概要
「リリカルなのは」シリーズ(これ以降は特記を除き『本家』と略す)の第4期にあたる「魔法少女リリカルなのはViVid」から1年後を描いた作品で、2016年秋アニメとしてTOKYOMX、とちぎテレビ、群馬テレビ、AT-XおよびBS11、ついでに毎日放送で放送された。
また、本編終了直後の2016年12月24日深夜には番組上の最終回として、中の人3人のプロモーションを兼ねた総集編「ViVid Xmas」が放送された。
制作は「なのはViVid」でのA-1Picturesではなく、「StrikerS」までのセブンアークスが担当している。
公式略称は「ヴィヴィスト」もしくは「ビビスト」(表記ゆれ)。
また、タイトルの単語の頭文字二つを合わせると、対決(VERSUS)を意味する略語・「VS」になる。
放送日時はAT-Xと毎日放送以外は土曜0:30-1:00に統一される。毎日放送は同じ土曜でも約2時間遅れだが、そのキー局の気まぐれ(特番編成とか)で放送時間が遅くなったことがある。
また、AT-Xの(初回)放送は水曜0:30-1:00での放送となった。
本編は全12話だが、これ以外にも、DVD(・ブルーレイ)ソフトの映像特典と言う形で発表される追加ストーリーが3話存在する(ミッドチルダを扱った作品の中で「映像特典での新作エピソード」が制作されるのは初めてである)。
2巻に収録されるものは、総合魔法戦競技の選手故に、格闘競技主体の今作では出番が限られてしまったリオとコロナをメインとしたもの、3巻に収録されるものは、本編で収めきれなかった、リンネとヴィクトーリア・ダールグリュン、ノーヴェとジルの接点を掘り下げたものとなっている。
そして4巻(最終刊)収録分に関しては、原作者の都築が学研プラスの男性(向けアニメおよびソーシャルゲーム)誌「メガミマガジン」のインタビューにおいて、「迷わず見ろよ、見ればわかるさ(要約)」と語っている。
「なのはシリーズ」本編との関係
内容的には「なのはViVid」本編の1年後の物語で、「なのは」シリーズ本編とはまた違うスピンオフ作品といえる物なのだが、作風は高町親子を主軸にしていた『本家』シリーズとは毛色が異なり、当社比で(『本家』シリーズより)「スポ根もの」要素をこれでもかと濃縮した少年漫画的な雰囲気の濃い作品になっている。
時には、従来シリーズとは毛色が異なる、陰惨でショッキングな展開が見られることも少なくない(現実のアスリートに起こりえる症例を容赦なく描くなど)。
また、本作の主人公フーカ・レヴェントンを中心に、「なのはViVid」本編の登場人物は幾分か登場するが、それ以前の出典キャラは従来の主人公である高町なのはを始めとする時空管理局がらみの人物が一切登場していない(ヴィヴィオとノーヴェくらい)。
この旧作のキャラが全く出ない事実も相まって、同じくシリーズから逸脱した殺伐さが目立つ「(事実上の)連載中止作」にして「(時間軸的に扱うならば)本作の続編」ともいえる『Force』共々、ファンからの賛否両論が特に激しい作品となっている。
もっとも、裏を返せば「なのフェイの存在を知らなければ、先入観なく観られそうな作品」とも言えなくは無いのだが。
ただし、現状では「本作を公式に『なのはシリーズの1作品』として扱うかは不明瞭な状況」であり、『本家』の劇場版作品である「Reflection」の予告CM及び映像ソフトのオーディオコメンタリーでは本作の登場人物が登場した一方で、本作の公式サイトでは『なのはシリーズ』本編に関する情報が一切記載されていなかったり(サイト自体に『なのはシリーズ』のポータルサイトとの相互リンクが存在せず、ポータルサイト側にも本作の公式サイトへのリンクが存在しない)、「INNOCENT」でも本作の関する要素は一切登場しなかった(比較的ぞんざいに扱われている『Force』ですら、デバイスだけは登場している)りと、公式の扱い方ゆえにファン達も「どのように扱うべきか」複雑な感情を抱いてる状況である。
とはいえ、今までのシリーズでも「鬱展開」だの「放置された疑問には何の補足説明も無いセオリー」なんかはそれなりに存在していたため、物語全体の流れや結末などを見て「従来シリーズとなんら変わらない方向性」と思う視聴者も多い。
なお、本作放送から約2年半後の2019年5月に元号が令和に改元されたが、TVシリーズおよび『ミッドチルダを舞台にした映像作品』としては本作が平成における最後の作品である(作品名に明確に『なのは』が含まれたTVシリーズ作品としては「魔法少女リリカルなのはVivid」が、シリーズ全体および劇場版に限定すれば「魔法少女リリカルなのはDetonation」が、それぞれ平成最後の作品となる)。
登場人物
本作初登場キャラクター
- フーカ・レヴェントン(CV:水瀬いのり)
孤児院で育った独り身の少女で、強い広島弁が特徴的。アルバイト先で居候生活を送っている。
根は真面目な性格だが、リンネとの別離後は心が荒み、周辺のワル共との諍いを繰り返すチンピラに成り下がっていた。しかし……
- リンネ・ベルリネッタ(CV:小倉唯)
フ-カの孤児院時代の仲間。フーカとは姉妹同然に過ごしていたが、ある日突然養子に貰われ彼女と分かれる事になった。
再開時には新進気鋭の格闘選手として名を上げていたが、相手を心身共に叩き潰す苛烈な性格へと変わってしまっていた。
- ユミナ・アンクレイヴ(CV:上坂すみれ)
ナカジマジムのバイトリーダーで、選手部門のマネージャーを務めている
スポーツドクターを目指しているとされ、ジムにて選手のケアについて修行をしている。
実は「なのはViVid」の原作には既に登場してはいるのだが、アニメでは本作が初登場となる。中の人は特番の司会を努めた。その後「Reflection」のオーディオコメンタリーにおいても司会を務め、特番同様、フーカ、リンネとのトリオで進行した。
リンネが在籍しているフロンティアジムのトレーナー。リンネにそれこそつきっきりで指導している。かつては格闘競技の選手であった。
格闘競技のあり方を巡って、ノーヴェ・ナカジマとはかなり考え方が異なっており、その点でノーヴェは彼女のことを苦手としてはいるが、その点を除けば2人は結構仲良し。
フーカ達が観戦した試合のリンネのセミファイナルの対戦相手で世界ランキング8位の実力者。
守攻走のバランスのとれた良選手であるがリンネには手も足も出ず一蹴された上に
名前も覚えていてもらえず(8位の人としか呼んでもらえなかった)涙ながらの退場となる。
ほぼゲストキャラながら妙に気合の入ったキラキラなセットアップシーンに
エンドカードへの出演と中々の好待遇持ち。
最終回にも登場している。
Vividからの続投キャラクター
- 高町ヴィヴィオ(CV:水橋かおり)
- アインハルト・ストラトス(CV:能登麻美子)
- リオ・ウェズリー(CV:喜多村英梨)
- コロナ・ティミル(CV:福圓美里)
- ノーヴェ・ナカジマ(CV:斎藤千和)
- ミウラ・リナルディ(CV:伊藤かな恵)
- ミカヤ・シェベル(CV:浅川悠)
- イクスヴェリア(CV:川澄綾子)
- シスターセイン(CV:水橋かおり)
- シャンテ・アピニオン(CV:阿澄佳奈)
- ヴィクトーリア・ダールグリュン(CV:遠藤綾)
- ファビア・クロゼルグ(CV:瀬戸麻沙美)
- ハリー・トライベッカ(CV:内山夕実)
- エルス・タスミン(CV:新井里美)
- ジークリンデ・エレミア(CV:中津真莉)
- ルーテシア・アルピーノ(CV:桑谷夏子)
スタッフ
原作 | 都築真紀 |
---|---|
監督 | 西村純二 |
キャラクター原案 | 藤真拓哉 |
キャラクターデザイン | いとうまりこ |
デバイスデザイン | 大塚あきら |
音楽 | 吉川洋一郎 |
制作 | セブン・アークス・ピクチャーズ |