概要
新興プロダクションの876プロを舞台に、3人のアイドルの成長と活躍を描く。
ゲームはプロデューサーでなくアイドルの視点で進行。ストーリー重視とオーディションやレッスン・育成要素の簡素化で、ジャンル自体も育成SLGからADVに変わった。
なお、アイマスシリーズの中で唯一の任天堂ハードであり、それ以降では任天堂ソフトで発売されることは無かった。
(ただし社長が訊くでガミPと岩田社長がアイマスについて話題に上げたことはあった)
楽曲について
プロデュース曲
容量の問題(?)でプロデュース曲が10曲しかない(新曲4・旧曲6)。旧曲は主題歌の「THE IDOLM@STER」など、アーケードからSPまでの人気曲が選ばれている。
- “HELLO!!” New
- ALIVE New
- プリコグ New
- Dazzling World New
- THE IDOLM@STER AC 主題歌
- shiny smile L4U
- relations 360
- GO MY WAY!! 360
- エージェント夜を往く AC
- キラメキラリ SP
この選曲の結果、新曲のDazzling Worldを含め、「上昇イメージが『ダンス』の楽曲が10曲中6曲」というとんでもないことになってしまう。そのため、本来ダンス曲の『GO MY WAY!!』『キラメキラリ』の上昇イメージが“ビジュアル”に変更。さらにビジュアルへの偏りを防ぐため、本来ビジュアル曲のshiny smileがボーカル曲に変更され、従来のプレイヤーは混乱することになった(その後アイマス2では元に戻されている)。
CD曲
ゲーム中には出てこないが、876プロメンバーが歌うCDオリジナル曲として、
がある。
評価
秋月涼の性別発覚によってニコニコ動画では話題となったが、ジャンルの変更、765プロのアイドルが主役でないこと、秋月涼や武田蒼一といった顔グラ有りの男性が初登場したことなどにより、従来のアイマスファンの間では賛否両論となった。初期の売り上げ低迷(※1)によって黒歴史扱いされていた時期さえある。
しかし、今までのアイマスにない分岐を多用したシナリオや、コメディとシリアスをうまく混合した深い各キャラのストーリー、そして何より新規キャラの魅力をしっかり描ききりながら765プロのアイドルへの配慮も怠らないキャラ作りの繊細さ、といった要素が後々評価されるようになる。ニコマスでの動画数も着実に稼ぎ、876専門・876主力のPも現れた。
その後9・18事件の過程でも見直しがなされ、特にユーザー側でのマーケティング情報の再整理が進んだ。それまでアイマスDSを低評価としていたのは、ハードウェア3Dグラフィックス能力を持たないNintendoDSでの無理なポリゴン再現と、通称「ワゴン送り」と呼ばれる価格割れ現象であった。ところが、後者については推定初期出荷数5万本に対して販売数約3.7万本という数字から、小売側の第2ロット過剰発注が原因ではないかとの推測がたち始めた。そのワゴン送りも、普通はパッケージがいわゆる「日焼け」「蛍光灯焼け」を起こすことが定石の中、「安いならやってみようか」というユーザーが出たためかあっという間に店頭から姿を消していた。また、前者については、上位互換の3DSが発売された際、グラフィック・サウンドとも従来のDSでは性能限界からいわゆる「処理落ち」で再現されていなかった部分まで作りこまれていることが判明。これも評価逆転につながった。
公式展開
アイドルマスターというゲームシリーズの特徴として、ダウンロードコンテンツ(DLC)が継続的に配信される事で作品の盛り上がりを維持し、次作への移行までの間を繋いでいくというものがある。しかし本作の場合ニンテンドーDSというハードの特性上DLCが配信されず、CDシリーズの発売も一度きり(※2)のまま、その後の展開が見えない時期が長く続いた。アイドルマスター2やアニメの情報が解禁されていく中、そこには876プロのアイドルの姿はなく、コミカライズ版の連載終了と共にフェードアウトしていくものと思われた。
だが、コミカライズ版の最終巻に録りおろしのドラマCDが付属しゲーム中でCVのなかったサブキャラ達にも声優が割り当てられるという嬉しいサプライズを皮切りに、2011年7月開始のアニメにも前情報なく876プロアイドルたちがゲストで登場した他、PS3版アイドルマスター2やアイドルマスターOFAにも日高愛・水谷絵理・秋月涼がDLC追加キャラで配信され、さらにG4Uにまで収録されるという動きを見せている。公式展開がなくとも諦めずに継続的な熱い応援を送り続けたファン達の想いが報われた形と言えるだろう。
その後は「アイドルマスターシャイニーフェスタ」にもライバル役として出演。ソーシャルゲーム「アイドルマスターシンデレラガールズ」や2013年から始まったアニメ・漫画「ぷちます!」ではまだ姿を見ることが出来ないが、今後とも非876系アイドル(ネットアイドル含)と非アイドルを含めたDSキャラ達の活躍に期待したいところだ。
また、ソーシャルゲームにも一切出演できていない。前者についてはガールじゃないアイドルが1人混じってるからという理由が有力視されている。また、後者は765プロが舞台であると名言されているため、876プロ所属である彼女達の出演は難しいだろう。
電撃オンラインによる10週年インタビューによれば、「ストーリー重視の作品として完結している」「当時のDSスタッフがおらずマンパワー不足に陥っている」「涼の特異性による問題」から、DS勢での展開が難しいとのこと(※)。
- ※1:単純に結果だけ見れば初週3.7万本、単年度の推定累計出荷本数10万本はシリーズ中優秀な方だが、アイマスの稼ぎどころであるDLCがないため本数のみで比較することはできない。
- ※2:「DREAM SYMPHONY」シリーズのこと。ただし、総集編的なアルバムである「THE IDOLM@STER BEST OF 765+876=!!」というCDシリーズにも参加はしている。
- ※3:インタビューの中で秋月涼の315デビューについて涼の性別の問題から女性アイドルと組ませることは難しく、男としてはっきりさせるべきと考えていたところ、ちょうどSideMからの提案もあり送り出したと明かしている。
関連タグ
ディアリースターズ (トリオユニットとしてもアイマスDSの表記揺れとしても使われる)
主な登場人物(太字は主人公)
サイネリア/鈴木彩音 尾崎玲子 双海亜美 双海真美 水瀬伊織 星井美希 五十嵐幸夫
桜井夢子 武田蒼一 岡本まなみ 秋月律子 菊地真 高槻やよい 如月千早 三浦あずさ