概要
G1期に日本では『ザ☆ヘッドマスターズ』から登場する新たなトランスフォーマー。
当時は日本独自展開が始まった頃であり、国内外で同じ名前と姿でも全く性格が違うキャラが多い。
ヘッドマスターズでは400万年前にサイバトロン・デストロンの戦争から新天地を求めて亡命し、マスター星という星に漂着したセイバートロンの移民達が、過酷な環境であるマスター星での修行により独自の進化を遂げたもの。サイバトロン側は乗り物に、デストロン側は動物に変形する。
日本版では本来の姿である小型ロボット「ヘッドマスター」がロボットの頭部パーツに変形し、トランスフォーマー用のエクソスーツとも言えるビークルモードから胴体に変形したトランステクターに「ヘッド・オン」の掛け声と共に合体し、通常サイズのトランスフォーマーへと合体・変形する。トランスフォームする際は「トランスフォーム・ダッシュ」という掛け声を上げ、ビークルモードとなったトランステクターのコックピットにヘッドマスターが搭乗する。
また、サイバトロンのヘッドマスターであるクロームドーム、ハードヘッド、ブレインストーム、ハイブロウの4人は頭部を挿げ替える事で様々な戦況に対応すると同時に突発的なパワーを発揮する「クロス・ヘッドオン」という戦法を持っている。
海外で放送された『ザ・リバース』では、通常のトランスフォーマーの頭部パーツを分離・改造する事で誕生し、パートナーとなったエクソスーツ着用の人間が頭部パーツに変形し、スーツを脱いだ状態でコックピットに入り、合体してTFに力を貸すという設定となった。
簡単に言えばTFと人間が力を合わせる事によって複座型有人ロボの様な状態になるというわけである。(日本版のトランステクターは意思を持たない可変パワードスーツのようなもの)
またマーベルコミック版ではサイボーグ化した人間がヘッドマスターになるという設定であった。
開発者の弁によると「鋼鉄ジーグのギミックをトランスフォーマーに持ち込んでみたところ生まれたアイディア」だったそうである。
ヘッドマスターJr
『超神マスターフォース』から登場する新しいヘッドマスター。
地球人の少年少女達が銀色のマスターブレスでマスターフォースに変身し、トランステクターにヘッドオンする事でトランスフォーマーとなる。
サイバトロン側はクロームドームに任命された3人の少年少女が変身し、救助車両に変形する。救助活動も主な任務としている。
デストロン側はデストロンを信奉する3人の不良少年がサイバトロンから奪ったマスターブレスを使用して変身し、半人半獣の姿に変形する。後に自分達が使い捨てにされた事でデストロンから離反し、サイバトロン側についた。
終盤では両軍のトランステクターが自我を持つロボット生命体となって独立し、地球を去った。
製品について
アニメ放映当時はその斬新なデザインとギミックからヒットしたようだが、同様のコンセプトから誕生した「ターゲットマスター」がマイクロンとして以後の作品である程度浸透したのに対し、ヘッドマスターは構造的にターゲットマスターよりもコストがかさむせいかお世辞にもあまり良い扱いを受けていなかった(ただし両ギミックにはコアマスターユニット単体ではコストの差異はさほどない、むしろ本体の方のパワーメーターギミックの方がコスト高の原因。)なお、サードパーティーでは既にクロームドームやウィーアードウルフなどと言った主要メンバーはほとんど製品が出ており評判もよかったので人気の裏付けはあった模様。
しかしながら、2015年にハズブロより発売された『トランスフォーマージェネレーションズ』枠でブレインストームがIDWコミックデザインでリメイク、続く2016年の『タイタンズリターン』にてクロームドーム・ハードヘッド・スカルクランチャー・マインドワイプなどに加えフォートレスマキシマスがリメイク、更にはブラスター・ブラー・スカージなどもヘッドマスター化されるなど製品の勢いが付いてきている。
ちなみに『キュートランスフォーマー』第2期の6話にて『ザ☆ヘッドマスターズ』を含めた和製G1シリーズについて取り上げた際、ツッコミ担当のロックダウンがやたらと突っかかってきたが、実を言うと担当声優は本作以前にシステムのよく似たロボットの声を担当したことがある。
またニコニコ動画のコメントでは「昔頭なくしてそれっきり」「久しぶりに出したら体しかなかった」などヘッドマスターの紛失が多数報告された。
タイタンマスター(タイタンズリターン)
「ジェネレーションズ」のヘッドマスターは『タイタンマスター』と呼称されている。ヘッドマスター(サードパーティー製も含む)とタイタンマスターとの違いはそのサイズにもありタイタンマスターの方がヘッドマスターよりは小さい。その為背部プレートの展開ギミックがオミットされているが両腕はボールジョイント接続になった為開くことが出来る。なお、肘はヘッドマスター・タイタンマスター両製品共に固定型の一体成型であり膝も両方とも繋がって成型されている。
その後の作品のヘッドマスター
サイボーグ化したヘッドマスターがトランスフォーマーと合体するという設定の影響か、近年の海外作品上では「禁断の技術」として扱われる事が多いようだ。
『トランスフォーマーアニメイテッド』では、同名の小型ロボットに乗る悪人ヘンリー・マスターソン(詳細は該当記事を参照)が登場し、トランステクターの代わりにアイアンハイド、センチネルプライム、スタースクリームの頭部を切り離してボディを乗っ取り暴れるが、スタースクリームのボディで変形した際にバランスを崩して分離したところでお縄につけられ、ロボットはサムダック社に回収された後、不慮の事故でオールスパークとフォークリフトが融合し、小型のディセプティコン「ダートボス」が誕生した。
IDWのコミックでは、スコルポノックと手を組んだ地球人のテロ組織「マシネーション」によって捕縛されたサンストリーカーが、ヘッドマスター関連の実験を兼ねた拷問を受け、そのせいで人間に対する憎悪を抱いたままスタースクリームの口車に乗せられ、トンデモない事をしでかしてしまう。
新シリーズ「タイタンズリターン」ではかつてメガトロンに倒された暴君センチネル・プライムが、死後行方不明になっていた頭部がタイタンマスターとなり、復活を果たした。
また、『トランスフォーマープライム』では、テロ組織「メック」のリーダー・サイラスが重傷を負った際、事前に回収していたウォーブレークダウンの残骸を修復し、その内部にサイラスの肉体を収容するという、上記の『ザ・リバース』やヘッドマスターJrの手法を強引に真似たようなやり方で復活させた。
『トランスフォーマーアドベンチャー』では、第16話『サイドスワイプ、危機一髪』に違法な外科手術で逮捕、投獄されたディセプティコンのマッドサイエンティスト、バーテブレイクが登場したが、その例としてフィクシットが挙げたのが首の挿げ替えで、脱獄後にサイドスワイプのボディを奪い実践してみせた。