概要
「キングダムハーツ」シリーズの象徴である、限られた者にしか持つ事の出来ない伝説の武器。
鍵のような形状をした剣で、劇中でも実際に「鍵」と呼ばれる事が多い。
基本的にスケルトンキー(ウォード錠の鍵)を模した形をしており、カードキーやダイヤル錠など後世の鍵をイメージした物は存在しない。
ただし、ディスクシリンダー錠型やディンプルキーなど、現代でも使用されている鍵をイメージしたキーブレードも少なからず存在する。
鍵の軸と歯に当たる「剣身」と、鍵の頭部(持ち手)に当たる両脇にナックルガードの付いた「柄」で構成され、柄頭にストラップのようなキーチェーンを付けている。
この基本的な形はどのキーブレードでも保たれているが、中にはとても鍵には見えない物も結構有る。
歴史
キーブレード使い
キーブレードを扱うことのできる人物のことを「キーブレード使い」と言う。
キーブレード使いは基本的に「キーブレードマスター」と呼ばれる達人の元に弟子入りした状態で活動し、後に行われる「マスター昇任試験」に合格することで同じマスターへと昇格できる。
使い手となる条件として第一に「強い心」を持っている事が挙げられる。ただしこの「強い心」に善悪の区別はなく、条件を満たせば悪しき者が使う事もできてしまう。また、他のキーブレード使いの心を宿した存在が「共有」という形で資格を得る特殊なケースも存在する。
もしその者が使い手となれる素質を秘めていた場合、マスターの実力を持つ者のみが行える「継承の儀」と呼ばれるとある行為を行う事で、新たな使い手として「資格」を与える事が出来る。
"相応"の力を持っていれば、実際にマスターとして認められているわけではなくとも継承は可能(例:テラ)。また、偶発的な継承が起きることもある。
この「資格」はキーブレードが使い手を見つける為の目印のようなものであり、キーブレード使いとしての資質とは別物。例え資格を持っていてもキーブレード自体に拒まれてしまう例もある。
キーブレード戦争
かつて世界を隔てる壁はなく世界中に光が溢れており、それは目に見えない”心”の集合体「キングダムハーツ」の恩恵だと信じられてきた。しかし、大いなる光の心キングダムハーツを手に入れようと光の奪い合いが始まり、人々の心に闇が生まれた。
光を守るためにキーブレードを使い始めた者たちと、光を奪おうとした者達の対立により戦火は拡大、戦いに参加していなかった世界も巻き込んでいき、その結果ほとんどのキーブレード使いが命を落とす。その果てにキングダムハーツは闇に覆われてしまい、全ての世界は闇に覆われ一度滅んでしまった。
その後、子供達の心の光から今の世界が誕生し、二度とこのような争いが起こることのないよう世界は壁によって隔てられ、それぞれの世界に存在する「7つの純粋な光の心」の持ち主=セブンプリンセスがいなければ、キングダムハーツに近付くことは出来なくなった。
この戦争により、以前は大勢いたキーブレード使いはとても貴重な存在となり、その存在やエピソードも僅かな伝承として語り継がれることとなった。
χブレード
「χ(キー)ブレード」とは、真のキングダムハーツの対になる存在であったとされる魔聖剣であり、かつてのキーブレード戦争で「7つの光」と「13の闇」に砕け散り、その結果真のキングダムハーツは闇の奥深くに閉ざされてしまったという。
純粋な光の心と純粋な闇の心、この二つの心が均等な力でぶつかりあった時にχブレードは再び生まれ、同時に全ての世界の心をつないだキングダムハーツも再誕すると言われている。
この戦争の際に、光を奪おうとした者達がχブレードを真似して作ったのがキーブレードなのである。ただし、どのようにすれば作成できるのかは不明。
機能
- あらゆる鍵の開閉
世界の心が秘められた扉の"鍵穴"を始めとした、ありとあらゆる鍵を開け閉めできる力を持つ。
このためKHシリーズは、鍵を探して扉や宝箱を開ける必要が全く無い。
基本的にキーブレードの先端から鍵穴に向けて光線を放つが、宝箱のような簡単な鍵であれば表面を軽く叩くだけで開錠でき、蓋も自然に開く。
キーブレードでしか開閉できない特殊な鍵穴はもちろん、「開ける」「解く」といった概念を持つものであれば、コンピュータの電子ロックや神の封印だろうが解放でき、逆にキーブレードで封印を施すこともできる。
この便利すぎる機能のため、ハートレスやハデスのような敵に狙われることもしばしば。
一方、壊れていたり未完成だったりと、"鍵"としてまともに機能していない場合は操作することが出来ない事もある。
また、鍵穴を発見した際に所有者が気づいていない場合でも、キーブレードが自動で鍵穴の方を向いて開閉することもある。ソラのキーブレードは特に顕著で、作中何度も勝手に動き出している。
- 打撃・斬撃の使い分け
あくまで"剣"であり、決して鈍器ではないが、これを使って攻撃する際には「斬る」ではなく「叩く」という表現が使われる。
一方で、一見刃が全くないソラの「キングダムチェーン」のような物でも、巨大なビルや敵のバリアをバターのように切り裂く斬撃を放つことが可能で、石畳などの固い床に突き刺さる描写も存在する。
この事から、いかなる形状のキーブレードであろうが、所有者の意思によって斬れるか斬れないかを自由に切り替えられると考えられる。
- 手元への召喚
携帯する必要はなく、必要なときは所有者の意思に応じて出現し、必要でなくなれば消える。呼び出す際に現れるエフェクトは使い手や種類によって変わる。
持ち主の手から離れても、即座に手元にワープする形で呼び戻す事が可能で、瞬時に逆手持ちに切り替えるという変則的な事も出来る(劇中でも、その性質を利用した技や戦法が存在する)。
その他、資格のない者が手にしても直ぐに所有者の手元へと戻るため、他人に奪われる心配もない。ただし、少なくとも持ち主の気絶時は放して置いておけるようである。
- 退魔の力とハートレス化した心の解放
ハートレスやノーバディの様な、闇や狭間の存在に対して高い威力を発揮し、特に先端から放たれる光線には絶大な効果がある。
ハートレスは普通に倒しても、しばらくすると核となった心が再び闇に堕ち元に戻ってしまう。しかしキーブレードで倒せばその心を解放し、どこかにいる元の存在の元へと戻すことができる。
- 不屈の強度
所有者の心の強さを反映しているのか、基本的に傷ついたり壊れたりすることはなく、武器や弾などのどんな攻撃も受け止めることができる驚異的な強度を誇る。
しかし、闇や狭間の世界といった特殊な環境化や、所有者の心が傷つき壊れるといった状態になれば、その人物のキーブレードも破壊される事があり、その場合新たな鍵を探さなくてはならない。
また詳細は不明だが、素材等を用いてキーブレードの性能を強化する事も可能である。
- 刀身の分身や念動浮遊
使い手の魔法力が高まった、または元から高い場合、所有者の手から離れたキーブレードを念力の様に中へ浮かせ、そのまま自由自在に操って攻撃することも可能となる。
基本的に操る者に所有権があるキーブレードに限られるが、劇中では使い手を喪った残骸を大量に操作したケースも存在する。
またキーブレード自体を複数出現させ、二刀流として戦える者も存在する。ただし本来は光の分身を生成する程度であり、鍵そのものを複数所持する事は、特殊なケースを除きまず不可能である。
- キーホルダーに応じた姿・性能に変化
根元に付けられるキーチェーンを付け替える事で、姿形や武器としての性能が劇的に変化する。名称も変化するが、キーブレードとして持つ共通の機能に変わりはない。
ゲーム中で新しいキーブレードを手に入れることがあるが、それは同じ鍵が形を変えたのであって、一人で何十本も持っているわけではない。
- 魔法力の強化
他の機能と比べると地味だが、使い手の潜在能力を引き出し、素人であってもそれなりの威力を持った魔法を習得できるようにするマジックワンドのような側面もある。
当然、アクアのように元から魔法の腕前に長けた者であれば、それに比例してより強力な魔法の行使が可能となる。
- あらゆる武具や乗り物に変形
正当な使い手として、マスターの元で指導を受けた者だけが使えるようになる技術。
持ち主が念じることで、キーブレードを一時的に別の武器や乗り物へと変形させることが出来る。
質量保存の法則を無視した超常的な湾曲変形や分割・融合を行うため、事実上変化できる物に制限はなく、その種類は鞭・弓矢・大砲・ナックル・爪・ハンマーと非常に多岐にわたる。
特に乗り物へと変わる「キーブレードライド」では、異空の回廊を渡り別のワールドへも移動できる(ただし安全性は低い)。
- 自身や他者の心を切り離す
キーブレードマスターの力を持つ者だけが、生物の肉体から"心"を取り出す特殊な術を扱うことができる。
この術は自らの心でも他者の心でも取り出すことができ、心の一部だけ取り出すことも可能。3Dでは更に、心の一部を分けて他者に植え付けることも可能だと明かされた。
他人の身体を器とし、永遠に現世に留まる事が可能になるとも言うが、同時に「心に光を持つ者に心を奪うことなどできない」という旨の発言もあり、この術は闇に堕ちた者だけが行使できる「禁断の呪法」といった側面が強い。
種類
- 光の世界のキーブレード
- 闇の世界のキーブレード
表裏構造となっている、当シリーズの世界で生まれたキーブレードで、劇中人物たちの持つ鍵も基本的にこのいずれかに属している。
その有り様や機能・属性に違いは殆どなく、あくまでどちらの世界で入手し、キングダムハーツの扉に対して内鍵となるか外鍵となるか程度の違いしかないらしい。
- 人の心のキーブレード
初代KHにてリクの身体を乗っ取っていたアンセムが、抜き出したセブンプリンセスの心を集めて作り出した禍々しいキーブレード。
他のキーブレードとは異なりキーチェーンが存在しないのが特徴。先端の凹凸はハート型になろうとしているが、途中でその枠が途切れている。これはセブンプリンセスの一人であるカイリの心が欠けた不完全な状態で作り出されたのが原因で、仮にカイリの心も揃っていれば完全なハート型になっていた。
その誕生経緯からχブレードの模造品または「合鍵」のような物であると思われる。
この鍵を用いれば、マスターの力を持たない者でも心を強制的に解放する秘術が可能となるが、使われた者の心は例外なく闇に落ち魔性の者と化してしまう危険極まりない代物である。
最終的にソラの(奇跡的に一時的で済んだ)犠牲によって自壊・消滅し、プリンセス達の心も無事帰っていった。
この他、特殊な例として「データ世界のキーブレード」も登場している。
使い手一覧
大半がKHオリジナルキャラで、総じて複雑な経歴を持つ者ばかりである。
※最新作までのネタバレ情報有り。
現代の使い手
キーブレード戦争後わずかに生き残り、後継者の指導をしながら世界の守り手として目立たずに活動するようになったキーブレード使い達。
一人のマスターの元に数人の弟子が集う、剣道の流派のようなスタイルを取っている。また、門派の中で当主から後継者へと受け継がれていく特別なキーブレードも存在する。
その数も時と共に減少し、現在はわずか3つの流派を残すのみ。そのいずれも十分な組織形態を維持できているとは言えない状態である。
◇イェン・シッド一門
- マスター・イェン・シッド
ディズニーキャラ。本来は歳により引退した身であるが、現在若者たちを導ける存在が自分しか残っていないため、アドバイザーとして一時復帰している。
ディズニーキャラ。最も有名なネズミにしてディズニーキャッスルの若き王。
「Bbs」の一件後、キーブレードマスターに承認される。門派の後継者でもある。
本作の主人公。
正式な資格継承を受けていない珍しい例で、当初はキーブレード使いとしての資格を"間借り"していた。その後、キーブレード自体に直接使い手として認められた、恐らくは例外中の例外。
「3D」のマスター承認試験には不合格(但し、相応の力はあると認められている)。
ドナルドダック&グーフィーと合わせ「三人で一つのキーブレード使い」と称される事も。
本作のもう一人の主人公。
資格は持っていたものの一度はキーブレードに拒まれ、その後愛用の魔剣を進化させる形で新たにキーブレードに選ばれた。
「3D」の承認試験にてキーブレードマスターに承認される。
セブンプリンセスにして新参の使い手。暫くは魔法使いマーリンの元で指導。
元XIII機関員にして新参の使い手。暫くは魔法使いマーリンの元で指導。
◇エラクゥス一門
- マスター・エラクゥス
光による退闇を使命とする侍のようなキーブレードマスター。
「Bbs」の一件にて死去。
武士のような出で立ちの純粋な青年。「Bbs」冒頭の承認試験には不合格となる。
だがマスター相応の実力者ではあり、継承をする事は可能。
生真面目で凛とした魔法剣士の少女。「Bbs」冒頭の承認試験にてキーブレードマスターに昇格。
その後の一連の事件の末に、門派の後継者となる。
どことなくソラに似た、明るく裏表のない少年。テラやアクアとは兄弟弟子にして親友。
元々はゼアノートの弟子で、記憶を失った状態でエラクゥスの元に預けられていた。
◇ゼアノート一門
- マスター・ゼアノート
当シリーズ(現代)における全ての黒幕たる老人で、「闇の探究者」を名乗るマスター。
エラクゥスとは兄弟弟子で、若い頃からの付き合いだった。
ゼアノートの呪法でヴェントゥスから分離した存在。「Bbs」の一件にて消滅したが…。
◇その他
ソラとヴェントゥスの心から生まれたノーバディ。彼らと資格を共有していた。
XIII機関が造り出した人造の使い手。ロクサスの力をコピーしていた。
「coded」にて過去の記録調査の為に生み出された電脳世界のソラ。
元々はデータで構成された偽物だったが、後に本物の鍵を取得。
「3D」で時を超え現れた、少年時代のゼアノート。
未来の自分にキーブレート使いの資格を一時的に貸し与えられ、リク達の前に立ちふさがる。
※またこの他にも、まだ見ぬキーブレード使い達が世界の何処かに隠れ住んでいる事が公式で示唆されている。
過去の使い手
今ではおとぎ話となった大昔の時代に存在した、数多のキーブレード使い達。
一人のマスターが多数のキーブレード使いを率いる「ユニオン」と呼ばれる体制を取っていた。後に「キーブレード戦争」へ発展する熾烈な潰し合いを始め、その果てに世界を崩壊させたと言われている。
- マスター・オブ・マスター
下記6人の師たる人物で「予知書」なる物を生み出した底知れない予言者。
- マスター・イラ
「予知者」の一人にして、5大ユニオン「ウニコルニス」のマスター。
- マスター・アセッド
「予知者」の一人にして、5大ユニオン「ウルスス」のマスター。
- マスター・アヴァ
「予知者」の一人にして、5大ユニオン「ウルペウス」のマスター。
- マスター・インヴィ
「予知者」の一人にして、5大ユニオン「アングイス」のマスター。
- マスター・グウラ
「予知者」の一人にして、5大ユニオン「レオパルドス」のマスター。
他の5人とは異なる使命を帯び、影で単独行動しているキーブレード使い。
- 「χ」主人公
謎の使い魔「チリシィ」に導かれ、5大ユニオンのいずれかに加入するキーブレード使い。
- エフェメラ、スクルド
主人公と交友を持つ、別のユニオンのキーブレード使い。
別のユニオンのキーブレード使い。誰かと誰かに似た雰囲気を持つが…。
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