寿命
じゅみょう
生物の命の長さ。単純には、生まれてから死ぬまでにかかる時間のこと。これを天から与えられた運命であり、ひいては周囲の人物(主に家族や友人、恋人、医者など)の責任は小さいことを示す言葉である。
この長さには非常に個人差があり、生まれてすぐ死ぬ人間もいれば、100年以上生きる人間もいる。一般には、あまりに若く死ぬことは寿命と言わず、年老いてから死ぬこと(天寿)を寿命と呼ぶこともある。
ただし、上記のように若くして鬼籍に入った者を指し、「寿命だったんだよ」と遺族や友人、恋人など近しい者を慰めるケースも見られる。自殺や事故、被災、戦死、殺人など、ある程度防ぎ得た不慮の死を遂げた場合は年老いていても寿命とせず、逆に病死の場合は若くとも寿命とすることも多い。
このように、文脈や使用者によってかなりニュアンスが変わる言葉である。
人間を含む多くの動物の個体は、事故や捕食に遭わず恵まれた環境で過ごしても老化して死に至るが(生理的寿命)、生理的寿命は全ての生物にあるわけではなく、明確な寿命が認められていない生物も多い。かつては老化は生物の必然と考えられていたが、現在では、もともと生物に生理的寿命はなく、寿命は脊椎動物や節足動物などの一部動物門への進化によって獲得されたものと考えられている。
縄文杉のように数千年単位で生きている樹木があることはよく知られている。貝類は数百年生きているものが多く見つかっているが、若い個体と区別をつけるのが困難であるため最近まで見過ごされていたという。
主な動物の寿命
一例を挙げると以下のとおりである。
なお、上記のように捕食や飢餓による死は寿命と考えないことも多いことから、動物の寿命は人間の飼育下においてあらゆる危険から遠ざけられた上での平均的なものを示すことが多い。
ただし、ここにも当然個体差は存在するため、中にはこれより遥かに長生きする個体もいる。
動物の死には捕食圧や飢餓の影響が大きく、野生環境では平均生存期間が一般にこれより短くなる。ただし、飼育されることによるストレスの影響や、そもそも飼育方法が確立されていないなどの影響で野生の方が長くなるケースもある(人間が生息環境を再現しにくい水棲生物に多い)。
開発・設計・製造の段階で製品や部品が、どれだけ使用に耐えるかという期間や、使用回数といった想定値。一般的には単純なものより複雑なもの、動かないものより動くものの方が壊れやすい。ユーザーの使い方次第で大きく変わるものも多い。しかし中には使用せずに保存しているだけでも寿命が来る物もある。
工業製品では寿命を迎えたときに完全に使えなくなるものと、まだ使えるが製造時と比べて大きく性能が下がっているものとある。
また、突然壊れると危険などの理由で寿命が来る前に交換しないといけないものもある。そういうものでは一定時間の経過を目安にトラブルがなくても交換してしまう事もあるが、寿命が近づくと何らかの印が出たり、わざと異音が出るようにしてあるといった何らかのサインを出すようにしてあることもある。
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