューが掲載されており、前者については自らの作品を新しい可能性へと展開する感慨や一般市場展開ならではの苦労、後者については本プロジェクト発足の経緯や同人ゲームならではの魅力、一般市場ならではの難しさなども語られている。


展開と特性

販売形式についてはソニーのPS系ハードでの展開の際にはPlayStationStore(以下PSストア)等を通したダウンロード販売であることも多いが、実際の店舗販売にも対応できるパッケージ版による販売形式を採る作品もある。


windowsなどPC向けに開発されたゲームなどではインターネットによる複数人同時オンラインプレイなどの機能を持つものもあるが、PS系ハードでの展開に際しては「PlayStation Network」を通して元となったゲームのオンライン性を確保するものもある。

さらに作品によっては「PlayStationVR」にも対応するなど、ハード自体の新技術・新サービスに合わせてさらなる発展を遂げる作品もある。


PSストアなどでは「Play,Doujin!」のプロジェクトはインディーズ(インディーゲーム。独立系開発者によるゲーム)の枠組みとして位置づけられており、例えば「Play,Doujin!」を通した作品がインディーズ関連の各種の賞を受賞することもある。例えば本プロジェクトを通した作品の一つである「東方紅輝心」(東方Project二次創作作品。あんかけスパ制作)は「PlayStation Awards 2016」において「インディーズ特別賞」を受賞している。続く 「PlayStation Awards 2017」では先述の「不思議の幻想郷TOD -RELOADED-」のプレイステーション系列での展開版が「インディーズ&デベロッパー賞」を受賞するなどの実績も生み出している。


またプロジェクトの発展に伴って先述のようにソニー系列以外でのハードにもその対応範囲を広げており、例えば2017年9月以降は任天堂による「Nintendo Switch」を対応ハードとした作品展開も行われる。具体的に展開される作品としては、プロジェクトに参加する東方Project二次創作作品である「東方紅舞闘V」(CUBETYPE制作)が2017年11月2日、「Nintendo Switch」に対応された。さらに「Nintendo Switch」だけでなくその一つ前の機種である「Newニンテンドー3DS」(以下N3DS)を対応機種とする作品(または同機種を専用対応ハードとする作品)も発表されるなど、任天堂にみる対応ハードの面でも幅を広げている。

同時に「Nintendo Switch」版においても日本だけでなく北米や欧州での展開も行われる。

例えば先の「東方紅舞闘V」は北米欧州版では「Touhou Kobuto V: Burst Battle」とローカライズされて発表される。北米欧州版のパブリッシングは「NIS America」による。


NIS Americaは日本一ソフトウェア(日本)の連結子会社(親会社が支配する子会社で、一部の例外を除いて連結決算の対象となる会社)で、自社作品の北米欧州でのローカライズをはじめ他社製ゲームや日本製アニメなど多様な日本のパブリッシャーの北米欧州での展開を手掛ける。

他社製ゲームやアニメなどは海外パブリッシング権を獲得する形となる。

Steam」でのPC向けゲームの展開も行っており、「Play,Doujin!」同様に同人作品やインディー作品を、NIS Americaでは北米欧州向けとして展開している(ファミ通.com、2017年2月18日記事を参考。下記外部リンクを参照)。


「Play,Doujin!」自体が各種イベントなどにも参加することがあり、例えば東方Projectに関連したファンイベント(オンリーイベント)である博麗神社例大祭では、「Play,Doujin!」の紹介をはじめ同プロジェクトを通して発表された作品の展示や試遊、グッズの頒布なども展開される。


「Play,Doujin!」参加作品の一例

オリジナル作品

本項における「オリジナル作品」とは、「Play,Doujin!」プロジェクトに参加する特定の創作作品を原作としない各制作サークルのオリジナルの作品を指す。

同人作品とコンシューマーを橋渡しする「Play,Doujin!」の柱の一つである。


「Play,Doujin!」参加オリジナル作品の一例

作品名制作開発サークル発表年※対応ハードジャンル
ヒーラーは二度死ぬPon Pon Games2016年6月PlayStation 4ストラテジー
チェルシーさんは7の魔神をブッ殺さねばならないPlatineDispositif2016年10月PlayStation 4、PlayStation Vitaアクションゲーム
巫女学校物語~楓編xinoro2016年10月PlayStation 4ADV、RPG
ディアドラエンプティふろーずんおーぶ2017年8月PlayStation 4シューティング
迷宮経営SLG -ZombieVital DG- OfflineVer.StudioGIW2017年11月PlayStation 4迷宮経営シミュレーションゲーム
GUNDEMONIUMSPlatineDispositif2018年2月PlayStation 4、PlayStation Vita横スクロールシューティングゲーム
Back in 199564Throw the warped code out2018年3月ニンテンドー3DSミステリーアドベンチャー
吾妻邸くわいだん求道庵2018年6月PlayStation 43Dアクション
Rabi-Ribi(ラビリビ)CreSpirit2018年6月PlayStation 42D探索横スクロールアクションゲーム
海のカケラ潮騒セイレーン2018年7月Nintendo Switchサークルアクション
Magic Scroll Tacticsオートリ電子2018年10月Nintendo SwitchシミュレーションRPG
PHRASEFIGHT超OK2018年12月Nintendo Switch音楽格闘ゲーム


※:発表年は「Play,Doujin!」プロジェクトでの発表時間。

同人ゲームとして「Play,Doujin!」以外の各々の機会に発表した年度とは異なる。


「東方Project」作品・二次創作作品

「東方Project」とは、上海アリス幻樂団の作品である。

東方Projectは同作を原作としたファンによる二次創作が盛んな作品であり、二次創作ゲームも多数制作・発表されている。


東方Projectを原作とする作品は原作者である上海アリス幻樂団のガイドラインによってコンシューマー展開を禁止されているが、本プロジェクトを通した作品はその限りではない。これは同時に東方Projectの二次創作ゲームのコンシューマー展開が「Play,Doujin!」を窓口とすることと同義である。


「Play,Doujin!」には東方Project原作者のZUNがプロジェクトサポーターとして参加している。

「Play,Doujin!」自体、その前身が「ZUN×PlayStation」という東方Projectの創作タイトルをプレイステーションと結ぶというコンセプトを動的発端としているなど、本プロジェクトと東方Projectとの結びつきの歴史は発足の初期から存在する。


さらに二次創作品だけでなくZUNもまたストーリー監修や楽曲参加など複数の形で参加する黄昏フロンティアとの共作作品についても本プロジェクトを通してPS4などを対応ハードとして展開している。


「Play,Doujin!」参加東方Project作品

作品名制作開発サークル※1発表年※2対応ハードジャンル
東方深秘録 ~ Urban Legend in Limbo.黄昏フロンティア2016年12月PlayStation 4アクション

※1:上海アリス幻樂団以外の主たる開発サークル。プロジェクト上の開発者の名義。

※2:発表年は「Play,Doujin!」プロジェクトでの発表時間。

同人ゲームとして「Play,Doujin!」以外の各々の機会に発表した年度とは異なる。


「Play,Doujin!」参加東方Project二次創作作品の一例

作品名制作開発サークル発表年※1対応ハード※2ジャンル
幻想の輪舞CUBETYPE2015年6月PlayStation 4アクションシューティング
不思議の幻想郷 -THE TOWER OF DESIRE-AQUASTYLE2015年6月PlayStation Vitaダンジョン探索RPG
東方紅輝心あんかけスパ2016年2月PlayStation 4アクションRPG
東方蒼神縁起V苺坊主2016年4月PlayStation VitaRPG
東方スカイアリーナ・幻想郷空戦姫領域ZERO2016年5月PlayStation 4バトルアクション
東方紅舞闘VCUBETYPE2016年11月PlayStation4、PlayStation Vita、Nintendo Switch対戦アクション
まりさとアリスのトラップタワー!ですのや☆2016年11月PlayStation4パズルアクション
不思議の幻想郷TOD -RELOADED-AQUASTYLE2016年12月PlayStation 4、PlayStation Vita、Nintendo Switchダンジョン探索RPG
ヨイヤミドリーマーtripper_room2017年2月PlayStation 4アクション
東方幻想魔録W苺坊主2017年6月PlayStation Vitaゲーム
舞華蒼魔鏡souvenir circ.2018年1月PlayStation 4横スクロール体当たり弾幕シューティング
幻想郷ディフェンダーズNeetpia2018年5月PlayStation 4タワーディフェンス
永遠消失の幻想郷MyACGSTUDIO2018年8月PlayStation 4アクションシューティング

※1:発表年は「Play,Doujin!」プロジェクトでの発表時間。

同人ゲームとして「Play,Doujin!」以外の各々の機会に発表した年度とは異なる。


※2:一度Play,Doujin!を通して発表された後、別のハードでも発表された作品は次の通り。

作品名新規ハード発表年※1
東方紅舞闘V Nintendo Switch2017年11月
不思議の幻想郷TOD -RELOADED-Nintendo Switch2017年12月
東方蒼神縁起VNintendo Switch2018年7月
舞華蒼魔鏡Nintendo Switch2018年8月
幻想郷ディフェンダーズNintendo Switch2018年11月
東方幻想魔録WNintendo Switch2019年2月
東方スカイアリーナ・幻想郷空戦姫Nintendo Switch2019年2月

※1:発表念は新規ハードでの発表年。同人ゲームとして「Play,Doujin!」以外の各々の機会に発表した年度や最初に異なるハードを対象として「Play,Doujin!」で発表した際の時間とは異なる。


関連タグ

同人 同人サークル

同人ゲーム(こちらはスマホやパソコン版がある)


SONY

PlayStation / PlayStation 4 / PlayStation VitaPlayStation 5

任天堂

NintendoSwitch Newニンテンドー3DS WiiU


東方Project

東方Project(二次創作)

東方二次創作ゲーム

ZUNTENDO - 任天堂パロディのタグだが、NintendoSwitchへの参入である意味で実現(?)した。


外部リンク

公式サイト


「Play,Doujin!」関連リンク

作品発表に先立ち、トレーラーやPVがニコニコ動画などで発表されることもあり、本プロジェクトに関連したニコニコ大百科記事には本プロジェクトの歴史をはじめ各種作品のPVなどが一覧掲載されている。詳細は次の外部リンク先ページを参照。


「同人」関連

上記と同じくニコニコ大百科の「同人」記事は今日的な「同人」の実際や諸問題、取り組みなどについても記述されるなど、本プロジェクトを取り巻く「同人」の風土についても記述がなされる文化を持つ。


NIS America関連


Play,Doujin!パートナー、UNTIES関連

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同人サークル どうじんさーくる

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