概要
ディスク媒体によるセーブ機能の搭載、ROMの2倍の容量、拡張音源搭載による豊かな音色、ディスクカードは500円で別のゲームに書き換え可能などの長所を謳い文句にさっそうと登場し、同発タイトルであった「ゼルダの伝説」の芳醇なゲーム内容によりその底力を見せ付けた。
一部タイトルはスポンサーが付き、ゲーム中にCMが流れる代わりに100円値下げしての書き換えも行っていた。
ただ容量に関してはわずか数ヵ月後に大容量ROMカートリッジが台頭。
またセーブ機能もROMソフトのパスワードセーブ、さらにはバッテリーバックアップ機能の普及により優位性を失なっていき、ソフト供給のメインストリームからは外れていく。
このため、後世からは早々と廃れていった悲劇のハードのように見られることも多い。
しかし新作ソフト供給がすぐ途絶えたわけではなく数年程度は地味にあり、何よりディスク書き換えにより500円でソフトが入手出来るというのは、現在のように中古ソフトショップが普通にあったりネットの普及で無料のネットゲーム、ブラウザゲーム、フリーゲームで遊べる環境からは想像が付きにくいが当時としては驚異的で、ユーザーの多くは十分すぎるほど元を取っていたため、いわゆる「負け組ハード」のイメージで語るのは正しくない。
(もっともその分メーカー、特にサードパーティの利益は少なく、ディスク離れに繋がった面はある)
海外のNES用は台湾と香港でのみ発売され、それ以外の地域ではNES用ROMカセットでソフトが供給されていた。
また独特のFM音源(FM変調可能な波形メモリ音源)の音色や名作タイトルを好むマニアは現在でも少なくない。
レトロゲームハードとしては人気もあり、寿命もファミコン本体の驚異的な延命に比べれば短命に見えてしまうが、それなりにあったほうと思われる。
最終リリースタイトルはファミマガディスク(徳間書店)の「ジャンケンディスク城」、1992年。1986年から約6年間の稼働であった。
書き換え・修理対応自体は任天堂本社に送付する形式で2003年まで続いた。
主なタイトル
・メトロイド(初代)
・ファミコン探偵倶楽部シリーズ
・帰ってきたマリオブラザーズ(永谷園のCMが出てくる)
・夢工場ドキドキパニック(マリオUSAの原作)
・ぷよぷよ(旧世代)
・悪魔城ドラキュラ(初代)
・ザナック
・水晶の龍
・銀河伝承
…などなど、意外にも有名タイトルは多い。
他にも、ROMカセットで発売されたタイトルがマイナーチェンジし移植されたり、
逆にディスクシステムで発売された後にROMに移植されたタイトルもある。
任天堂製ハードウェア最弱の耐久性
ランダムアクセスはおろか、磁気ヘッドの自動調整機能すら持たないクイックディスクを採用したため、ドライブを修理してもエラーで読み込めず起動不能になってしまう不良ディスクが多発しており、現在この対策となる手段は見つかっていない。
駆動用のドライブベルトも劣化すると切れてしまう為、読み込む以前の問題となっている。かつてはサービスセンターでの修理を受け付けていたが部品調達の関係で現在は終了している。
代替ベルト自体も既に生産されていないらしく、ネット上では代替となるベルト作成法といった修理方法は確立されている。