真・仮面ライダー
しんかめんらいだー
※この記事では『真・仮面ライダー序章』と言う作品について取り扱います。主役の仮面ライダーについては「仮面ライダーシン」の個別記事を参照して下さい。
概要
1992年2月20日発売のオリジナルビデオドラマが初出の、石ノ森章太郎氏が「本当の仮面ライダーを作りたい」という思いから企画した仮面ライダー作品。本作と仮面ライダーZO、仮面ライダーJの三作をして「90'sライダー三部作」と呼ばれることがある。
正式名称は「真・仮面ライダー序章」。
あらすじ
遺伝子レベルで難病を治療する研究を行っている団体「ISS」にて、自ら被験者となり父・風間大門博士の研究を手助けしていた青年・風祭真。彼は度々、夜の街で暴れ回り大量殺人を繰り返す「怪物」になる夢を見ていた。おりしもその時、東京では謎の大量殺人事件が発生しており、真は自分が犯人なのではないかと疑い始める……
登場人物/組織
風祭新:小説作品(『MASKED RIDER SHIN EDITION -終わりの始まり、始まりの終わり-』)の主役
財団(仮面ライダーシン):敵組織。
鬼塚義一:オカルト狂信者にしてマッドサイエンティスト。主人公の人生を狂わせた元凶。
豪島:組織に仇なす者を葬る暗殺者。日頃の動作等が通常の人間のそれと違う様だが…?
改造兵士、改造兵士レベル2、改造兵士レベル3(プロトタイプ):財団指揮下の怪人。
本作の特徴
大人向けの作品であり、「脊髄ぶっこ抜き」に代表されるかなりグロテスクな描写や性的なシーン、それまでの仮面ライダー像から逸脱した生物的なデザインのライダー、陰鬱でハードなストーリーなど良くも悪くも新しいアイディアが随所に盛り込まれている。
その真意は、タイトルに「真の」が付く様に仮面ライダーのテーマの1つである改造人間の悲哀や望まぬ力を得たバケモノの物語として展開を予定しようとしていたらしい事に由来する。前述の様にあらゆる意味で仮面ライダーとしては異色ながら、初代仮面ライダーの根っこのテーマに正面から向き合った作品である。
「序章」と言う言葉について
タイトル通り「序章」と付いているが「序章」以降、何故か続編は作られていない。どうやら諸事情により序章である本作で打ち切りになってしまった様子。
なお、『オールライダー対大ショッカー』のスピンオフ作品『ネット版 仮面ライダーディケイド オールライダー超スピンオフ』では、当時としては売り上げも高かったとナレーションで語られており、人気もそれなりにあった模様。
結局、続編の企画は仮面ライダーZOへと形を変え、ZOの続編企画は更に仮面ライダーJへと流れるといった紆余曲折があり、「序章」以降の作品は制作されなかった。
また、本作のアイディアは形を変えて使用されることが多く、仮面ライダーアギトの仮面ライダーギルスのキャラクター造形や仮面ライダーWの設定に一部オマージュが見られるなど後続の作品にも非常に影響を与えている。