首都
しゅと
概要
首都と最大の都市が一致しない国も、首都で国際会議を行わない国も多く存在する。
(例a:アメリカ合衆国…首都はワシントンD.C.、最大の都市はニューヨーク)
南アフリカは司法の首都がブルームフォンテーン、立法の首都がケープタウン、行政の首都がプレトリアというように棲み分けされている。
首都を別の都市に移すこともある。これを遷都という。
いろんな首都
※詳細は「首都の一覧」の記事を参照のこと。
ウランバートル:モンゴルの首都。「世界でいちばん気温が下がる首都」と言われる。
バンコク:タイの首都。正式名称が世界の首都のうちでいちばん長い。
キャンベラ:オーストラリアの首都。シドニーとメルボルンの権力争いを防ぐために、両都市の中間に造られた。円がふたつ並んだ形をしている。
ティンプー:ブータンの首都、ただし夏場だけ。冬場はプナカという都市が首都になる。つまり王様が両都市の間を季節ごとに行き来しているのである。
エルサレム:イスラエルの首都。三つの宗教(キリスト教、ユダヤ教、イスラム教)の聖地となっているめんどくさい街。
ローマ:イタリアの首都。たぶん世界で最も長期にわたり首都として機能している都市の一つ。
レイキャビク:アイスランドの首都。首都のうちで世界でもっとも北にある。
ジューバ:南スーダンの首都。2011年9月現在で最も新しく首都になった都市。
ベルモパン:ベリーズの首都。首都らしい都市設備が何も無くてがらがらの街。
ラパス:ボリビアの首都。司法・立法・行政がすべて揃っている街であるが、じつは法的には首都ではない(スクレという都市が憲法上の首都に定められている)。
ブラジリア:ブラジルの首都。20世紀になってから新設された都市で、市街地は飛行機をモチーフにしたデザイン。現代都市としては珍しく世界遺産にもなっている。
ブラザヴィル/キンシャサ:コンゴ共和国及びコンゴ民主共和国の首都。コンゴ川を挟んで隣接しており、別々の国の首都同士が双子都市を形成している唯一の例。
では、日本の首都は?
まず100人に聞けば99人まで「東京!」と答えるだろう。
…ただし、実はこれがなかなか面倒くさい。
どこまでをもって首都たる東京とするのか(東京都? 東京23区? 都心部? 皇居や首相官邸、国会議事堂のある千代田区? 都庁のある新宿区?)、そもそも東京は首都なのかどうかですら、現在の日本の法制度上では確固たる証拠がない。(あえていえば昭和31年に制定された「首都圏整備法」が該当する。同法は東京が日本の首都であることを前提に構成されている)
「みやこ」は「宮処」の意味であり、首都の定義は、天皇のおられる場所である。
ではやはり皇居のある東京ではないか。いや、京都にも御所がある……?(天皇が常時お住まいになるわけではないので分かり難いが、京都御所は故宮(引退したかつての宮殿)ではなく、東京のそれと同じく現役の皇居である)
明治天皇が東京を都と奠められ、京都(平安京)から東京(江戸を改名)への首都機能の移転が明治維新時に行われたが、それまで1000年以上に及び首都の座にあった京都側の反発を考慮し、「(明治)天皇が東京に行幸してそのままそこで政務をとられるので省庁もそちらに置く」という形をとったもので、現在でも京都の一部では「陛下はちょろっと東京に遊びに行っておられるだけである」と半ば冗談半ばマジに言われていたりする。
それもそのはず、東京奠都であって、東京遷都ではなかったことが、それまでとは大きく異なり、国家の一大行事である天皇即位の御大典は、東京奠都後も京都御所のある京都で行われているのである。
しかし、当時の天皇であった平成時代の明仁陛下の即位大礼は平安京に遷都以降初めて東京で行われたことから、令和となった今では名実共に東京が日本の首都と言ってよい。ただし、明仁陛下の即位大礼の際も京都での開催が検討されていた。即位の際に使用される高御座の常設場所は現在でも京都御所である(平成の即位に際しては自衛隊により東京へ空輸されている)。