「こいつ等は所詮遊びの相手。既に悲鳴と絶望は十分ヨ~」
CV:梅津秀行
概要
蛇の様な幻獣バジリスクを手本とし、重力を支配して重さと軽さを自在に操る幻獣バジリスク拳の使い手にして四幻将の1体。胸部にバジリスクと思しき幻獣の顔が付いており、その巨体の全身を亀の甲羅の様な鎧で覆った、大昔の中国の武将の様な姿を持つ。重厚で厳つい外見に反し、語尾に「~ヨ」という間の抜けた語尾を付けて喋り、口の軽いお喋りな性格をしている。
一見すると鈍重なパワーファイターに見えるが、上述の通り重力操作を本質とするバジリスク拳のゲンギによって、その外見とは裏腹に俊敏な動きを可能にするトリッキーな技巧派である。また、自らを「不死身」と称しており、その自称に違わぬ頑強な肉体も兼ね備えている。
劇中で使用した主なゲンギは以下の通り。
- 大重鈍化(だいじゅうどんか)
重さを自由に操り、相手を凄まじい重さで圧し潰す。
- 小軽鋭化(しょうけいえいか)
重さを自由に操り、相手を吹き飛ぶような軽さに変え、相手を軽い打撃で遠くの彼方まで吹き飛ばす。
- 反重力鎧(はんじゅうりょくがい)
両手で相手の攻撃を受け止め、幻気によって軌道を逆転させて跳ね返すカウンター技。
- 蔵備頓(ぐらびとん)
両手に溜め込んだ幻気で重力場を作り出し、頭上から投網のように落として重力で敵を圧し潰す。
尚、本編ではロンと常に行動を共にしている所が目立ち、一見すると彼の相方の様な立ち位置だが、上記の口の軽さ故に大事な秘密も度々うっかりバラしてしまい、その都度ロンから叱責されている。劇中ではそれを誤魔化している内に、「ゲホゲホ」という妙な咳払いが癖になってしまうと言うコミカルな面も目立つ。
だが、これが彼とロンの間に秘められた重大な秘密の鍵となっており…………
劇中での活躍
本編終盤、臨獣殿での決戦にて、ロンをレッドと理央の2人が相手取る中、残りのゲキレンジャー4人と交戦。
肉弾戦は元より、バイオレットの輪輪拳とチョッパーの超捻捻弾を「反重力鎧」で容易く跳ね返すと言う圧倒的強さを見せつける。
次いで重力による押し潰し「蔵備頓」で4人を痛めつけ、更に追い打ちを加えようとした所へゲンギを捨て、元の臨獣カメレオン拳に戻ったメレが参戦。彼女の無効消波によって気の流れを止められゲンギを封じられてしまう。
そしてそのままバイオレットの昇昇拳、チョッパーの千千斬、イエローとブルースーパーダブル撃を立て続けに受け、止めのメレの可憐突破を受け敗北。
ロンもレッドのスーパー激激砲と理央の剛勇吼波を喰らって巨大化するも、サイダイゲキリントージャの必殺技を受け爆散。
ジャンと理央、それ以前にシャーフーとマク……獣拳に関わる者達の運命を狂わせ、その人生を弄んで来た悪魔は滅んだかに見えたが………
この先、最終決戦へのネタバレ
戦いが終わった後、誰もいない真夜中に復活するも、直後に突如苦しみ出してそのまま嘔吐。
口から吐き出した黄金の吐瀉物からロンが復活してしまった。
サンヨの正体は、実はロンの真の姿である無間龍の不死の力その物。彼が不死身を自称していたのも、何も異様なまでの打たれ強さの比喩ではなく、本当に倒しても直ぐに復活する自身の不死の性質に依る物であった。劇中、口の軽いお喋りな所を度々ロンに叱責されていたのも、彼の本性と計画が利用している理央達は元より、ゲキレンジャー側に漏れない為の物とすれば合点が行く。
斯くして後日、拳断の儀に姿を現すと、サンヨは上記の不死の秘密をロンと共にゲキレンジャー達の前で明かし、そのままロンに食われる形で吸収され、彼の無間龍としての力を開放するのであった。
余談
モチーフはバジリスクで、幻獣拳共通の十二支モチーフは巳(へび)。同時に四神の1体である玄武も含まれている様だ。
名前の元ネタになった「サンヨ(酸與)」は酸与とも書き、古代中国の地理誌である『山海経』に登場する有翼の蛇の幻獣である。原典の記述では……
「鳥がいる、その状(すがた)は蛇の如くで四つの翼、六つの目、三つの足、名は酸與。鳴くときはわが名よぶ。これが現れるとその邑(くに)に恐慌おこる。」
……とあり、ここから人々に大変恐れられた存在である事が分かる。
一方、バジリスクは西洋に伝わる蛇と鳥の混合した姿を持つ幻獣で、有翼の蛇と言う点では酸與と共通しており、中世になるとその伝承はコカトリスと合流、同一視される様になった。
尚、ロンの正体である無間龍は世界中で竜やドラゴンと言った伝承で語り継がれている存在だが、その中にはサンヨに良く似たタラスクなる亀型のドラゴンも存在している。彼もまたその伝承に関わっているのだろうか?
声を演じた梅津氏は『魔法戦隊マジレンジャー』にて冥府神スレイプニルの声を当てて以来のスーパー戦隊シリーズ出演となった。
関連タグ
バジリスクマイナソー:12年後に登場するバジリスク繋がりの戦隊怪人。
サゴーゾコンボ:後年登場する仮面ライダーオーズの形態の1つで、こちらも同じく重力を操作する。