概要
G細胞(ゴジラ細胞)とは平成ゴジラシリーズの「ゴジラVSビオランテ」にてその存在が注目されるようになったゴジラの細胞のことである。
恐るべき怪獣であるゴジラの肉体は遺伝子の宝庫とも言われている。
第一に、自己再生能力によってあらゆる病原菌やさらにはゴジラに有害な物質までも駆逐する効果があり、さらにこれを穀物などに組み込むことによって砂漠など過酷な環境下でも問題なく育ち、その上永遠に枯れない夢の穀物を作る事ができるとされる。
第二に、放射能をエネルギーとして取り込んでしまうという性質を持ち、これを利用することで抗核バクテリア(ANB)という核兵器を無力化する生物兵器を作る事も可能である。
この為、ゴジラVSビオランテの劇中では産業スパイやテロリストがゴジラ細胞を手に入れようと暗躍していた(実在すればG細胞は数億で取引されていたと思われる)。
しかし、このG細胞は極めて侵食性が高く、もし他の生物に組み込まれた場合はその生物の組織を瞬く間に変質させてしまう。そのため一歩使い方を誤ればビオランテ、スペースゴジラ、オルガといった様な怪獣を生み出してしまう危険性もある。
ゴジラ細胞から生まれた怪獣
ビオランテ
遺伝子工学の権威・白神源壱郎博士がゴジラ細胞に死んだ愛娘英理加の遺伝子とバラの遺伝子を合成して生み出した植物怪獣。名前は北欧の神話における植物の精霊の名にちなんで名付けられている。元はあくまで“生命力の強い植物”として作られたものだったが、ゴジラ細胞の作用で怪獣化した。花獣形態は芦ノ湖での戦いでゴジラに燃やされ焼滅したと思われていたが、自己再生能力作用によりさらに強力で凶暴な植獣形態として復活を遂げた。
スペースゴジラ
宇宙へと昇っていったビオランテの細胞、もしくはモスラがゴジラの尾を掴んだ時に付着した肉片がブラックホールに吸い込まれた後ホワイトホールで放出され、結晶生物と恒星の爆発エネルギーを吸収し異常進化して誕生した怪獣。細胞の姿もゴジラのものとそっくりだが、スペゴジの細胞には細かい結晶片が生えており結晶生物が取り込まれているのがわかる。
デストロイア(完全体)
ムック本の「超全集」の中でデストロイアの完全体への進化は単純な熱エネルギーだけでなく集合体の時での戦闘でゴジラジュニアの生命エネルギーを吸収した際にジュニアからG細胞の遺伝子も手に入れた結果によるものという説が提唱されている。
だとすればもともとジュニアとデストロイアが衝突したのもゴジラを誘導するという人類の作戦によるものなので、皮肉にも人類自身の手によってこの悪魔を誕生させてしまったことになる。
ミレニアムシリーズにおけるゴジラ細胞を有する、あるいはゴジラのエネルギーで誕生した怪獣
オルガ
ミレニアムシリーズのゴジラ細胞に含まれる自己再生と自己形成を司る物質(劇中では「オルガナイザーG1」という名称)を異星人ミレニアンが吸収した後、それを制御できずに怪獣になってしまった姿(この劇中ではゴジラ細胞を人類が取り扱うことは不可能ということがこの怪獣で証明されている)。
メガギラス
一体だけ成虫のメガニューラにならずに渋谷の湖底で眠っていた巨大メガヌロンに手下である無数のメガニューラ達がゴジラから奪ってきたエネルギーを自分達の命と引き替えに与えた事で変態し怪獣化した物。一説にはゴジラのエネルギーの影響でこの姿になったと言われており、通常のメガギラスよりも遙かに強力な力があると思われる。
メカゴジラ2003(3式機龍)
オキシジェンデストロイヤーによって倒された初代ゴジラの骨格をベースに開発されたロボット怪獣(サイボーグ怪獣ともいえる)。これまでのメカゴジラと違い長い尻尾を持ち動きも身軽で格闘戦もこなせてしまう。 現代のロボット工学技術の発展を反映されたとされる。DNAコンピュータによって制御されており、特殊戦闘機「しらさぎ」から遠隔操作される(機体に直接乗り込んでの操縦も可能であるが凄まじいGが掛かるため機龍への搭乗は基本的に考えられていない)。
しかしDNAコンピュータにゴジラの骨に残っていたゴジラ細胞を使用していたため、初代ゴジラの性質が奥底に残ってしまっており、ゴジラとの初戦ではその咆哮を聞いて、記憶を取り戻したかのように暴走してしまった。この事からゴジラとしての自我が残っているとされ、そのため後にコンピュータ内の塩基配列が別の形に書き換えられた。
GODZILLA FINAL WARSにおけるゴジラ細胞
未公開であるが、劇中においてゴジラ細胞はX星人の地球侵攻に対抗する手段となっておりテレパシー能力に影響する物質:M塩基を駆逐できるとある。つまりX星人が事前にゴジラの存在を把握してもゴジラを操る事は不可能だとされる。また、ゴジラ細胞の遺伝子情報をコピーして粒子加速器で増殖し、ゴジラ細胞の粒子的モデルをメーサー砲に充填した対M塩基兵器も開発され、X星人の支配下にある怪獣達のM塩基を破壊、コントロールから解放することも可能になっている。
シン・ゴジラにおけるゴジラ細胞
本作では従来のシリーズの個体のような高い自己再生機能のみならず、その細胞は
“状況や必要に合わせてそれに適した器官を瞬間的に形成する自己進化能力”
“取り込んだ原子核を組み替えて己のエネルギーに変えてしまう核種変換能力”
“全細胞が生殖細胞となって分裂した細胞からまた新しい個体が誕生する自己増殖能力”
という恐るべき性質を多数秘めていることが明らかとなっている。
劇中ではイラスト左の魚類か両生類のような形態から短期間で右の巨大爬虫類の如き形態へと進化を遂げ、今後の可能性として一体だけでも細胞分裂で無限に個体数を増やしてしまうことや翼を生やして飛翔能力を入手し、さらに世界全体に活テリトリーを広げてしまうことも危惧された。
実際最終的にはカットされているが、米軍の攻撃で飛び散ったゴジラの肉片に目や牙が形成されており、新たなゴジラが生まれようとしていることを示唆するシーンが存在していた。
加えて核種変換能力に関しても蛋白質など他の栄養素を摂る必要はなく、水素と酸素さえあればそれらの原子変換の反応だけで自身の活動に必要な分のエネルギーをほぼ賄えてしまうなど、これらの超絶的な性質の数々から研究に当たった巨災対のメンバー達には「完全な生物」や「霞を食って生きる仙人」とも称されている。
ゴジラ対エヴァンゲリオンにおけるゴジラ細胞
シン・ゴジラ公開に合わせたエヴァンゲリオンとのコラボレーション企画「ゴジラ対エヴァンゲリオン」では「もしエヴァンゲリオンにゴジラ細胞が投与されたら?」という想定の大型フィギュアの発売が予定されている。第一弾「エヴァンゲリオン初号機“G”覚醒形態」ではエヴァ初号機が犠牲に。背びれと尻尾が生えて、頭部の半分と胴体がほぼゴジラ化している。第二弾はビーストモードのエヴァ2号機がゴジラ化した「エヴァンゲリオン2号機 ビースト“G”モード」。こちらはほぼ“四本足のゴジラ”と化しており2号機の面影は数えるほどしか無い。自らの乗機のあまりの変わりようにアスカはパニックを起こし、シンジは絶叫した。
ゲームにおけるゴジラ細胞
超ゴジラ
1993年12月22日に発売されたスーパーファミコン用ソフト。謎の宇宙人にコントロールされた怪獣達から日本を守る為、闘争本能を制御してゴジラを操作して怪獣達を打ち倒していくアクションゲームである。このゲーム中でゴジラ細胞、キングギドラの細胞(通称ギドラ細胞)はある重要な役割を果たしている。
究極怪獣王スーパーゴジラ
身長 | 120m |
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体重 | 8万5千トン |
出現地 | 東京 |
物語の後半でキングギドラ細胞にエネルギーを蓄える性質があることを突き止めた登場人物の1人である尾形博士の研究でゴジラにキングギドラの細胞を融合させ、超エネルギーを与えたことでパワーアップした姿。しかし敵怪獣との戦いでエネルギーを使い果たすと元に戻ってしまう為、このスーパーゴジラをどこで使うかはプレイヤーの判断に委ねられる。ちなみにこの超ゴジラのデザインは後に登場するスペースゴジラの基となっている為、スペースゴジラと酷似している部分が多い。
古代超魔獣バガン
身長 | 150m |
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体重 | 28万トン |
出現地 | 超古代・中国 |
本来なら『モスラVSバガン』、『ゴジラの復活』などの没企画の映画に登場予定であった怪獣である。没になった企画ごとによっては様々な設定が存在するが、このゲーム中でバガンは古代中国にタイムスリップした宇宙人が、陸・海・空を司る怪獣にゴジラ細胞とギドラ細胞を融合させた最強の猛怪獣という設定で登場している。不気味なエネルギー形態から正体である怪獣形態へ変化し、ゴジラを待ち構える。
派生作品におけるゴジラ細胞
怪獣ラバン
1958年に水木しげるが描いた貸本漫画。水木一郎がライバルの伊川二郎にゴジラの血を注射され怪獣ラバンに変貌した。ラバンの姿は巨大なミドロが沼のトカゲのように斑点で覆われている。
非公式だが恐らくG細胞で変異した最初の例。
ちなみに二郎が作るラバン17号(デザインはミドロが沼のトカゲが人間を操って作らせたロボット)も怪獣に対抗するメカ怪獣最初の例。
仮面ノリダー
ジョッカーがG細胞を回収しハレンチ学園のヒゲゴジラの細胞と融合させヒゲゴジラ男を作る。対するノリダーもG細胞からベーターカプセルを作り巨大化する。
関連タグ
ビオランテ スペースゴジラ デストロイア オルガ(ゴジラ怪獣) メカゴジラ オキシジェンデストロイヤー キングギドラ メガギラス