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SCP-4456

まさかのすぺいんかいたいにんむ

SCP-4456とは怪奇創作サイト『SCP Foudation』に登場するオブジェクトの一つ。
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概要編集

SCP-4456は怪奇創作サイトSCP_Foundationに登場するオブジェクトの一つ。メタタイトルは「No One Expects The Spanish Decommission!」、日本語に訳出すれば「まさかのスペイン解体任務!」となる。オブジェクトクラスはKeterだった


SCP-4456は、16世紀のスペインのガリオン船「ソイ・ミ・アマンテ」号であった。

少なくとも見た目の上では、1500年代の普通の船との差異は特になかった。


この船は、4~6日ごとにどこかの水域に自分のコピーを作り出し、$519,000ほどの金・銀・宝石が供給されると消失するという異常性を持つ。

ちなみに供給されない場合、キレて体当たりしたり砲撃してくる

なお、特に誰かが乗っているわけではないようだ。


財団はこの船の起源を調査している時、とある15世紀の文章を発見した。以下はその抜粋


女王陛下へ、


ソイ・ミ・アマンテが未知の勢力により襲われたことを報告せねばならぬことで悲嘆にくれております。彼の船とその乗組員らは我らが神聖王国の大いなる資金源として記憶されるでしょう


しかし、私はその以前の性質に対する懸念を表明せねばなりません。彼の船の勇敢な乗組員達はどこでその賞金を得たのか話そうとせず、我々は帰還時にその多くが運ばれてきたことを知るのみです。私は彼の船の破壊が、長きに渡り我らの盗みを許し続けていた何らかの巨大かつ未知なる勢力の前触れではないかと恐れております。この世には非常に強大な勢力が蠢いているのやもしれません ─ ソイ・ミ・アマンテのような強大な船を瞬時に僅かな灰とし得る生命体はいないようですので。


神が我らにお怒りになること無きよう、我らが神の恵みの下に繁栄し続けられることを祈ります。


貴女の忠実なる下僕、ダンテより。





………とまあ要するにソイ・ミ・アマンテ号が「未知なる勢力」なるものに襲われて破壊されたことが記述されている。

しかし現実として、財団はこの船を何度も見かけているのである。一体どういうことなのだろうか?


調査編集

とまあそれはそれとして、財団はソイ・ミ・アマンテ号の金銀財宝がどこへ行ったのか、調べることにした。


財団は極小の追跡装置を入れたコインを10枚ほど作成し、ガリオン船に貢いだ。

追跡受信機はすぐに、船にコインが供給された瞬間に捜索を開始し、それがプラド国立美術館にあることを突き止めるに至る。

プラド国立美術館ではそのコインを1827年から保管していたという。


つまり、現代の金銀財宝が明らかに過去へ遡っていることになる


これを受けて異常年代学部門が調べた結果、

「この船に金銀財宝を渡すと、それに応じてスペイン政府の財力が遡及的に増加する」ということが分かった。

ということが分かった。


史実ではメキシコ、ペルー、ボリビアなどから大量に銀が流入したことでインフレが加速した、

というのがスペインの価格革命の理由とされるが、財団世界では新大陸だけでなく財団もこの価格革命に加担したわけである。


オブジェクトクラス:Decommissioned編集

ところで、記事冒頭で、「オブジェクトクラスはKeterだった」と過去形で書いたことに対して疑問を持った人もいるのではないか?


実はこれにはある事情がある


財団は世界各国との間に、財団国際関係条約(FIR条約)というのを締結していた。

これは、収容に関係しない他国への寄付の禁止などが記述されている、財団と世界各国との間の関係についての取り決めである。

まぁざっくり言うと「財団は国家に対して深く関与しないから国家も異常存在に対して関与しないでね」って感じの条約である。


だがこのオブジェクトの異常性は先に述べた通り、金銭が供給されるとその金銭は過去に遡ってスペイン政府に供給されることとなる。

言うまでもなく、財団はこの収容を続行する限り、スペインに対して寄付をしつづけるはめになり、これはすなわち条約に違反してしまうことになる

しかもそれらの財はソイ・ミ・アマンテ号によって過去のスペインにもたらされるので、過去改変を引き起こすトリガーとなってしまう。それも何度も、何度もである。おまけに収容に絡む財宝の費用もバカにならない。

そもそもの問題として、ソイ・ミ・アマンテ号がいずれ破壊されることは15世紀の時点で既に確定しているのだから、財団がこのまま収容し続けること自体が、過去改変や因果律のパラドックスを引き起こす可能性すらあるのだ


まとめてしまうと本オブジェクトは


  • 収容コストがかさむ
  • 過去改変により因果律のパラドックスを引き起こす
  • 法律的にもレッドカード

収容コストがバカ高くて、しかも収容すること自体がメリットを産むどころかリスクでしかない。








ならもうこんな船ぶっ壊してしまえ!


……ということで、財団は確保・収容・保護の原理原則の対象外であるとして、

本オブジェクトをそれまで長く使われてこなかったDecommissionedに指定することに決定。本オブジェクトを終了することにしたのである。


いくら過去にさかのぼる船と言っても、15世紀のガリオン船でしかないSCP-4456を破壊することは財団にとって容易であった。

また、SCP-1609(椅子の残骸)は破壊することで脅威度が増していたが、本オブジェクトに関してはむしろ、収容することによるリスクが大きすぎる。

完全に焼き払った船は、その欠片や灰もろとも消失し出現しなくなった。


財団が上述した文献にあった、「ソイ・ミ・アマンテのような強大な船を瞬時に僅かな灰とし得る生命体」になった瞬間である。


余談編集

著者によれば、氏が本オブジェクトを書くに至った理由は以下のようなものであるという。


・Decommissionedオブジェクトを書きたい

・でもたのしいざいだんは嫌いだ


そこで氏は、Decommissionedというオブジェクトクラスをどうすれば「たのしいざいだん」から切り離して規定できるかを考え、

最終的に、「財団の意図に反して無力化された」Neutralizedに対比して、「財団が意図して破壊した」アノマリーへの分類として

Decommissionedを再定義したのである。


と同時に、今までのDecommissionedオブジェクトがやたら収容コストが嵩む存在であることに着目。

また、財団が世界各国政府の協力を得た上で収容を行っている、という基本設定に目を向け、

各国の協力を得にくくなるような事態、すなわち取り決めや法律に違反してしまう場合には財団も収容を優先しないのでは?と考察した。


結果として、「コスト」と「法的問題」にふれるオブジェクトは破壊する、というヘッドカノンのもと書かれたのが本オブジェクトなのである。


なおDecommisioned自体は元々メタ的に言えば「ぼくがかんがえたさいきょうの○○」状態のものだったり、何かの作品の劣化コピーにしか見えなかったり、はたまたひねりがなさすぎるただの吸血鬼でおもしろくなかったり、他のSCPをコケにするためだけに産まれたとしか思えないものだったりと、くだらなすぎて残しておく価値無しと判断されたSCPが強制的にこのクラスにされるという、いわゆる吊るし上げのためのオブジェクトクラスだったのだが、Decommissioned記事を破壊する過程を描いたTaleが人気を博したこともあり、わざとひどい記事を書いて「Decommissionedにしてくれ!」と要望が殺到し、予想していた機能を果たさなかったため廃止された。


本オブジェクトは本当の意味でのアノマリー分類しシステムでDecommissionedが使われた初めてのケースである。


関連タグ編集

SCPオブジェクト

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