概要
平成の末期に日本のマスコミ主導で拡散され、世間でもてはやされた造語・概念。対義語は男子力。
日本において「女子ならでは」と認識されるケースの多い言動やセンス、ファッション、リアクション、仕草、趣味、嗜好etcといった「女子としての総合スキル」を指す。
女子を「好き」とかけて、「何かを好きになる力」と解釈する人もいる。スキトキメキトキス。
単純に言うと「女子は女子らしい(※その文化圏において)ほうが好ましいよね!」という、昭和の漫画やアニメの世界観のような概念で、多様性を重んじる令和となっては時代錯誤な概念のひとつ。世界的に見てもダイバーシティの真逆を行く考え方であり、無意識にまだこの用語や考え方を用いている人は、状況と相手により細心の注意が必要である。特に欧米の先進国では批判の対象となる概念なので用いないほうが良い。
では「女子らしさ」とは何だったのか?
- 料理(※高級レストランに出るような料理ではなく、毎日食べるような家庭的な料理)が上手い
- 美味しくてオシャレなお店(※人気で便利なお店のこと)なんかをよく知っている
- すっぴんのような自然な化粧(ナチュラルメイク)が巧い
- さりげない洋服のコーデや小物使いなどがセンス良い
- 気取らない性格、飾らない笑顔が魅力的
- 何気ない仕草やリアクションが可愛い
- 気配りが行き届いておりコミュニケーション能力が高い
- 総じて印象がかわいい、KAWAII、好印象
- 理想のお嫁さん候補1位
…などなど、傍から見て「女の子!」「ゆるふわ!」「萌え!」「あーおにゃのこっていいよね!」「魅力的!」「結婚!」と思わず言いたくなるような方向のスキルに秀でているほど、女子力が高いと評される。
…でもこれ、女子に限った話じゃなくね?
要するに女子力=生活力なのだよ!
日本のマスコミが捻り出した概念なので、明確な定義もゆるふわで曖昧だが、職場や学校における、
- TPOを素早く察知し、場の空気・エチケット・マナーに気を配る
- 人の顔色(表情)、人の感情(好き・嫌い)、人の心理状況を見分ける
- そのうえで人の反感を買う言動を無理なく回避する
- 逆に人の好感を買う装いや言動をさりげなく取り入れる
- 女の勘で嘘や不自然や不和をいちはやく見抜き対応
- 理想主義と現実主義をケースバイケースで使い分ける
といったモテ・愛されと直結しがちなスキルを総じて「女子力」と称する。
日常生活・衣食住と密接に関係しており、概ね「生活力を身に着けたうえで、空気を読んで社会に適応して生きろ」という内容になるので、女子に限定した話ではない。等しく男子にも重要なスキルである。加えて「家庭的な料理が上手い」「すっぴんではなくあくまでもナチュラルメイク」「いつも自然なメイクで自然な笑顔で可愛くしててね」という、実態には一定層の視点から要求される、こうあって欲しい日本の女性像の押し付けが潜んでいることには、女子力関係なく女子も男子も気づいておかなければならない。スイーツ(笑)という観点も古い。古すぎる。
時代は令和である。
逆に「女子らしい」とどうなの?
「女子力が高い」とされる女子も、それがゆえに逆にやっかまれたり、嫌われたり反感を買ったりぶりっ子と中傷されたり、結局は個人の好みの問題で「あの子のセンスぜんぜん良くない」と言われたりする。女子力高い同士でマウンティングに発展し喧嘩になることもある。
結局は何やっても批判されたり称賛されたりで、まあ結局は環境と相手次第という話になるのだが、好みの問題は置いといて、「女子力が高い女子は良い」だけでなく「女子力が高い男子もいい」だっていいし「女子力など物理的に破壊した女子」とかも、それが本人の選択した生き方ならステキである。女子力の高低差は認識しても、相手の個性は尊重し合うよう努力はしていきたい。それがダイバーシティである。
※女子力が低い女子と評される一例
最近は女子力がナチュラルに高い男が賞賛されたり感嘆されたり、スキルの低い女を絶望の淵に叩き込んだりすることが多い。
※女子力が高い男子と評される一例
俗にオネエと呼ばれる男性の皆さんは概ね女子力が高い。