概要
Paleoart(または Palaeoart)とは、科学的証拠を基に、古生物を復元・表現する芸術作品の英語。日本語では「パレオアート」と表記されるが、元の英語の発音は「ぺレオアーツ」が近い。
古生物は化石しか残っておらず、当然ながら生きた状態で観察できない。そのため、科学的に推測されたその生き様や、その地質時代の生態系の様子を形にして表現するには、パレオアートが必要不可欠な媒体となっている。
日本語圏では古生物の愛好家の間でもあんまり聞かない単語だが、欧美圏では古生物学と芸術の一大ジャンルとして確立している。手法自体は19世紀まで遡るが、パレオアートという言葉は20世紀後期から現れており、当時恐竜が活発な生物として見直されることから大きな影響を受けて台頭し始めた。21世紀以降ではインターネットとデジタルアートの普及化で更に活性化しており、表現手法も伝統的な絵画(復元画)や立体物から3DCGやアニメーションまで多岐にわたる。
「古生物を題材にした芸術表現」である所は共通だが、パレオアートは科学的情報の正確さを重視するノンフィクションのジャンルであり、古生物を題材・モチーフにしたフィクションや創作とは異なる。