ラム(宇宙戦艦ヤマト)
らむ
「バースの軍人は敵に後ろを見せるようなことはせん」
CV:木村幌
『宇宙戦艦ヤマトIII』に登場したボラー連邦の軍人。ボラーの保護国である惑星国家バースの出身で、バース艦隊の旗艦「ラジェンドラ号」の艦長を務める。
バース人の特徴である緑の肌と天パの髪が特徴。
劇中での初登場は第2話。ガルマン・ガミラス帝国(この時点だと「ガルマン帝国」と呼称されている)の東部方面軍第18機甲師団艦隊(ダゴン艦隊)が祖国バースに攻めてきた際に艦隊を率いて迎え撃つが、破竹の勢いで進撃するダゴン艦隊には敵わず、幾度かの交戦を経て最終的にラジェンドラ号一隻だけで太陽系に逃げ延びる。
そこに偶然通りがかったヤマトから退去を要請されるものの、そもそも艦が満足に動けない状態であったため、地球の中立を崩さない範囲の人道的支援として、24時間の滞在と航行機能に限定した艦の修理、および燃料・食糧・医薬品の補給を受ける。
艦の修理中はヤマトに滞在し、古代進と真田志郎と艦長室で会談。ガルマン帝国の存在を教える。しかし、会談の最中、ラジェンドラ号を追撃してきたダゴン艦隊が太陽系に出現。ヤマトに対してラジェンドラ号の引き渡しを要求してくる。ラムは自らダゴンと交渉に臨み、そもそも艦の修理が終わらないと動けないこと、そして滞在許可時間を過ぎたら(地球連邦の領空外まで)出たうえで戦うと宣言し、猶予を得る。
単艦で、しかも武装の補修を受けられてないラジェンドラ号では勝ち目は一切なく、出て行ったら絶対に助からないと真田も忠告するが、ラムは「大切な乗組員をむざむざ死なせるようなことはしない」と言いつつも「戦う人間としての誇り」を重んじるため、宣言通り修理が完了したラジェンドラ号で出発する。その後、ラジェンドラ号はダゴン艦隊に包囲された状態で太陽系外まで移動。系外へ出ると同時にワープで離脱しようとしたが、ダゴン艦隊は領空侵犯上等でヤマトもろとも攻撃してきたため失敗する。
その後はヤマトとともにダゴン艦隊を交戦。逃げるチャンスがあっても、自分達のために戦ってくれているヤマトへ恩義で戦い続ける。最終的に艦は轟沈寸前にまで損傷し、重傷を負ったラム艦長はヤマトとの通信で戦いの途中で離脱することを謝罪したうえで、彼らに別れを告げながら息を引き取る。その直後にラジェンドラ号も爆沈し、彼を看取った部下たちも後を追う形となった。
彼の生き様はヤマトクルーに感銘を与え、古代は「尊敬すらしている」と彼に告げている。
その後、ヤマトがバース星に立ち寄った際には、ラム艦長が通信でヤマトに助けられたことを連絡していたため、彼らから快く受け入れられる。しかし、ヤマトが宗主国のトップたるベムラーゼ首相と敵対してしまったことで、バース星とヤマトも敵対することとなってしまう。そして最終的にラム艦長が護ろうとした祖国はベムラーゼの手によって破壊されるという無残な結末を迎えることとなってしまった。
2024年の小説『宇宙戦艦ヤマト黎明篇』第2部「マリグナント・メモリー」では、バース人の生き残りから英雄として称えられ、新たな母星となった惑星ノヴァースに銅像が建てられている。
『ヤマトよ永遠に_REBEL3199』の公開に先立って公開された設定画の中に、彼らしきデザインの人物が見られる。容貌はラムそのもので、服装は他のボラー軍人と同じコート姿である。
彼の声を担当した木村幌は、第一作でナレーションを担当し、『さらば宇宙戦艦ヤマト』『宇宙戦艦ヤマト2』では土方竜、『宇宙戦艦ヤマト新たなる旅立ち』ではグレートエンペラーを演じるというヤマトシリーズの常連声優だった。
しかしラムを演じた数か月後に47歳という若さでこの世を去り、このキャラクターが彼の遺作となった。