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概要

バンダイ玩具第1事業部が1996年に発売した、初代プレイステーション(PS)専用のロボットもの対戦格闘ゲーム。いわゆる「プラモシミュレーション」(あるいは後のガンプラバトル)の実現を図った初期の意欲作であり、登場する人型機動兵器「ZXE-D」を象った、「立体ロボ」と称する専用のプラキット4体が付属物としてゲームに組み込まれていることを特徴とする。

世界観は、21世紀初頭の隕石群落下による文明荒廃から数世紀後、文明の再興に伴い新たに誕生した諸国家は、隕石群に含まれていた磁性伝導物質「プラズマトライト」を新資源と見なして奪い合い、採掘用の人型機械を兵器化した「ZXE-D」を用いて紛争を繰り返していた……というもの。ZXE-Dは全高5 - 7m級の機動兵器で、脚部が逆関節の「グルースキャップ」、頭部が上半身に埋もれた「ウラガーン」、下半身がホバーユニットの「アインホルン」、そもそも人型から外れた4脚歩行機の「魯海王(ルーハイウォン)」と、オーソドックスな人型の機体が一切登場しないのも特徴と言える。メカニックデザインは横山宏氏が、パイロットのキャラクターデザインは江川達也氏が担当した。

ZXE-Dはコアとなる上半身に加えて、右腕、左腕、下半身の計4つのユニットから構成されており、これらは機種に関わらず自在に組み替え、機体性能を変更することが可能。プレイヤーがゲーム内で自機のカスタマイズを行う場合は、専用のインターフェースユニットを介して立体ロボをPSのメモリーカード差込口に接続した上で、立体ロボの各パーツを組み替えることでゲーム内のZXE-Dにもそれが反映される。「製作・改造したプラモデルのデータをシミュレーターが読み取る」というプラモシミュレーションの設定を、当時の技術で可能な限り再現したものと言える。

また、武器(攻撃)の強化やパイロットの設定といった要素もあり、立体ロボ側にも対応したパーツが付属しているが、これらにゲームとの連動要素は組み込まれていない。ゲーム内ではカラーリングの変更も可能だが、説明書には「立体ロボは自分で塗り直そう」という旨の、全プレイヤーがモデラーであることを前提としているが如き指示が記されている。

一方で、立体ロボとの連動以外の部分、純粋な格ゲーとしての評価は乏しく、立体ロボ4体や周辺機器などをセットしたために値段が跳ね上がり、結果として購入したプレイヤー=対戦者が少なくなってしまったこと、前述の世界観以上のストーリーがなく、ソロプレイではひたすらランダム生成されたCPU機と戦い続けるだけでやり込み要素が薄いことなどが、しばしば不満点として挙げられている。そのため、予定されていた新作立体ロボの展開も取り止められてしまった。

また、モデラーとしての嗜好を持たないプレイヤーによって、立体ロボの組み立てが「プレイまでに手間がかかる」と認識されてしまったこともあったという。

プラモデルとしては、スケールは1/48でサイズ感は後の『フレームアームズ』あたりに近い。スナップフィットかつポリキャップ使用、また、関節部がラバーパーツで覆われているなど、バンダイホビー事業部が同時期に展開していた『機動警察パトレイバー』のプラモデルに近い部分も見受けられる。アンテナなどの細部のパーツは破損防止のためか軟質樹脂製となっている他、要所要所に塗装済みパーツや金属製パーツを採用、展示台用のスタンドも付属するなど豪華仕様だった。なお、上半身にはインターフェースユニットを接続するジャックやセーブデータを記録するメモリーが収められており、細かいパーツを取り付けるのみの半完成状態で封入されている。

メディアミックス展開として、服部健吾氏による読切漫画が『コミックボンボン』誌上に掲載されたこともあった。

関連タグ

格ゲー ロボゲー プラモデル キャラクターモデル

バンダイ プレイステーション

アドバンスドグレード - 後年のバンダイによる「プラモデルとゲームの連動」の試み。

元祖SDガンダム - 玩具第1事業部が手がけたプラキット形式の製品繋がり。

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