「パッと咲いてれら~♪パッと咲いてれら~♪」
演/CV:日向明子
概要
妖怪軍団に与する妖怪の1体。ヒキガエルの様な顔が特徴で、その唇一杯に真っ赤なルージュが塗られたボディコンのおばさんと言うべき姿をしている。因みに人間態もこれまた厚化粧のおばさん。
原典の「砂掛け婆」が木の上から人に向かって砂を掛けるだけの悪戯妖怪だったのに対し、現代は撒き散らした砂で食べ物を砂に変える能力を獲得している。劇中ではこの砂を壷から放射する「妖術砂地獄」なる妖術を使って人間社会の食べ物と言う食べ物を全て砂に変えて人間達を餓死させる、「不毛の砂地獄の果てに皆飢えちゃう大作戦」と言う恐るべき作戦を目論んだ。
尚、妖術の要となる壷自体もかなりの高級品であるらしく、加えて相手の攻撃を吸い込み、逆に跳ね返す事も可能。そして魔力の源もその胸である。
当人は結婚歴の多い妖怪で「妖怪小町」を自称する程の自信家で、過去にもアズキアライやヌリカベ、コナキジジイ、ケウケゲンの4体と結婚しており、作戦が成功した暁には何と恐れ多くも妖怪大魔王との結婚を考えていた始末。これには当人も「図々しいババア」と吐き捨てる程であった。
活躍
上記の作戦の為、人間態になってヘリコプターで上空から歌いながら砂を撒き散らし、街中の食べ物を砂へと変えて行く。食べ物や飲み物が次々と砂に代わって街中がパニックに陥る中、飛んで来たネコマルから噛み付き攻撃を受けてヘリコプターが墜落した為、正体を現してカクレンジャーと対峙。カクレンジャーボールによる攻撃を壷で吸い込み、逆にスナカケボールのスナカケシュートで反撃して5人を変身解除に追い遣る。
そして「不毛の砂地獄の果てにみんな飢えちゃう大作戦」を展開し、成功した暁には大魔王と結婚するとまで言い切る始末。
「これまで何度結婚を夢見た事か……。ヌリカベ、ケウケゲン、アズキアライ、コナキジジイ…皆お前たちにやられちゃって、どれだけ悔しい思いをしてきた事か……。でもね、焦って結婚しなくて良かったのよ。だって、大魔王様が現れたんですもの!」
自信家である事を鶴姫から指摘されると、本人は否定するどころか、得意気にこう返す。
「そりゃあ、妖怪小町と言われた私ですもの!大魔王様と私、愛の花がパッと咲いてれら~♪」
そう言って退散したスナカケババアは、人々が飢えに苦しむ様子を大魔王にモニターで見せ、自分をアピールするのだった。
その後、再度カクレンジャーと交戦した際には自身の妖術砂地獄で追い詰める程の善戦振りを見せ付けるが、其処へサイゾウ扮する大魔王の人間体が現れた為、何も知らずに人間態となってデートする事になり、相手からプロポーズされた際に自身の魔力の源が胸に有る事をバラしてしまう。
「このボインでございますよ。このボインに詰まった魔の砂が、世界を滅ぼすのでございます!ア~ッハッハッハッハッハッハ!」
だが、その様子を彼のクレープ作りの弟子の少年である直樹に見られた為、正体がサイゾウと知るや激怒したスナカケババアは、砂でサイゾウの目を潰して彼を追い詰める。更にスーパー変化しようとするサイゾウのドロンチェンジャーを遠くへ蹴飛ばし、ピンチに陥れた。
「直樹君!捜してくれ!印籠みたいな形をしてる物だ!それさえあればこいつに勝てるんだ!直樹君!頼む、捜してくれ!こいつが食べ物を砂にしているんだ!こいつを倒せば、こいつを倒せば、世界は元に戻るんだ!また2人でクレープを作る事ができるんだよ!」
サイゾウの言葉を受けて勇気を奮い起こした直樹がドロンチェンジャーを拾い、サイゾウに手渡した為に相手はニンジャブルーに変身。彼の目の役目を引き受けた直樹を背負ったブルーと交戦した末、隠流・正方之陣で胸を潰されて敗北。
すると妖怪エネルギーの落雷を浴びてスナカケババアは巨大化し、その際に潰された旨も元に戻る。
一方、目が見える様になったブルーは隠流超忍獣之術でゴッドロウガンに乗り込み応戦。やがて、他の4体の超忍獣も駆け付けた為、隠大将軍に五神合体する。
隠大将軍と殴り合いを繰り広げ、妖術砂地獄に追い詰められるスナカケババアだったが、直樹の言葉を思い出したニンジャブルーの操るゴッドロウガンのロウガンアタックにより、壺を叩き割られてしまう。
自らの妖術の要を失い、無力化させられたたスナカケババアは、そのまま止めの鉄拳ゴッドフィニッシュを叩き込まれ、「新婚旅行の計画まで立てていたのに~!!」という台詞と共に爆散した。
余談
妖怪モチーフは砂かけ婆。
原典の砂かけ婆は奈良県や兵庫県、滋賀県と言った関西方面の妖怪で、神社の傍や一通りの少ない森の中を歩いている人間に砂を掛けるとされている。名前にこそ婆と付く為に老婆の姿をしていると思われるが、実際には誰も姿を見た事が無いと言われており、古典の絵巻等にも描かれていない為に正確な姿形は不明。そもそも姿を持たない妖怪と考えられている一方、自分の醜さを嫌って姿を人前に現さないと言う説もある。
明確にビジュアル化されたのは水木しげるの『ゲゲゲの鬼太郎』が初で、それまで無名だったぬりかべや一反木綿と共に同作で一気に名が知れ渡った妖怪の1体である。
尚、街中の食べ物を砂に変える作戦はシリーズ第6作目『大戦隊ゴーグルファイブ』においてコンドルモズーが先に実践しており、彼の起こすコンドル砂竜巻や砂嵐で人間に特殊な砂を浴びせる事により、砂から生じる特殊電波でその人間が触れた食べ物は砂と化してしまい、本人が口にする事を出来なくさせると言う物であった。
人間態と声を演じた日向女史は昨年の『有言実行三姉妹シュシュトリアン』にて山吹恵役で出演していたが今作以降、特撮に縁が無いまま2011年3月5日に亡くなった為、これが最後の特撮出演となってしまった。
関連タグ
スナススリ:『侍戦隊シンケンジャー』に登場する怪人で、こちらは直接人間を飢えさせる砂を掛ける。
ザキュラ、バケツシャドー、メシウバインダベー:人間を飢餓地獄に陥れて苦しめた戦隊怪人の後輩。
求婚のローラ:いかつい外見や結婚にがめつい性格が似ている。