概要
CV:檜山修之
天秤座(ライブラ)の黄金聖闘士。
年齢は不明だが、後述の来歴より紫龍より数年以内くらいで歳下と判明した。
容姿は細マッチョで長身、逆立った明るめの茶髪と緑の目の美形。
Ω世界においてアテナに忠義を立てる数少ない黄金聖闘士の一人。
今代の黄金聖闘士の中でも行動的な性格からかリーダー格で聖闘士を牽引するのが上手く、若者に厳しくもしかるべき教えを諭す。
第一回公式人気投票第5位であり、本作のオリキャラ黄金聖闘士では最高位をマークした。
一期
19話で初登場。
天秤座の黄金聖闘士を名乗り、五老峰近くの水の遺跡に現れ、紫龍の管理していた天秤座の黄金聖衣がオブジェ形態になっていたところを聖衣石の形にして持ち去った。
反撃しようとした光牙ら4人を生身の状態で強大な小宇宙を放って吹き飛ばしかけたが紫龍に小宇宙できつく威嚇されて撤退。ただし紫龍は言葉を発せない状態だったため、聖衣が奪われたことなのか息子を傷つけられかけた事かどちらに怒っていたのかはわかりにくい。
その際「俺の使命は黄金聖衣の確保」と語っており、マルス側についた聖闘士達が確保しようとしていたアリアにも然程関心を見せていなかった。
2012年11月末発売のゲームアルティメットコスモでも彼の身元などについては一切不明のまま。
登場当初はマルス派かとも思われたが、ゲーム中の扱いでも本当に敵なのか微妙であったため視聴者の間でも様々な説が取りざたされた。
19話で紫龍を知っているらしい台詞があったことから「紫龍の関係者説」「先代の天秤座である童虎の関係者説」など様々な推測がされ、pixivでもこれらの想像に基づいた先走り作品がいくつかアップされていた。
天秤座の黄金聖衣も何故か自らの意思で彼を装着者として選んで彼の元に飛んで行っており、また32話で新規に披露されたOP映像の一部では他の黄金聖闘士達が本作レギュラー陣と戦う中、何故か貴鬼と背中合わせで佇んでおり戦闘をしていないことから貴鬼との関連も様々に推測されていた。
19話で聖衣を持ちさったことに龍峰が激怒した際は「納得できぬのなら俺のところまで来い」とだけ言っており説明はしておらず、アルティメットコスモでもある意味龍峰の成長を促すかのような態度が見られ、その真意や背景は不明なままにされていた。
39話で、時貞に襲われている光牙らを助け、時貞と対戦。
実はその正体は童虎の最後の弟子、つまり紫龍の弟弟子であった。しかし当時は修行にあまり身が入らず童虎に説教を食らう日々で、結局聖闘士にならないまま童虎の元を離れている。
そのため、19話で紫龍が威嚇した理由について玄武自身は、修行に身が入らず聖闘士にならないで童虎の元を離れた自分を紫龍が信用できなかったのではないかと思っている。
本編では自信家で不遜な口調ながら時貞を上回るスピードとタフさを見せつけ、時貞の時間操作により相手の動きを遅くする技に多少苦戦するも「動きの早さを半減させられたらその倍の早さで動けばいい」というトンデモ理論(似た発言を昔一輝がしている)で対抗しガンガンパンチを入れまくる。
どこでどう修行していたかは不明だが十分な実力をつけていたようであり、真のアテナである城戸沙織への忠誠も現在は厚く彼女の監禁場所を光牙らに教えた。
上記の経緯から、天秤座を強引に継ぐ事に関してはいささかの逡巡もあったようであり龍峰には一応謝罪しており和解している。
その後時貞に勝利したもののメディアが十二宮を崩そうとしたため自身の小宇宙で十二宮を支え光牙らを先にいかせた。
41話では聖衣の武器で「時の果て」に飛ばされた栄斗と龍峰を救出している。
48話では武器(ツインロッド)で貴鬼とハービンジャーを天秤宮まで誘導、フドウを加えた4人の小宇宙で蒼摩ら青銅聖闘士を火星に送り込み、地球の崩壊を食い止めるべく小宇宙を放出しつづけた。
二期
黄金聖闘士に留任。
58話での聖闘士全員集合の際に沙織が倒れかけた時は沙織の代理的に聖闘士達に檄を飛ばす等黄金聖闘士達の中でも仕切り役に近い存在となっている。
相変わらず戦う楽しみを優先気味だったり沙織にタメ口のハービンジャーとは今ひとつそりが合わないようである。
紫龍との和解がなったのかは不明。
60話ではパライストラに来訪、パライストラ防衛の指揮を執り、新生聖衣に頼った戦い方になりかけていた光牙らを叱咤、その直後来襲したパラサイト軍団を1人で蹴散らし、聖闘士たちに戦術の心得を身をもって教える。
しかし対戦したエーギルが上司ハイペリオンに貸し与えられた剣「天地崩滅斬」の圧倒的な威力に苦戦し、天秤座の剣を使用する。天地崩滅斬で時間を止められた聖闘士や一般人を救うためエーギルではなくハイペリオンと剣の破壊を目的とし自らの体に剣を受け止め致命傷を負った。天地崩滅斬には一部ヒビを入れたのみであったが結果皆の時間停止もとけ、光牙がエーギルを倒したのを見届け息を引き取った。
Ω覚醒編
紫龍、貴鬼、フドウがパラス城内部でハイペリオンと対峙した際、彼らは禁断の奥義・アテナエクスクラメーションを発動させて天地崩滅斬に対抗した。力と力の衝突で両陣営は拮抗するが、玄武が命と引き換えに入れた聖剣の皹から破損が拡大し、やがて剣は折れてしまった。紫龍曰く“玄武が天地崩滅斬に皹を入れた時点で勝敗は決していた”ようであり、紫龍、貴鬼、フドウと共にアテナエクスクラメーションの構えをとる玄武の幻が浮かび上がった。
…そして力の均衡が崩れた事で、爆発の余波はハイペリオンだけでなく紫龍、貴鬼、フドウをも飲み込んだのであった。(とはいえ、放ったメンバーがメンバーなだけに「そのうち唐突に再登場するだろう。」というツッコミが多々来るのだが…。)
見方を変えれば、玄武を加えた黄金聖闘士四人が力を合わせなければ天地崩滅斬は完全破壊できなかった訳で、そう考えるなら玄武が勝利の立役者なのは間違いない。
天秤座の玄武
「調和と均衡を司る黄金聖闘士」を名乗る。
先代の童虎が着用していたバージョンと盾の装着位置が異なって両方とも右肩の上に載せる形となっており、裾もやや長めになっているが、Ωの黄金聖衣の中では比較的旧作に近いデザインとなっている。
また現時点で水瓶座と並びオブジェ形態が披露された聖衣であり、従来の天秤座の聖衣通りパーツが武器になっている。このため先代の童虎時代と同様に天秤座担当の聖闘士はアテナと共に武器の使用許可を出す権限を持つ重要な役割であるという設定も健在である。
後述の通り、聖衣の武器は本編中では殆ど武器としての使用はされておらず、龍峰が通過困難な水の遺跡を通過するときに水流を切ったりし、空間のショートカットや異次元への橋渡しも可能なようであり、どこでもドアのような使い方すらもされている。
属性は水。聖衣石は緑色で、アルファベットの「H」の文字に似た形になっている。
戦闘は師の童虎や兄弟子の紫龍がエネルギー波のアッパー系の技を多用するのに対して、スピードのある移動能力を活かしたアクティブなスタイルである。
技
- 廬山真武拳(ろざんしんぶけん)
右ストレートの強力なパンチ技。
- 廬山上帝覇(ろざんじょうていは)
両手の構えから繰り出すエネルギー波技。
- 廬山昇天覇(ろざんしょうてんは)
黄金の龍のオーラを打ちだす拳。昇龍覇の玄武ヴァージョン。
アルティメットコスモにおいて
ゲーム中では武器を使った戦闘を行っているが、本編では62話のみ使用。
また同作中ではやたらとサイズがでかくなっている。
余談
紫龍の「龍」、童虎(および王虎)の「虎」、と合わせると、四神のうち朱雀を覗いた3匹が揃うようになっている。
残る朱雀はというと、既にそれらしいモチーフのキャラは存在するのだが、五老峰組との繋がりは薄い。
上記の通り、ファンにとって印象深い人物ではあるのだが、一方で死後のストーリー展開により、彼の実力を疑問視する声も上がっている。
彼が命と引き換えに破損させた聖剣を、生きたまま砕いていく者達が次々現れたことや、性能面で彼より圧倒的に劣る聖衣を着ていながら、聖剣抜きでも彼と良い勝負をしたエーギルを余裕で撃破した者が現れたことが、この傾向の主な原因となっている。
車田氏の漫画において、戦闘の優劣がその場の勢いで変わることはよくあることなのだが、玄武はそうした氏の作風の良い面・悪い面両方を、モロに受けたキャラクターと言えるだろう。
また、山羊座ショックでの奇妙なシンクロぶりも記憶に新しい、同じニチアサ番組の『仮面ライダーフォーゼ』だが、玄武初登場の同じ日の放送で、天秤座が退場というまたも謎のシンクロを見せた。