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潜水艦の編集履歴

2014-08-11 15:38:50 バージョン

潜水艦

せんすいかん

水中を航行できる軍艦。

潜水艦とは、水中を航行できるのこと。


概要

軍事用である軍艦の場合はこのまま呼び、海底探査用のものや、民間の遊覧用の場合は「潜水艇」と呼ぶのが多い。


隠密性と航続性能が特徴であり、魚雷対艦ミサイルを用いて敵の艦船を攻撃することを主任務とする。20世紀前半での速度は水上最高速が最大でも18-20kt前後、水中最高速は最大でも8-10ktと御世辞にも高速とは言えず、敵の駆逐艦巡洋艦航空機に発見された場合の生還は難しかった。「ドン亀」などと揶揄されることも多く、高速性能の向上は涙滴型や葉巻型を待たねばならなかった。ちなみに、日本陸軍も海軍に対抗してまるゆ三式潜航輸送艇)と呼ばれる潜水艦を造った。


歴史

大昔から水中を進める船は考えられ、古くは南北戦争南軍の潜水艇H・L・ハンリーが敵艦に外装水雷を仕掛けて撃沈している。水中に没する都合上、潜水艦の動力を内燃機関とした場合、消費する酸素の確保が問題となる。ハンリーの場合は七人の乗員による人力という脳筋すぎる解決策をとったが、流石に航続距離が乗員の体力が続くまでではあまりにも使い勝手が悪く、その後は電動機や圧縮空気を動力とした潜水艦が各国で試作された。1900年にアメリカ海軍がガソリンエンジンと電動機を直結させたホランド級を就役させると、これがその後の潜水艦のスタンダードとなった。すなわち、水上をガソリンエンジンで機走しつつバッテリーを充電し、潜水中は充電した電気でモーターを駆動するのである。水中での機動力は低く、航続距離も限られるが、隠密行動にはこれでも用が足りた。


第一次世界大戦ではドイツ軍Uボートとして活用し、通商破壊戦にて大いに活躍、その有用性を証明した。第二次世界大戦では日本海軍が漸減邀撃作戦に基き、決戦に先立って米海軍の戦力を削る兵器として長大な航続距離を持つ大型潜水艦を多数建造。しかし、実際には真珠湾攻撃によって標的とすべき米戦艦がほぼ全滅してしまった(と言っても、後にその多くが修復されて復帰したり、別の新たな戦艦が建造されるのだが)。そのため、十分に活躍することができず、南方への輸送任務や、遣独潜水艦作戦等という、本来の設計思想とは異なる作戦に投入され、多くの潜水艦を失う結果となった。


さらに、実戦には間に合わなかったが、特殊攻撃機晴嵐」を搭載できる潜水空母ともいえる巨大潜水艦を製造した。


ドイツアメリカはそれぞれイギリス日本に対して大規模な通商破壊を実施、特に高性能なレーダーで効率的に通商破壊を実施する米潜水艦に対して、シーレーン防衛を軽視していた日本海軍は効果的な対策を打ち出せず、日本商船隊は壊滅状態に陥り、本土、前線共に飢餓の憂き目にあった。


冷戦期には原子力機関が実用化され、米海軍のノーチラス号によって初の原子力潜水艦が誕生した。これによって潜水艦は給油も充電のための浮上も必要なくなり、食料の続く限り水中に留まることが可能となった。さらに、水中でも水上と同様全速力で航行することができるようになり、飛躍的な機動力の向上をもたらした。同時期、安全かつ確実な核投射手段として核弾頭大陸間弾道ミサイルが米ソ両国で開発されていたが、当然だが発射前に基地を攻撃されてしまえばそれまでである。しかし、発射基地が広大な海中を移動し続ける場合、これを発射前に攻撃することはほぼ不可能となる。浮上することなく水中を移動し続けることができる原子力潜水艦は、この基地として最適であった。かくして潜水艦発射弾道ミサイルSLBMと、弾道ミサイル潜水艦SSBNが開発され、米ソ互いに睨みをきかせる状況となった。


また原子力機関の採用は、SSBNのみならず水上艦艇や潜水艦を狩る攻撃型潜水艦にも性能の向上をもたらし、かつては天敵であった駆逐艦すら返り討ちにするほどの戦闘能力を獲得、かつての戦艦に匹敵する主力艦種となった。しかしながら、原子力潜水艦は通常潜水艦に対して全てに優位に立っているわけではなく、大きな騒音を発し隠密性に問題があるという重大な欠点がある。このため原子力潜水艦を建造している国でも、通常の防衛用途には通常潜水艦があてられることが多い。


また、近年では非大気依存機関(AIP機関)の開発が進み、通常潜水艦でも1週間以上の潜航が可能となった。既にスターリングエンジンを搭載した海上自衛隊そうりゅう型潜水艦や、燃料電池を搭載したドイツ海軍212A型潜水艦等が就役している。ただ、これらは補助機関以上のものではなく、水中での機動力は従来の通常型潜水艦にも劣る。それでも、従来の通常動力潜水艦と同様に静粛性に優れ、なおかつ燃料が尽きるまで潜っていられるAIP機関の優位性は非常に大きく、これからの潜水艦の主力となると目されている。


ちなみに、先の大戦で米潜水艦に多くの艦艇が沈められた教訓からか、海上自衛隊は対潜能力に特化している。冷戦期には近海に出没するソ連(現ロシア)の潜水艦に睨みを利かせていた。ソ連崩壊から久しい現在においては、中国の潜水艦が頻繁にウロチョロするようになったため、そちらの警戒体制が強まりつつある。


余談であるが、閉鎖された狭い空間に長期間滞在という心理的に非常に過酷な環境のため、屈強な軍人といえど精神疾患に罹患しやすいとか・・・。原子力潜水艦は、理論上何年でも潜水できるが、その前に人間の心身の方が限界となるため、任務はせいぜい数ヶ月までとなっていると言われている。


関連タグ

潜る 潜水 兵器 ミリタリー 魚雷 人間魚雷回天


艦種・艦名

伊号潜水艦 潜水空母伊400) Uボート ガトー級 シーライオン ロサンゼルス級原子力潜水艦 オハイオ級原子力潜水艦 タイフーン級原子力潜水艦


関連創作

書籍媒体

海底二万里 蒼き鋼のアルペジオ 終戦のローレライ フルメタル・パニック! 紺碧の艦隊 沈黙の艦隊 サブマリン707 青の6号

映像媒体

ふしぎの海のナディア ローレライ U-571 クリムゾン・タイド レッド・オクトーバーを追え! 眼下の敵 タイドライン・ブルー

ゲーム・他

艦隊これくしょん スティールダイバー


ネタ

潜水艦道

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