概要
インド・ヨーロッパ語族スラヴ語派西スラヴ語群に属する言語。チェコの公用語。隣国スロバキアの公用語であるスロバキア語とは互いに通訳なしで理解できるレベルに近い。
13世紀以来の長い文学の伝統を持ち、15世紀には神学者ヤン・フスによってラテン文字に様々な記号を付け足す事によって発音を分かりやすく区別できるようにする表記法が考案されるなど、言語としての歴史は東欧でも比較的長い部類に属する。なおかつチェコ語アルファベットの「文字に記号を加えて発音を細かく区別できるようにする」という仕組みは後にクロアチア語やスロベニア語などバルカン半島のスラヴ諸語のラテン文字表記法に応用されるなどしている。
他の多くのスラヴ語の例に漏れず、チェコ語も複雑な語形変化と自由な語順を持ち、なおかつ文字の上では子音しか存在しない単語が少なからず存在する(代表例として"Strč prst skrz krk."「指を喉に突っ込め」という早口言葉が挙げられる)、母語話者でも小学校できちんと訓練しないと発音できない子がいるような独特の発音"ř"が存在するなど、学習者からすると初見殺しとでもいうような要素を多く含む。一方で補助記号の多用による綴りと発音の分かりやすい関係性や位置の固定されたアクセントなど、習得しやすい要素もそれなりには存在している。
関連タグ
ロボット:画家ヨゼフ・チャペックによる造語。弟で劇作家のカレル・チャペックによる著作『R.U.R.』で初めて用いられ、同作とともに世界中に伝播した。造語ではあるものの恐らく世界一有名なチェコ語の単語である。