概要
日産自動車が2001年から発売した11代目スカイラインの型番。
エンジンがVQエンジンに変わったことから型番が「V」となったが、それ以上に大きかったのは、完全な高級車路線に方針転換したこと(ルノーの意向が大きかったとされる)。
車としての素性自体は優れていた(海外では評価が高く、北米では2003年のモータートレンドカーオブザイヤーを受賞している)ものの、「スカイライン」と名乗ってしまったことで日本国内では大きく評価を下げてしまった(特にクーペが不評だった)、と言える。
そもそもV35は元々スカイラインとなるはずではなかった車で、R34発売より前に開発が始められたコンセプトカー、XVLが元になっている。
インフィニティブランドで販売するための完全新規モデルとして作られていたのだが、R32以降スカイラインの販売が落ちていたこと、日産の経営不振のためR34の後継モデルは作られないことになり(ただし、結局はスカイラインGT-Rの後継としてR35型GT-Rが作られるのだが)、XVLの評判が良かったことやコンセプトが似通っていたことも相まってXVLを次期スカイラインとすることが決まったという経緯がある。
海外ではインフィニティG35、G35クーペ(←スカイラインクーペ)として販売された。これも、従来のスカイラインにはなかったことである。
メカニズム
それまでの直6に代わり、V6のVQエンジンを搭載。これは3000cc、2500ccはY34型セドリック・グロリアに搭載されているものを改良。2002年2月に登場した350GT-8にはエルグランドに搭載された3.5LのVQ35DEを272PSにチューンアップして搭載した(同期には同じく272PS・AT車のランエボVII GT-Aがいた)。なお、後期型へのマイナーチェンジで3000ccは廃止された。
トランスミッションはジヤトコ製のマニュアルモードつき5ATもしくは4AT(前者はシーマ、後者はセドリック・グロリア用の流用)、350GT-8は8速マニュアルモードつきエクストロニックCVT、2003年6月登場の350GTはZ33型フェアレディZと同じ6MT(愛知機械工業製)。CVT採用は試験的なものだったようで、V36には引き継がれなかった。
エクステリアデザインはカルロス・ゴーンに引き抜かれて日産に移籍・経営再建計画に参加した、元いすゞ自動車デザインセンター部長の中村史郎が担当。外観はR34までの直線的なものから、空力性能向上を狙った曲線的なものに変更。日産がル・マン24時間耐久レース参戦時に作った風洞実験施設を活用して仕上げられた。だがスカイラインの伝統だった丸型2連テールランプをやめ、L字型のLEDランプに改めた事が不評を買った。その為2004年のマイナーチェンジではL字型の形状はそのままにLEDの配列を丸型2連に戻した。クーペは当初から丸型2連配列である。
関連動画
関連項目
ステージア - 2代目M35型にてプラットフォームを共用