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概要

プリンス自動車とそれを合併で引き継いだ日産自動車が、1959年から2004年まで販売した高級車である。

車名はラテン語での「栄光」に由来する。

プリンスとしてのブランド及び販売は1971年に終了した3代目までで、4代目以降は日産の生え抜き車種であるセドリックの兄弟車となった。

そのためセドリックとまとめて「セドグロ」という呼び方がある。

モデルはノッチバックセダンをメインに、2・4ドアハードトップ、5ドアステーションワゴンライトバン仕様を展開。

駆動方式はいずれもFRまたはそれをベースにした4WDで、変速機はMTATCVT仕様が登場している。

プリンス時代は最上級車と位置づけられており、吸収合併されてから1988年のシーマ誕生までは「プリンス店」の個人客向けフラグシップカーであった。

歴代モデル

初代(BLSI-P1、BLSI-P2・1959年~1962年)

1957年より販売されているスカイラインよりさらに1ランク上の高級車を目指して開発され、戦後一般発売された日本車では最初の3ナンバー車(当時)の高級セダンとして登場。

発売から数ヶ月後には当時の明仁皇太子殿下に納められている。

1958年11月に開催された第5回全日本自動車ショウ(現在の東京モーターショー)に展示されたスカイライン1900をベースにしており、初代スカイライン(ALSI型)とシャシー、ボディーを共用する。

当初は水冷直列4気筒OHV1862cc GB30型、80㏋エンジンを搭載し、その後4灯式ヘッドランプと2灯式テールランプの採用、1961年2月にはキャブレター変更に伴う90㏋への出力強化、エクステリア細部の変更などを実施した。

2代目(S40系・1962年~1967年)

ワイド&ロープロポーションの「フラットデッキ」スタイルを持ち、搭載エンジンも従来からの1900㏄直列4気筒OHV90㏋(GB4型改めG2型)になった。

1963年には日本の国産乗用車としては初の水冷直列6気筒SOHC1,988cc105㏋のG7型エンジンを追加し、翌年に排気量・出力を2,484cc・130㏋に増強したG11型エンジン追加。

シリーズ初のAT車が設定されたモデルでもある。

ステーションワゴンやライトバンも含んだ多様なグレードを設定。

なお最上級のグランドグロリアグレードには宮内庁が特注したホイールベース延長版が存在しており、当時の皇太子殿下が乗られていた。

1966年にプリンスは日産に吸収統合されるが、しばらく生産販売はプリンスにいた社員を中心に行われる。

3代目(A30系・1967年~1971年)

当時のアメリカ車の影響受けた独特のスタイリングが、皇室御料車として採用されていた「日産プリンスロイヤル」を彷彿とさせるところから「ロイヤルルック」と呼ばれた。

特に縦並び4灯式ヘッドランプと縦型テールランプを持つ独特なフォルムとも相俟って「縦目のグロリア(略してタテグロ)」とも呼ばれている。

スタンダード車には日産製の直列4気筒OHV1,982cc・99㏋のH20型エンジンを搭載。

スーパー6、スーパーデラックス、バンデラックスグレードには当初プリンス開発の直列6気筒SOHC・G7型エンジンが搭載されていたが、後期モデルにはセドリックやフェアレディZと同じ日産製L20型エンジン(105㏋・115㏋)に変更された。

1969年にパワーステアリングやパワーウインドなどを搭載したスーパーデラックス・ロイヤルパッケージ追加設定され、1970年にはこれをさらに発展させたスーパーデラックスGLが追加されている。

4代目(230系・1971年~1975年)

この代以降はセドリックの兄弟車種という位置づけになっていて、フロントグリルやボンネット、テールライト等が相違点となっている。

セドリックには設定されていたステーションワゴンはこちらにはなされていない。

CMにキャッチコピーは「小さなため息が生まれる・・・・・・大きなグロリア」。

広告キャラクターに三田佳子、岡田茉莉子、ジュディ・オング、岸惠子などの女優や歌手を起用。

5代目(330系・1975年~1979年)

ボンネットフードにある十文字型の立体エンブレムがセドリックと若干異なり、こちらはをモチーフとしている。

その他にフロントマスクやテールランプなどのデザインが違う事を除けば、セドリックと同一になっている。

キャッチコピーは「アダルトのグロリア」。

6代目(430系・1979年~1983年)

フロントとリア周辺の一部を除けばほぼセドリックと同じで、2代目以来のステーションワゴンが設定された。

セドリックと共に日本車初のターボチャージャーエンジン搭載車となっている。

キャッチコピーは「サイレント・グロリア~グロリアの歴史は高級車の歴史~」。

広告キャラクターには米国のプロゴルファー、ジャック・ニクラスを起用。

7代目(Y30系・1983年~1987年)

新開発となるV6・OHCのVG型エンジンを搭載。先代に引き続きジャック・ニクラスが広告キャラクターを務めた事もあり、先代の後期より設定されていた「ジャック・ニクラスバージョン」が引き続き設定された。

ステーションワゴン/バンは'99年まで生産された。

キャッチコピーは「静かな王国です~新しいV6のグロリア登場~」。

8代目(Y31・1987年~1991年)

セドリックと共に日本車で初めて5速オートマチック(電子制御式)を採用。

キャッチコピーは「彼は、さりげなく贅沢です~きっと、新しいビッグカーの時代が来る~」。

広告キャラクターには女優の前田美波里を起用。

 

9代目(Y32・1991年~1995年)

全てが4ドアハードトップと、現行制度での3ナンバークラスになる。

ボディは同一ではあるが、セドリックが高級車の王道を行くイメージであったのに対してこちらはスポーティー色を強く打ち出した。グランツーリスモでは丸目4灯のヘッドライトが印象的。

10代目(Y33・1995年~1999年)

基本的には9代目のコンセプトを引き継いでいる。搭載されるエンジンが新世代のVQ系に変更。またスカイラインと同じRB25DETも採用された。

VIPカーのベースとして高い人気を誇るほか、前述の通りRBエンジン搭載グレードのおかげでチューニングベースとしてもそこそこ。もっとも、ライバルには遠く及ばないのだが…

 

11代目(Y34・1999年~2004年)

セドリックと合わせて「1ブランド1モデル」に絞ったグレード展開がなされた。ブロアム系の高級路線を引き継いだセドリックに対し、グロリアはグランツーリスモ系のスポーティーな路線を継承。セドリックとの主な違いは先代を彷彿させる丸目6灯のヘッドライト、太いフィンで構成されるグリル、クリアテール。ちなみに国産車で純正クリアテールを採用したかなり希少な例である。

折からの平成不況とセダン全体の人気の下降により2004年9月に生産を終了。約45年に渡る歴史に幕を下ろす。

後継車種としてフーガが新たに販売を開始した。

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