概要
「ドキドキ!プリキュア」最終話「あなたに届け!マイスイートハート!」に登場するキュアハートの最終形態。
白いマント様のパーツが装着され、左胸のハートから生える翼も強化、そこからマントと同素材のような襟飾りが出現、コスチュームのピンク色もやや薄めのパールピンクに変わる。
エンジェルモードはコスチュームそのものは不変であったことを考えると、本編で唯一のスーパープリキュアともいえる。
エンジェルモードのキュアハートが、キュアダイヤモンド、キュアロゼッタ、キュアソード、キュアエースの力を得、さらにプリキュア三種の神器(マジカルラブリーパッド・エターナルゴールデンクラウン・ミラクルドラゴングレイブ)の力が加わり誕生した。
プロトジコチューの拳を真っ向から片手で受けとめ投げ返すパワー、複数の腕から繰り出すパンチをすべて見切ってよける俊敏性、残像を生み翻弄するほどのスピードを持ち、舞うように上体を大きく後ろに反らせた後、その体勢から一発でプロトジコチューを成層圏まで蹴りあげる。
さらに自らも一気に成層圏まで上昇、ソニックブームにプロトジコチューはきりきり舞いさせられる。(第41話で五星麗奈の助力を得てエンジェルモードのプリキュアが成層圏に達したのとは対照的。)
その圧倒的な力は、プロトジコチューをして「さっきまでのキュアハートとはまるで違う。」と言わせしめるが、ジョナサン・クロンダイク曰く「思いの力がひとを強くする。誰かを守りたいという思いの力を持つ女の子は誰でもプリキュアになれる。」、そして「その力は宇宙を生みだしたビッグバンにも匹敵する。」のだそうだ。
女の子なら誰でも持つ潜在的な無限の力をそう評したジョナサンの言葉ではあるが、そうは言ってもこれだけの芸当をこなせるのもマナだからこそだろう。
もっとも、プリキュアの最終フォームではこれくらいのインフレ設定はそう珍しくもない。
パルテノンモードが当時において斬新だったのはキュアハートがタイマンでラスボスとケリをつけるための強化形態なところである。つまり、他の仲間たちは通常フォームでキュアハートのサポートをするわけでなく、全く戦闘に参加せずにただ見守るだけなのである。これは、パルテノンモードが仲間すべての力をハートに分け与えて誕生したという設定上、致し方ない。言い換えれば、パルテノンモードが成立した時点で、他の仲間たちはキュアハートを十分にサポートし終わったと言える。
メイン主人公のみに最終フォームの力が与えられてラスボスとタイマンするというのは近年のプリキュアシリーズでは珍しくない傾向であるのだが、それを初めて行ったのがキュアハートであったため、放映当時は物議を醸し出した。
(それ以前の前例としては『ハートキャッチプリキュア』の無限シルエットも1人でラスボスを圧倒していたが「4人のプリキュアと3人の妖精が融合している」という扱いであり、キュアブロッサムがタイマンしているわけではない)
プロトジコチューの放つ衝撃波を真っ二つに切り裂きながらの踵落とし(10秒近い叫びは必聴!!)で再び地球まで蹴り落としたあと、最後はキュアハートの初期技でもある「マイスイートハート」でこれを浄化した。
「そうとも時代は繰り返す。人間にワガママで自分勝手な心がある限り、私は何度でも蘇る。そう何度でもだ!」
「わかるよ。私のなかにもワガママな心はあるもの。」
「なん…だと?」
「誰かを妬んだり、何もかも嫌になって投げ出したくなったりすることもある。けれど、そうやって悩むから、苦しむから、ひとは強くなれるんだと思う。」
「ラ…んぐ」
「それにたとえ私が愛を見失ったとしても、私には仲間がいる。支えてくれる仲間がいるから、私は何度だって立ち向かって見せる!」
「ラ~ブ ラブ ラ~ブ!!」
第1話でカニジコチューに説教をした相田マナ/キュアハート。
最終話まで、ブレませんでした。
名称について
「パルテノンモード」の名称は、おそらくギリシャの首都アテネにある世界遺産・パルテノン神殿からとられたものと思われる(「パルテノン」そのものは、ギリシャ語で「処女宮」「乙女の部屋」を意味する)。
パルテノン神殿は、戦の神であるアテナを祀っているが、プロトジコチューを寄せ付けぬその圧倒的な強さは、まさにアテナのようであった。
また神殿にあるアテナ像は「兜・盾・槍」を装備しており、これがプリキュア三種の神器にそれぞれ対応しているという考察もある。
パルテノンモードを命名したのがキュアハート自身だとすれば、なかなか大したネーミングセンスである。
もちろん「キン○マン」に出てきたあの人とは何ら関係はない。
戦闘力に換算すると・・・
圧倒的な強さを誇ったパルテノンモードであるが、同社制作のドラゴンボールの戦闘力に換算すると、超サイヤ人ゴッドや超サイヤ人4に匹敵すると思われる。
それまでのプリキュアシリーズ作品はラスボスとの戦いはメイン主人公が突出して目立ったとしても、仲間たちも戦闘に最後まで参加していた。最後の最後に仲間たちが戦闘から脱落し「主人公1人だけ」でラスボスと戦ったというのは良くも悪くも、歴代作品よりもメイン主人公(ピンクプリキュア)個人の力を強めに演出してしまっている。
ただし、パルテノンモードは仲間全員の力をキュアハート1人に集約させてパワーアップさせている(プリキュアラブリーストレートフラッシュと同じシステム)ので、その力は『ドキプリ』チーム全体の総力であることは確かだろう。
また、ラブリーフォースアローには、姉妹技として、キュアロゼッタに力を集約して発動するラブリーフォースリフレクションが存在することから、キュアハート以外のパルテノンモードも存在する…と類推解釈することは可能である。
しかし、パルテノンモードは戦闘では最強であっても、無敵ではない。
絶対に倒せない相手が1人だけいる。
最強を超えた最弱
プロトジコチューの器になったベールも当然ながらパルテノンモードに浄化されたのだが、彼はネズミのようなみじめな姿になってしまうも、その自我と邪心は変わることなく「また1万年ほど眠りについて力を蓄えるさ(そして次のプロトジコチューが誕生した時代にまた暴れてやる-編集者補足)」と余裕の笑みを見せたままどこかへと去って行った。
心の強さがパルテノンモ-ドの強さにつながっているのならば、ベールの自己中さはビッグバンを超えたことになる。マナの愛が宇宙最強だったとしても、ベールの心のジコチューさはその宇宙という小さな器さえも超えているのである。
戦闘力ではプリキュアには負けっぱなしで最弱パシリの声もあった彼だが(ほとんどの戦闘が、ジコチュー任せにせずベール自ら相手をしたものであるだけに、負けっぷりが目立つこともあるが)、本質はジコチューNo.1だったのかも知れない。本当の本気になればマナさえ倒せたのかも知れないが、「怠惰」の属性を持っている以上はどこまでも他人を利用しようとして失敗してしまうのだろう。ベールは永遠にその時代のプリキュアたちの敵に立ちふさがり、負け続け、それでも決して滅びないという宇宙の法則じみた存在になってしまったのかも知れない。
人間の心にジコチューな部分がある限り、彼らは決して滅びない。マナ本人にもそういう部分があることを何しろ本人が認めている。時と場合によっては、自己中心的な判断が良い結果をもたらすことさえあるのが、人間社会の複雑怪奇な多様さである。もしも彼らジコチューたちが滅んでしまったのなら、その時、人間の心はどうなってしまっているのだろうか。
関連イラスト
※1枚目が初投稿イラスト
関連タグ
スーパープリキュア もう全部あいつ一人でいいんじゃないかな チート マナ王子
キュアハート・エンゲージモード - 劇場版限定のキュアハートの強化形態。
ビビッドレッド - 最終回で登場し、「宇宙創造の光」と称された主人公の最終形態繋がり。
フォーエバーラブリー - 同じく愛のプリキュアの後輩の最終形態。こちらもラスボスとタイマンを張った。