エレン・ベーカー
えれんべーかー
概要
東京書籍が発行している中学校用の英語教科書『NEW HORIZON』で2016年度版(次回の教科書検定が実施される2019年度までは確実に使われる予定)から登場している。
なお、メインキャラクターとして登場しているのは1年生版であり、2年生版は生徒たちが国外留学した際のエピソードが中心になっているため、一切登場せず、3年生版も顔見せ程度にしか登場していない。したがって、主に彼女たちのお世話になるのは中学1年生になるだろう。
設定
緑中学校で英語を教えるため来日した外国語指導助手(ALT)。年齢は「ニュースZERO」での紹介時に「20代後半」とコメントされている…が、かなり童顔に描かれており、パッと見はもっと若く見える。
デザインコンセプトは、
「年上だけれども楽しむ時は子供たちと同じ目線になってくれるお姉さん」
別のインタビューでは、「より親しみを感じてもらうため教師然とした大人というよりも、友達感覚のお姉さんというイメージを大事にした」とも語っている。
同じくボストン出身で、前年度まで教科書に登場していたメアリー・ブラウン先生の後任にあたる(メアリー先生とは親交もあるらしい)。
マイクという弟(上の画像右)がおり、2人で来日している。マイクはとある中華料理店で働いているようだ。
実家ではウサギを飼っているらしい。
地元球団のボストン・レッドソックスの大ファンで、生徒と野球の話をする際に嬉しそうにバットのスイングを真似するシーン(下の画像)は有名。
キャラクターデザイン
2016年度版『NEW HORIZON』のキャラクターデザインを手掛けているのはサークル「ねこげんき」の電柱棒氏。
以前にもライトノベルやソーシャルゲームのイラストを担当している方である。
過去にラノベやソシャゲのイラストを手掛けていた人物に教科書のイラストを任せるというのは前例がなく、この点でも多くの話題を掻っ攫うこととなった。
なお、電柱棒氏は、東京書籍が2011年に刊行した、『大人向け参考書 ミライ系NEW HORIZONでもう一度英語をやってみる』(1993~1996年度版の『NEW HORIZON』に登場していた池田健(中央)、岡田由美(左)、ルーシー・スミス(右)らが大人になってからのエピソードを取り上げた教材)の際にも挿絵を担当している。
ちなみに、『ミライ系~』の健と由美は2016年版『NEW HORIZON』の挿絵でも登場しているが、ルーシーは「派手すぎる」ため出すのを自粛したらしい。
この教科書が話題になる以前に既に実写版の存在が明らかになっており(勿論、発売元は東京書籍)、髪型以外はデザインはほとんど同じのようだ。(リンク)
ネット内外での反応
2016年4月6日ごろ、Twitter上で、2016年版の『NEW HORIZON』に登場する英語教師:エレン・ベーカーがあまりにも可愛すぎると大きな話題となり、これがきっかけとなって、ここpixivも含むイラスト投稿サイトで次々とファンアートが投稿される事態になっている。
また、名前があまりにも「駆逐してやる!」でお馴染みの彼に似過ぎているためこんなネタも…(容姿的には性別も含めてむしろ同期の少女に近いが)。
なお、あちらとは、他にも、Horizonの名を冠するグループが関係していたりと、妙なところで接点があったりする。
さらに、上記の野球のスイングを真似するポーズを使用したクソコラグランプリまで…
Twitter上の盛り上がりは凄まじく、「エレン先生」が翌日の朝までトレンド入りし続けただけでなく、たった1日で40万以上のツイートがされることになった(世界規模で見てもトレンド上位入りを果たしていたらしく、いかに途方もない規模だったかが窺い知れる)。
さらに、時間を置かずに4chanの/a/板でも取り上げられ、国境を越えて認知されることとなる。このため、pixiv上でも様々な言語のコメントが飛び交うこととなり、文字通り国際交流の様相を呈することになった。英語の教科書のキャラクターがこんなところでも英語での交流を促進させることになるとは何とも不思議な話である。
翌4月7日、今度はYahoo!ニュースでエレン先生がトップニュースの1つを飾る(内容は、デザインを担当した電柱棒氏へのインタビュー)ことになり、ネット上を再度沸かせることになった。
そして同日の夜には日本テレビの報道番組『ニュースZERO』でも紹介され(さらに、翌4月8日の朝には別の報道番組でも紹介されている)、ネット外にまで話題が波及することとなった。
電柱棒氏の反応
当然、この人気の高まりは、デザインを手がけた電柱棒氏の耳にも入ることとなり、上記のインタビューでは「話題になって嬉しい」と語っている。その一方で、盛り上がりが間違った方向に向かうことを危惧するようなコメントも残している(詳細は後述)。
その翌日には、公式HPを更新し、別のインタビューで使用したエレン先生とディーパの設定ラフ画を公開した。
同時に、前日のインタビューでの発言について「インタビュー記事が拡散されて自らが不安を煽っていくことになってしまった。考えが足りなかった。」と簡単に謝罪した後、「コラとかいくつか見させてもらいましたけどホント笑いました。」「あまり気にせず楽しんでください。」とも述べ、コラ等の二次創作に対して比較的寛容な姿勢を示した。
イラスト投稿時の注意点
『NEW HORIZON』は東京書籍が国の認可を受けて発行し、日本全国の中学校に無償配布している教科書です。
漫画やライトノベルといった、購入の自由があり、話題性が重要(故に同人誌などの二次創作が事実上黙認されている)な娯楽書とは事情が根本的に異なります。
言うまでもありませんが、中学校に在籍している生徒はすべて未成年です。
自分の描いた画像をpixivに投稿するということは、すなわちネット上に自分の描いたイラストを投下することでもあり、当然こうした未成年の目に触れる可能性があるということです。pixivは未成年者でも気軽に登録・利用ができるためなおさらです。
もし、学校で『NEW HORIZON』を使って学習をしている学生の保護者、生徒たちを教育・指導する教職員といった学校関係者が、インターネット上で教科書に出てくる登場人物が、強姦やレイプといった性的・暴力的な行為を行っている(若しくは受けている)猥褻なイラストを見たらいったいどう感じるでしょうか。
「こういうイラストもあるのか」程度にしか感じない人もいるかもしれませんが、不快に感じる人もいます。
中には、そうしたイラストの投稿を助長してしまうような今の英語の教科書のイラストは教育上不適切なのではないかと感じる生徒や保護者、教育関係者も出てくるかもしれません。
こうした風潮がエスカレートしていくと、最悪の場合、出版した東京書籍やイラストを担当した電柱棒氏も何らかの風評被害を被ることに繋がりかねません。
電柱棒氏ご自身、インタビューの際、こうコメントされています。
「話題になっているのは、大変うれしいのですが、一方で、あくまで学校教材なので、
教育現場を離れて騒ぎになると保護者の方々から悪い印象を受けたりしないかと気になってもいます」
また、東京書籍の担当者も次のようなコメントを残しています。
「まだ学校では使われ始めたばかりですので、
(エレン先生をはじめ、新しいキャラクターたちが)どのように受け止められているかが気になっている」
「前例のないことでもあり、学校現場での指導に支障がないようにと
細かい点でできる限りの注意を払いました」
「弊社としては、生徒さんに英語学習への関心を持ってもらえたらということを考え、
細かい配慮をしておりますので、静謐な環境で学習が進むことを願っております。」
タグ付け・閲覧制限について
R18を投稿する際には、絶対に未成年者が閲覧できないよう閲覧制限をかけたうえで、「NEWHORIZON」「ニューホライズン」およびusers入り系統のタグは併用しないようお願いします。
また、同様に閲覧者の方々もタグ付けは慎重な判断でお願いします。
【推奨】強制ではないが、閲覧制限をかけるのが望ましいケース
利用規約には違反しないものの、未成年者が閲覧するには少々刺激の強すぎるもの
例えば、
- いわゆる微エロ、着エロ、見えそうで見えないイラスト
- 服を脱いでいる、若しくは脱ごうとしている
- 下着だけの姿になっているもの
- もしくは下着を着用していないかのような描写のあるもの
- 厳密には異なるが、パンチラやブラチラといった意図的に下着を強調するものも人によっては不快に感じる場合があるため、念のため閲覧制限をかけた方が良いかもしれない。
- 局部は写っていないが、その周辺が大きく露出しているもの
- 作品内では直接描かれてはいないが、性行為や暴力行為を示唆する描写のあるもの
- 特定の誰かに対して向けられているものではなく、武器を持って振り回しているだけというイラストも、閲覧制限をかけた方が良いかもしれない。
- 露出の有無に関わらず、尻や胸、ふとももなどを意図的に強調したバランスやアングルで描かれたもの
などが挙げられます。
あまり明確な線引きはできませんが、不安な場合は自己判断で閲覧制限を設けるのが良いでしょう。
また、現在では隔離用のタグも存在するため、そちらを利用するというのも手です。
これは娯楽書ではなく、国の検定を受けて生徒に配布された教科書です。
その点を考慮して下さい。
公式の見解
そして、2016年4月14日、事態を静観していた東京書籍もとうとう動きを見せ、公式HP上に「NEW HORIZONのキャラクターについて」と題したお知らせを掲載した。
それによると、教材、図書、インターネット等で(エレン先生を含む)キャラクターを使用したい場合、教科書著作権協会へ利用許諾申請書を申請する必要があり(場合によっては使用料を取られることもあり得る)、「キャラクター設定の趣旨から著しく逸脱すると見なさざるをえないケースの場合、許諾しかねる場合もある」とのこと。
一方、別のインタビューでは、「二次創作については完全に禁止か?それとも黙認するのか?」という質問に対し、担当者が「教科書のキャラをとりあげていただけることはありがたいのです。未来の日本を支える子どもを育てるという教科書の特性を認識して頂けるとよいのですが。」とも語っており、公式見解としては出せない二次創作への想いも垣間見せた。
公式には、「使用に許可が必要あるいは禁止」(そう言っておかないと商用利用し放題になってしまう)としつつも二次創作を事実上容認するケースは他にも存在するが、最終的には創作者の自己責任という部分も大きい。
幸いにして、現行の著作権法は親告罪であり、二次創作に対して、権利者自身が積極的に排除に動かない限り事件化することは極めて稀であり、かつ基本的には、発表した瞬間にアウトではなく直接の削除要請や警告に応じない悪質なユーザーに対してのみ訴訟を起こすという方向で対処されることが多い。
(そうでないといきなり裁判に持ち込んでも悪質と認定されない)
仮に今後公式が二次創作での利用を制限する場合、ガイドラインの作成や包括的な禁止より、「特にヤバい」と思った作品に個別に警告を出していく中でおおまかな利用のラインができていく可能性が高いだろう。
くれぐれも、公式からの要請があった際には適切な対処をお願いします。