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全領域異常解決室

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ぜんりょういきいじょうかいけつしつ

『全領域異常解決室』は2024年10月9日から12月18日までフジテレビ系「水曜22時枠」にて放送された連続テレビドラマ。主演は藤原竜也

概要

『全領域異常解決室』は2024年10月9日から12月18日までフジテレビ系『水10』枠にて放送された連続テレビドラマ。主演は藤原竜也

脚本はドラマ『TOKYOMER』、『マイファミリー』、『グレイトギフト』等を手がけた黒岩勉

ストーリー

全体を通して日本神話の神「ヒルコ」を名乗る人物が引き起こした被害者の遺体以外(衣服、持ち物、血や髪の毛など)が現場に残された神隠し殺人事件を主軸に展開する。ただし、ドラマの前半と後半でだいぶ毛色が変わっている。

物語前半は超常現象専門の捜査機関「全領域異常解決室」が、ヒルコを名乗る謎の犯罪者が仕掛ける様々な事件を多少のオカルト要素を残しつつも基本的には科学的に解決していくストーリーである。

しかし、後半になると同機関が人間に転生した日本神話の神々により構成された組織だと判明し、神々に反旗を翻すヒルコ及びその信奉者達との戦いを描くオカルト要素がかなり強いストーリーとなる。

用語

  • 全領域異常解決室

内閣府に属する超常現象専門の捜査機関で通称“全決ゼンケツ”。局長をトップに東京の稲荷山神社に隣接する建物に本部を置く。他に京都伊勢出雲にも同様の組織があることが明かされている。

実態は人間に転生を繰り返す日本神話の神々により引き起こされた怪奇を人間に悟られないよう解決する転生者達による組織。

作中では日本神話に登場する神々が固有の特殊能力を持ったまま人間への転生を繰り返し、現世に至るまで人々を見守り続けている。

神の転生体は産まれたあと物心が付く頃には神の頃からの記憶が全て蘇り、自分の役割を自覚する。中には能力を使ってトラブルを起こす者もいるため、これを気付かれないよう秘密裏に解決するのがゼンケツの本来の役割である。

  • 事戸渡し(ことどわたし)

記憶削除術。相手の頭に手のひらを掴むように乗せ「事戸を渡す」と唱えると相手の神に関する一切の記憶が消える。これを神の転生体に行い殺害すると肉体がチリのように消滅し、その魂は転生できず永久に失われるという。

神隠し事件は犯人が神の転生体にこの術を使った後で殺害したため起きていた。

基本的に神の転生体のみが使える技だが、人間でも1人だけ使える人物が確認されている。

登場人物

全領域異常解決室

演-藤原竜也

本作の主人公で全決室長代理。詳細は個別記事参照。

演-広瀬アリス

第一話でゼンケツに異動してきた警察官で雅とペアを組む。詳細は個別記事参照。

  • 宇喜之民生

演-小日向文世

ゼンケツの局長で宇迦乃御魂大神の転生体

捜査は雅と小夢に基本的に任せており、政府要人との交渉や他のゼンケツ本部とのやり取りなど事務や裏方仕事をしていることが多い。農耕の神の転生体のため料理が得意であり、ゼンケツのメンバーに食事をふるまう場面が多々ある。

穏やかで優しい口調をしているが、「ゼンケツがヒルコと結託して怪異を引き起こしている。」という疑惑が出た際には怪訝そうな顔をしており、更にヒルコを名乗る人物が「神になりませんか?」と勧誘するメールをタイムホールの研究者・常見に対して送っていたことを知り、「ふざけやがって…!」と怒りを顕にするなどゼンケツの障害となるものに対して感情を剥き出しにする一面もある。

物語前半ではほぼゼンケツ本部で雅や小夢との簡単なやり取りのみだったが、終盤にきて経緯は不明だが単身でヒルコ疑惑のあるIT企業トップの寿と接触。呪符により一時ヒルコの手先として操られ興玉に重症を負わせてしまう。

呪符解除後、ゼンケツ全体がヒルコとの結託を疑われ警視庁による強制捜査を受け身柄を拘束されるが脱出。応援要請した京都本部の面々と共に別働隊でヒルコとの直接対決に向かった雅達に合流した。しかし向かった先にヒルコはおらず、無人のゼンケツ本部に拘束した小夢と共にいることが判明。雅を彼女の元に向かわせようとするが京都本部室長の日野が反対したため、日野を部下達と共に足止めをした。

演-福本莉子

ゼンケツのメンバー。八百万の神の中でもトップ10に入る戦闘力を持つ。詳細は個別記事参照。

  • 芹田正彦

演-迫田孝也

ゼンケツの非正規職員で猿田毘古神の転生体

雅を神の頃から尊敬し、小夢とは現世を除き神の頃から1000年間どの人生でも婚姻関係にある長い付き合いがある。依頼者の行きたいところを自分の認知に関係なく案内できる能力を持ち、他にも神話の伝承からか空間把握能力を持ち色んなところに出没できる。

デリバリースタッフの格好をしており、他のゼンケツメンバーからの依頼品の配達を基本任務としている。他にもデリバリースタッフという目立たない格好を生かした監視活動、戦闘時の助っ人や自身の道案内能力を使ったナビゲートなどもこなす裏方のプロ。配属初日にゼンケツ本部への行き道が分からない小夢を見つけ、道案内をしたのも芹田である。

雅とは前世である神の頃からの付き合いのためその頃から敬意を持って接していた。小夢とは1000年来の婚姻関係にあるだったことが発覚したため、前世では夫婦という奇妙な繋がりを持ってしまうことになった。

当初はゼンケツに協力する謎の配達員として登場していたが、中盤で誘拐事件の容疑者3人に雅や豊玉と共に神の転生者のみが扱える記憶操作(事戸渡し)を行い正体が明らかになる。終盤では寿と相対した際にピンチの雅と豊玉の救援に向かうが、返り討ちに遭いスタンガンで気絶させられた。その後、豊玉の機転で拘束から解放され宇喜之と京都本部の参戦により反撃に成功する。しかし、今度は意見対立を起こした京都本部と対決する憂き目に遭い負傷する。

  • 村主虎飛矢

演-名村辰

全決の非正規雇用の職員で通称「コビー」。少名毘古那神の転生体

薬の神であるため製薬の技術に長けている。

初登場はドラマ前半で、スパイ企業に雇われた暴漢から科学者を守るため雅に依頼され芹田と共に現れた。以降はゼンケツのメンバーや転生者の負傷時などに治療のため度々現れる。終盤ではいつの間にか呪符によりヒルコに乗っ取られていたため一時拘束。呪符を取り除かれた後は寿との対決で窮地に陥った雅達の元に駆けつけ、京都本部との小競り合いにも参加する。

全領域異常解決室 京都本部

  • 尼寺

局長。おそらく天照大神の転生体と思われる。

  • 日野克己

演-溝端淳平

京都本部室長。迦具土神の転生体

京都弁を喋るスタイリッシュな見た目の男性。性格は冷静沈着で非常に合理的な言動が目立つ。

最終話で宇喜之の要請により上京し窮地の雅達を援護した。しかし、救援後に雅が人間になった小夢を救おうとするのを力づくで止めようとしたため宇喜之や豊玉など東京のゼンケツメンバー達と小競り合いを起こし片腕を骨折した。

  • 大和田光男

演-真壁刀義

京都本部メンバー。大綿津見神の転生体で屈強な男性。塩を凝固させて自在に操る能力がある。豊玉とは神の頃に親子関係で、現世でも「姫」と親しげに呼んでいる。

最終話で宇喜之の要請により日野と共に上京し窮地の雅達を援護した。救援後の東京勢との小競り合いにも参加したようだが負傷の有無などは不明。

警視庁捜査一課 ヒルコ専従班

  • 荒波健吾

演-ユースケ・サンタマリア

班長で階級は警部。ゼンケツとの捜査協力を「上の命令だから」と呑んでいるものの、本心では邪険に扱っている。小中学校時代に好意を寄せていた同級生の大月がヒルコ事件の犠牲者で真相解明に執念を燃やす。

幼少の頃から洞察力が鋭く、擬態能力を持つ転生者の擬態を見破るなどその鋭さは雅も一目を置くほど。

最終盤を除きゼンケツとは相容れない人物で、一時は雅をヒルコ事件の真相を知っていると考えて逮捕したこともある。ただ、大月がゼンケツ本部に食事提供のため出入りしていたことや、そこで「彼(荒波)は頼りになる」と話していたと雅経由で伝えられたことで若干軟化した。

最終話ではヒルコに雅が殺されかけている場面に居合わせ形勢逆転のきっかけを作り、最終的に雅と共にヒルコを逮捕した。

後に「神々の存在を知る関係者」として記憶消去のため事戸渡しが執行された。ただ、記憶が消される前に大月の本来の姿である大気津比売神が祀られている神社へ参拝している。

  • 二宮のの子

演-成海璃子

警部補。荒波と同様にゼンケツとの捜査協力には懐疑的。

正義感が強く言いたいことはハッキリ言うタイプのため小夢のような八方美人タイプに嫌悪感があるらしく最初は当たりも強かった。しかし、小夢がある人物(神の転生体)の死に関わった青年に対して激昂したところを見た辺りから見方を改めたようで態度も軟化した。

後に強い正義感から世間に絶望するようになり、ヒルコの狂信者になっていたことが判明する。終盤ではヒルコに呪符で操られ、小夢の拉致と寿達への制裁役に使われてしまう。その際、瀕死の寿から銃撃され瀕死となるが一命は取りとめた。

事件後、収容された病室ではどこから持ってきたかわからない藁クズをいじりながら世の中への不満を唱えるだけの廃人となっており、聴取に来た同僚達とも意思疎通が不可能な状態となっていた。

しかし、物語の最後で病室に藁クズでできた小舟(日本神話でヒルコが両親に捨てられる時に乗せられたものとされる)を残し行方不明となっている。

  • 北野天馬

演-小宮璃央

巡査部長。荒波・二宮の部下。ゼンケツの存在を噂程度には知っていたようで上司2人とは違い興味津々だった。

その他

演-柿澤勇人

内閣官房国家安全担当審議官。政府のゼンケツ対応担当者。詳細は個別記事参照。

  • 大隈邦男

演-吉田鋼太郎

美容整形外科医大国主命の転生体であり、治癒能力を持っている。

第6話インフルエンサー連続怪死事件で被害者全員にサプリの試供品を提供していたことから捜査対象として登場。しかし当の本人は病床に伏せており、サプリは公私のパートナー犬塚真澄が製造・配布していた。サプリには食べれば不老不死になると言われる人魚のミイラ(提供されたサプリに使われたのはすべて偽物)が使われており、怪死しとの関連が疑われた。

犬塚は大隈が前世で連れ添い来世も一緒になると誓った女性にそっくりで、今世で長年内縁関係にあった女性と別れてでも一緒になるほど惚れ込んでいた。そのためサプリのために日本中から奉納・保存されている人魚のミイラを収集する犬塚を咎めることができず、彼女を美を追求するモンスターにしてしまったと後悔しながら第6話終盤でこの世を去る。

なおこの大隈の後悔は少し間違っている。実は犬塚は過去にすでに人魚の肉を食べて不老不死となった人間八百比丘尼であり、サプリを作っていたのは病床の大隈を生き永らえさせるための行動だった。

  • ヒルコ

「修理固成」(しゅりこせい)をスローガンに神隠し事件等数多くの事件の首謀者として犯行声明を出す謎の存在。若者を中心に一連の事件を「世直し」と捉えて信仰する人間も多数いる。

日本神話では、産まれてすぐに親の神から藁の船に乗せられ流されてしまった不遇の神とされる。この事からゼンケツではヒルコの転生体もしくは世の中に不満を持つ人間がヒルコを名乗ってテロを起こしていると考えた。

真の目的は天岩戸別神の転生体の特定、事戸渡し、抹殺。彼が消滅すると守っていた黄泉の国への門が開放状態のままとなり、現世にいる神々全てが黄泉の国に引きずり込まれる。これにより現世の神を新たに選び直して世界を作り直そうとしていた。このような一度全ての神を黄泉送りにしようとする計画内容から正体は神を目指す人間ではないかという見方が強まった。

一時その正体としてIT企業トップの寿が疑われたが、結局は彼も操り人形の一人でありその正体は意外な人物だった。

  • 寿正

演-野間口徹

IT企業「テミス・ホールディングス」CEO。初登場以降、ヒルコの正体として視聴者に匂わされ続けていた。その正体はヒルコの狂信者の一人で最側近と言っていい人物。ただしヒルコと直接会ったことはない。

表向きはヒルコ事件解決のために自社が保有するビッグデータを政府に提供している。登場当初は不老不死の力を求めて暗躍し、警察に証拠品として押収されていた人魚のミイラを持ち出した。その後、ビッグデータ解析で割り出した再生能力を持つ神(佃)に交換条件を提示してミイラ肉の効力を復活させ不老不死の薬を完成させた。

佃を間接的に始末した後、ヒルコ最大の目標である天岩戸別神の特定と抹殺を開始した。程なくしてその正体を突き止めると自ら動き出してゼンケツの芹田や豊玉ごと拘束することに成功する。

拘束後はヒルコの指示により「修理固成」を実行に移すと宣言し、自身の会社が運営するSNSから自殺を誘発する周波数を発生させSNSを見ていた人間を「選別」の名のもとに虐殺した。更に自らが選りすぐった新たな神候補のヒルコ狂信者達の前に拘束した天岩戸別神やゼンケツメンバーを連行し公開処刑を始めようとしたが、京都本部の応援と共に現れたゼンケツの宇喜之らに急襲を受け失敗する。

しかし、そこにヒルコを名乗り警視庁ヒルコ専従班の二宮が現れる。実際は二宮も操られているだけだったが、寿は二宮をヒルコと思い込んだ。ヒルコは二宮を通して寿達新たな神候補に不老不死薬を飲むよう促し全員が服用した。しかし薬には毒が含まれており、服薬の真意は自らを神とおごった人間へのヒルコによる粛清だった。

吐血し瀕死の寿は隠し持っていた銃で二宮を攻撃するが、体を乗っ取っているだけのヒルコには当然効かず二宮の体に銃を奪われて止めをさされてしまった。

  • 佃未世

演:石田ひかり

月読命の転生体である女性。バー「Night Moon」を経営している。月夜の下ならば時間を操ることが可能で、自身の能力を使い瀕死の重傷を負った雨野を救った。

その後、人魚のミイラを強奪したヒルコ/寿正と接触。彼と協力関係を築いており、自身の能力で餓死窒息事件を起こし殺人犯になっているが、その負い目かそれ以上踏み込めないでいる。

娘・恵真がいたが、ネット上に投稿されたラウンジ嬢の不適切動画の炎上に巻き込まれ犯人扱いされた挙句、心無い誹謗中傷ストーカー被害に遭い、自殺。

情報開示請求でも埒が明かなかったため、復讐のために自ら手を汚す覚悟を決めたのがヒルコと手を組んだ理由ではないかとゼンケツは推測しており、その予想通りの動機だった。

誹謗中傷を行った犯人4人の殺害を終えた段階で、自身の人生にケリをつけるためゼンケツへ出頭。

ゼンケツのメンバーへヒルコへ協力した経緯を明かし、彼の目的も断片的に明かした。

緊急会議の結果、ヒルコとの結託及び殺人を理由に「黄泉送り」が決定した。

その後、天岩戸別神…もとい興玉から「黄泉送り」にされそうになったが直前に荒波達が場所を突き止めて殺人事件の重要参考人として連行しようとした隙に逃走。

最後の犯人を殺そうとしたが、その犯人は事前にヒルコから「狙われる」と連絡を受けており、正当防衛と称して佃をナイフで刺し殺害。今際の際、「事戸渡し」を自ら行い息を引き取った。

  • 佐野速雄

演-岩川晴

須佐之男の転生体である男の子。

父親からDVを受けている。

平穏治癒の能力でヒルコからの襲撃を受けた興玉を救った。

しかし、酒を持ってくるのが遅かったため父親から暴行を受けて意識不明の重体となって病院に搬送された。

その後、施設で暮らせるようになった模様。

  • 古戸沼人志

演-草野イニ

一言主の転生体である小太りの男性。臆病な性格。

擬態能力を駆使して直毘に変装し、荒波からヒルコに関する情報を聞いた。

とはいえ、荒波から正体を疑われたことで作戦は半分失敗に終わった。

その後、興玉に変装しており、ゼンケツが権限を奪われた際は宇喜之の替え玉として変装し警察の事情聴取に応じていた。

「神隠し」事件犠牲者

後に全員が神の転生体だったことが明らかになっている。

  • 大月比呂佳

演-田山由起

料理研究家。7月16日に神隠し。荒波の小・中学校時代の同級生。彼女は大気津比売神の転生体だったことが判明。ゼンケツの厨房も担当していたため、メンバーとは知り合い。

  • 大守浩志

演-藤岡大樹

関東医科大学理事長。4月5日に神隠し。

彼は大物主神の転生体であることが判明している。

  • 石狩愛実

演-清水なな

ジュエリーデザイナー・貴金属ネット通販会社CEO。5月14日に神隠し。

彼女は石凝姥命の転生体であることが判明している。

  • 健実和生

演-西将輝

政治家。元格闘家。6月23日に神隠し。

彼は武甕槌命の転生体であることが判明している。

  • 刀田楓真

演-ジャン・裕一

大手広告代理店代表取締役社長。9月5日に神隠し。神隠し前にゼンケツが接触している。

彼は布刀玉命の転生体だったことが判明した。

雨野に対して「芹田さんが狙われている」と連絡し彼の元に向かったものの、その途中で神隠しに遭ってしまう。

その後、寿の口からヒルコに乗っ取られていたことが明かされ、彼もまた事戸を渡され消滅したと思われる。

余談

  • 主演の藤原が出演している「SKYSEA」のCMとコラボしている。

  • 第2話放送時期がちょうど祠ネタネットミームとして流行していた時期だったこともあり、ネット上では雅が祠おじさんと言われてしまい、実際に「あの祠壊したんか」に近いセリフを雅が発し、雅が女子校の生徒たちに「祟られる」と忠告するなど諸々ネットミームのテンプレートと酷似してしまう事態に。

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