概説
『迎撃!第二次マレー沖海戦』とは、DMM.comのオンラインSLG『艦隊これくしょん』の期間限定イベントである。
2016年8月13日より作戦開始、同月31日午前11時に終了。
本作戦は1941年に発生したマレー沖海戦が基になったと推察される。
仕様
前回の2016年春季イベント『開設!基地航空隊』での数々の不手際から、夏季イベントとしては2013年以来の中規模イベントへと縮小された。
また、バランス調整で大きく失敗してしまい、賛否が割れてしまった「基地航空隊システム」の是正も図られた。
今回も作戦難易度が甲・乙・丙の3つから選択可能で、以下の通り海域ごとに出撃識別札(通称:お札)が付き、他の海域への出撃は不可能となる。
札名称 | 出撃可能海域 |
---|---|
哨戒部隊 | E-1/E-4 |
輸送部隊 | E-2/E-4 |
連合艦隊 | E-3/E-4 |
本作戦の完遂に必要な艦隊数は4艦隊分と、これまでの大規模イベント海域に比べて負担は軽め。
更に本海域終盤のE-3とExtra Operation海域のE-4を除けば、そこまで理不尽な難易度ではない。
新システム
今回は新システムの導入はないが、前述した通り「基地航空隊」システムの全体的なバランス調整が実施された。
「基地航空隊」システムの更新
部隊の増強
前回は1部隊48機(12機×4スロット)だった部隊を、1部隊72機(18機×4スロット)まで拡張。
これにより部隊全体の戦闘力が増強され、スロットごとの熟練度の摩耗も抑えられるようになった。
ただ同時に、純粋に配備数が増えたことで、消費する資材も増えている。
行動半径の修正
前回のイベントで話題となった「出撃可能な行動半径(スタート地点を起点とした航空隊の最大出撃領域)を最大の航空機に行動半径を合わせる」という首をかしげる仕様だったが、これは運営の意図しない仕様だったことから調整が入った。
これにより、行動半径は最も範囲が小さい艦載機を基準とするようになり、以前のように「行動半径は小さいが総合的な対空能力の高い局地戦闘機をボスマスの航空戦力にぶつけて敵攻撃機・爆撃機を残滅する」戦術は使えなくなってしまった。
その代わりとして二式大艇やPBY-5A Catalinaなどの大型飛行艇を部隊に組み込むことで、行動半径を拡大する事が可能となっている。
防空能力の強化
前回は全くと言って良いほど意味を為さなかった航空隊の「防空」行動が強化された。
結果、以前は全航空隊を「出撃」に振り分けて「肉を切らせて骨を断つ」戦術を採用せざるを得ないと言っても過言ではなかったが、今回は「防空」が強化されたことで、目に見えて基地への被害を抑えることが可能となった。
完全に防ぎ切ることが難しいのは変わらないが、今回は敵からの空襲もより強烈になっており、レア艦掘りを控える提督にとっては頭の痛い問題となる資材の浪費を明確に抑えることが可能になった。
同時に戦闘機の練度の更新速度も強化され、「防空」に向かわせるだけで二段階近く練度が向上するようになった。
休息コマンドの強化
「休息」コマンドによる疲労回復速度が向上。
ただし、依然として「ボーキサイトの貯蔵速度の半減」は変わらないので、状況に合わせて切り替える必要がある。
空襲エフェクトの導入
空襲マス、ならびに航空基地への空襲が発生する際、敵艦載機がMAP上に飛来して視覚的にわかるようになった。
特に航空基地への空襲は、以前は何の前触れもなく空襲サイレンがけたたましく鳴るという心臓に悪い演出だっただけに、多少なりともその前兆がわかりやすくなり、精神的な負担はごく僅かだが軽くなった。
ステージ
全4海域からなる。
後半2海域にはボスが弱体化するギミックが存在する為、攻略に際して利用することをお勧めする。
今回から弱体化ギミックの発動のサインとして、母港へ帰投後に任務成功時のサウンドが発生し、ボスのセリフも変化するので、攻略の手掛かりが明確化されるようになった。
前段作戦
ステージ | 海域 | 作戦名 | 難易度 |
---|---|---|---|
E-1 | 南西海域 ブンタン沖 | ブンタン沖哨戒 | ☆6 |
E-2 | 南西海域 エンドウ沖 | 第二次エンドウ沖海戦 | ☆7 |
E-3 | 南西海域 マレー沖 | 第二次マレー沖海戦 | ☆9 |
前段作戦と銘打っているが、実質E-3までが本海域での主作戦となっている。
E-2突破で睦月型駆逐艦「水無月」が報酬として入手できる。また、E-1のボスマス(I)から潜水艦伊26と邂逅可能。
E-3は対陸上基地戦で、Hマスにいる敵主力艦隊“Z部隊”が猛威を振るう。
弱体化ギミックが存在し、A・Dの空襲マスと航空基地への空襲をダメージを受けずに防ぐ(敵艦載機を全機撃墜し、"空襲による被害はありません"と表示されればOK)と、道中の戦艦夏姫が弱体化する。
E-3のボスマスではイタリア空母のAquiraと邂逅できる。
拡張作戦
ステージ | 海域 | 作戦名 | 難易度 |
---|---|---|---|
E-4 | 南西海域 マラッカ海峡沖 | マラッカ海峡沖夜戦 | ☆12 |
本作戦後の敵主力艦隊への反攻作戦。Extra Operation海域扱い。
過去最長の進軍経路を要し、Iマスにボス級艦隊が門番として立ちはだかるなど、かなりの難易度を誇る。
最短経路であっても、戦闘しないマスも含めて9マスも通らねばならないのは相当キツい。ボスマスに到達する頃には、燃料・弾薬共に消耗しきって艦隊の火力も回避も極限まで低下しているので、何も対策していないとボスやその随伴艦に全く有効打を与えられないばかりか逆にこちらの艦隊がボコボコにされかねない。
対策としては、速吸に洋上補給してもらうこと、基地航空隊でボスの無力化を図ることの二つが主なものとして挙げられる。とは言え、速吸自体が脆くてかつ戦力になり得ないこと、ボスマスまで到達できる航空機の種類が限られること(航空隊をボスマスに到達させるには大型飛行艇が必須)などの点には注意したい。
また、ボスに到達するまでの最大の鬼門であるIマスだが、如何にここでの被害を軽く済ませて突破するかという点も、攻略の重要なカギとなる。例え入念なボス対策をしていても、ボスまで到達できなければ意味はない。基地航空隊の内の一つはこのマスに投入するというのも選択肢として有り得る。いっそ全航空隊をIマスにぶっ込んで、夜戦マスKと空襲マスを気合いで乗り切るのも充分に有効戦術だったりする。
同時にIマスでは雲龍型全姉妹のドロップが確認されており、上手く勝利Sをもぎ取れば超低確率だがドロップ入手の可能性が期待できる。
C・D・H・I・Kの5ヶ所のうち4ヶ所で勝利Sを達成することでギミックが発動し、ボス・Iマスの港湾夏姫・Kマスの戦艦夏姫の防御が-23と大きく弱体化する。
なお、難易度に関わらず、最終編成を判定する戦力ゲージ残量値がかなり低く設定されているらしく、最終編成にならないままゲージ破壊に成功してしまったという報告が多数。丙難度でレア艦掘り(特にボスマスでのS勝利ドロップ狙い)をしている提督諸兄はうっかりゲージを破壊してしまわないよう、早めのゲージリセットを心がける必要があった。
海域突破報酬としてQueen Elizabeth級戦艦「Warspite」を報酬として入手できる。
新艦娘
6月時点でのTwitter諸元で予告されていた睦月型の新顔として、水無月がE-2報酬として参戦。
更に初のブリティッシュ艦娘となる「Warspite」が全海域突破報酬として参戦した。
レアドロップ艦は、伊401以来となる国産潜水艦「伊26」と、イタリアン艦娘初の空母として「Aquila」と邂逅可能となっている。
報酬
- 睦月型駆逐艦 水無月(艦隊これくしょん)
- E-2突破報酬
- QueenElizabeth級戦艦 Warspite
- E-4突破報酬
ドロップ
新敵勢力
新カテゴリ「夏姫」が登場。「夏姫」はいずれも「なつき」と読む。(艦娘型録弐より)
その殆どは既出の深海棲艦の鬼・姫級の亜種。
BOSS
新アイテム
報酬
- 陸上攻撃機 一式陸攻 三四型(E-1甲)
- 局地戦闘機 三式戦 飛燕一型丁(E-2甲)
- 対空機関砲 QF 2ポンド8連装ポンポン砲(E-3甲・乙/Warspite改 初期装備)
- 陸上攻撃機 銀河(E-3甲)
- 艦上戦闘機 Re.2005改(E-4甲・乙)
ポンポン砲と伊軍戦闘機以外は全て甲難易度でのみ入手可能。
銀河、Re.2005改の二機は乙以上の難度でなければ入手できないが、その労力に見合った高い性能を誇る。
なお、ポンポン砲は史実のような産廃性能ではないのでご安心を。
新規艦娘装備
- 艦上戦闘機 Re.2001 OR改(Aquila/Aquila改 初期装備)
- 艦上攻撃機 Re.2001 G改(Aquila改 初期装備)
- 戦艦主砲 38.1cm Mk.I連装砲 (Warspite/Warspite改 初期装備)
今回の新しい装備も主に海外艦の装備が中心。
伊軍航空機は直接的な攻撃力こそ振るわないものの、補助ステータスがなかなかに優秀。
英軍戦艦砲も今後のフィット調整の研究次第で、金剛型をはじめ、高速戦艦組の新たな戦力になる可能性が期待される。
新規BGM
※#でYouTubeへ移動。
(タイトル不明)#全海域MAP共通
(タイトル不明)#前段階作戦・道中戦闘BGM
(タイトル不明)#前段階作戦・道中戦闘BGM/BOSS戦闘
(タイトル不明)#拡張戦闘BGM/後段階作戦・道中戦闘BGM
(タイトル不明)#拡張階作戦・BOSS戦闘BGM
今回のBGMを一言で表すなら「うきうきトロピカルミュージック」。
激しく、時には深海から怨嗟の声も聞こえた2014年夏季やオーケストラと妖しげな後半曲で通した2015年夏季とも大きく異なる、『艦これ』としては新しいタイプの音楽群がプレイヤーを直撃する。
全面的に“夏真っ盛りのバカンス気分を推しにした陽気な曲調のナンバーが多く、照り付ける太陽が熱い砂浜や南国のイメージを感じさせる。スチールドラム・マリンバをはじめ南国情緒を思わせる音源も多分に盛り込まれている。
海域BGMは美しく穏やかな海をイメージさせるピアノ旋律の曲。今回は全海域がこのBGMで統一されている。曲単体で聞くと安らげる人も多いのでは?
なお、一部の提督からは「一昔前のSTGっぽい」と、その曲調に懐かしさを感じる声も。
E-1道中及び基地空襲戦はジュークボックス用BGMとして実装されていた「水着の出撃」のアレンジ。若干テンポが速くなっており、戦闘曲としてブラッシュアップされている。ちょうど砂浜に到着して駆け出すイメージだろうか。
E-1ボス及びE-2/3道中は一番聞く機会が多いであろう、とりわけ南国感の強いBGM。どっちかというと戦闘というよりも浜辺で遊んでいるイメージのほうがしっくりくる。
E-2/3ボス及びE-4道中は今回のメインボステーマともいえる。南国感を感じさせながらもテンポが速く、焦燥感も感じさせる。後半ではピアノの連弾も。
E-4ボスはここだけいつもの『艦これ』BGM。いわゆる沈メタルではないが、これまであった南国感はどこへやら。ベースギターとバイオリンが織りなす主旋律にコーラス付き。最後のボスだけあって激戦のイメージはしっかりある。
その他
去年から水着modeが実装され、一部の艦娘がバカンス気分で出撃していたのだが……
重巡夏姫のセリフから、どうやら今回の作戦は深海側の休息地を狙った出撃であったことが発覚。
……って、深海にサマーバケーションとかもう訳わかんねえんですけど……
……もしかしたら、深海棲艦と人類は意外とあっさり協調できたりして?(汗)
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