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長門型戦艦の編集履歴

2015-12-02 23:50:51 バージョン

長門型戦艦

ながとがたせんかん

大日本帝国海軍が有した戦艦の艦級の一つ。

ここでは史実での長門型戦艦について解説する記事である。

艦隊これくしょん』に登場する長門型はこちらへ。


概要

大日本帝国海軍戦艦の艦級の一つ。

金剛型で得たイギリス超弩級戦艦建造技術を、扶桑型伊勢型の開発を経て日本独自のものへと昇華し、満を持して八八艦隊計画により建造された初の純日本産の超弩級戦艦である。


建造された1920年当時、「世界最大・最強・最高速」の戦艦であった。ワシントン海軍軍縮条約で長門型と同等の16インチ砲(41cm砲)搭載戦艦の建造が規制されたこともあって、アメリカコロラド級戦艦(3隻/1921年)、ネルソン級戦艦(2隻/1927年)と共に「世界のビッグセブン」と讃えられた。しかも速力ではコロラド級の21ノット、ネルソン級の23ノットよりも優れる約26.5ノットを記録している。

なおこのカタログスペックは機密であり対外的には23ノットとされていたが、関東大震災の際に長門が救援物資を載せて東京へと最大速度で急行した際、それを偶然発見して追跡したイギリス軍に発覚してしまったというエピソードがあるほか、レイテ沖海戦においても、当時の長門より速力で2ノット以上勝る戦艦大和に平然と並走していたなど、金剛型戦艦ほどではないにせよ、相当な健脚の持ち主であったようだ。


また日本独自の設計が多い(実はタービン主機の基本設計や歯車減速装置はアメリカ製だというのは秘密)本型だが、大きな問題を起こさず、日本の軍艦建造技術が世界レベルに到達していたことが証明された。しかも伊勢型の反省から、主砲塔の減少に伴い居住区を広く取れたため、乗員からも歓迎され、居住性も大和型戦艦を除けば日本艦艇中最良のものとなった。


その高性能ぶりは、時代が進む中でも昭和9年から行われた近代化大改装によって維持され続け、ネルソン級や各国の35,000トン級新型戦艦(アメリカのノースカロライナ級戦艦、イギリスのキング・ジョージ5世級戦艦、フランスリシュリュー級戦艦、イタリアリットリオ級戦艦、ドイツビスマルク級戦艦)にも対抗できる性能を、額面上は保ち続けた。

長門型戦艦は第二次大戦期においても「最強の旧世代戦艦」と言える。


上記のことや、連合艦隊旗艦を何度も務めたことから、日本国民にとって長門型は日本海軍の象徴であり、当時の子供達も「大好きな戦艦は何か」と聞かれればこの長門型(特に長門)と即答し、写生するときの題材にも必ず挙がったと言われている。


ちなみに本艦級の設計には造船の神様と呼ばれ、軽巡洋艦夕張」の設計にも携わった平賀譲とそのライバル藤本喜久雄も携わっていた。しかも改装前の長門型で有名な湾曲した前煙突は藤本喜久雄の発案であり、それを平賀譲が勝手に採用したという、二人の対立を深めたエピソードもある。


また一番艦「長門」と二番艦「陸奥」に続いて、三番艦「加賀」と四番艦「土佐」の建造もされていた。この加賀以降の二隻は長門型を改良したものであり、改長門型あるいは加賀型とされていた。だがワシントン条約によって戦艦保有数が制限され、あえなく加賀と土佐は建造中止・解体され、航空母艦へと改装予定であった天城型へ資材として再利用される予定だった。しかし関東大震災で天城型一番艦「天城」が大破してしまったため、急遽代艦として加賀が改装対象に選ばれ、晴れて航空母艦「加賀」として竣工したのだった。

ちなみに四番艦の土佐は砲弾や魚雷の実験に用いられ、その後の艦艇の防御力強化や九一式徹甲弾の開発につながった。


余談

長門は戦後のクロスロード作戦(原爆実験)で最期を迎えたのに対し、陸奥はその本領を発揮しないまま停泊中に轟沈、という最期を遂げている。

しかしこの陸奥の資材は戦後思わぬところで貢献することとなる。

現在の製鉄技術は(破損の検出目的で)工程に放射能を意図的に使用するため、微量の放射線が含まれている。

戦前に沈み、しかも海中にあったために戦後の放射能実験の影響を受けず、浅瀬という引き揚げが容易な場所であったという好条件から、放射能を含まない純粋な鉄である「陸奥鉄」は重宝されている。

つまりどちらも妙に放射線に縁のある艦なのだ。


同型艦

一番艦・長門 二番艦・陸奥


No艦名工廠起工進水竣工沈没
一番艦長門1917/08/281919/11/091920/11/251946/07/29(標的艦として)
二番艦陸奥横須賀1918/06/011920/05/311921/10/241943/06/08(謎の爆沈)

関連タグ

前級:伊勢型戦艦 次級:大和型戦艦土佐型戦艦(未完成)

戦艦 大日本帝国海軍

サイボーグ009:TVアニメ第1期16話にて、息子を太平洋戦争で亡くした超能力者が太平洋の海底から蘇らせ、アメリカ復讐しようとした。反戦の色が強かった『009』内でも最も異色なエピソードとなっている。

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