概要
太宰治や中島敦といった実在した日本の文豪達が、各々が執筆した作品名を冠する特殊能力を駆使する能力バトルもの漫画。通称「文スト」。
作中内の時代設定は現代だが、明治~昭和中期(近代)に活躍した文豪の方々が多く登場する為なのか、仮名遣いや漢字などは旧型表記が多く使われているのが特徴。
本作が生まれたきっかけは朝霧曰く、「文豪がイケメン化して能力バトルしたら絵になるんじゃないか、と編集と盛り上がったから」。また横浜が舞台の理由は、作画の春河の出身が横浜であるためで「もし関西出身の人が(作画を)担当していたら全員関西弁になっていたかもしれない」とのこと。
度々現代のミステリー作家がキャライラスト化されており、現在綾辻行人と京極夏彦と辻村深月、ダン・ブラウンがビジュアル化している。
上記のキャラクター達は本編には登場していないが、2015年10月7日に配信開始されるキャラクター小説マガジン「小説屋sari-sari」10月号からダン・ブラウンを除く三人を主人公にした外伝小説が連載された。2016年1月30日に単行本が出版されている。
他にも登場キャラ達の『過去編、番外編』として角川ビーンズ文庫から小説(既刊6巻)が刊行されている。
また、無料オンラインマガジン「ヤングエースUP」にて「文豪ストレイドッグス わん!」が連載中である。既刊6巻。
ストーリー
舞台は横浜。孤児院を追い出されて餓死寸前の中島敦は、入水自殺をしようと鶴見川を流れていた太宰治を成り行きで助けるはめになった。そこに現れた彼の相方・国木田独歩の話によると、二人は軍や警察では解決できない危険な依頼を専門にする特殊能力集団「武装探偵社」の社員で、町の田畑を荒らす虎捜しの真っ最中だという。
紆余曲折を経て仲間になった敦は、彼らと共に数々の凶悪事件に立ち向かっていく。
用語解説
異能力(もしくは異能)
常識では起こりえない現象を起こす特殊な力。単純に『能力』とも称され、異能力を宿す人間は『異能力者』と呼ばれる。
異能力の効果は己の体の一部を変化させるものを始め、攻撃特化系から完全なる非戦闘系と幅広い。ただし治癒能力は存在自体が珍しく保有する者も少数。
異能力者によって召喚される、独立した意思を持つ異能生命体も存在する。異能生命体は親から子への継承も可能で、例え他者の異能力や事故等で死亡しても、数日で復活する模様。大半は召喚者の言う事を聞くが、継承者が予め制限を与えて継承した場合や、継承中に事故等が起こるなどした場合、被継承者は異能生命体を自在に操る事が出来ない。
又、最も忌み嫌われるのは精神操作の異能力。
異能力が開花するタイミングは人によってまちまちで、人によっては差別される人生を送ったり、自分が異能力を宿していることを知らない場合もある。よって力で成功する人間もいる一方で、異能力を制御できず自滅してしまう者もいる。
また、似たような異能力(未来予知など)や矛盾する異能力(「人を欺く」異能力と「真実を見抜く」異能力など)を持つ者が邂逅し、それぞれが異能力を発動させると、両者の異能力が全く別方向へと暴走する特異点なるものが存在するが、事例が少なく、日本政府の研究対象となっている。
異能開業許可証
日本政府の内務省異能特務課長官種田が発行する許可証。能力者が複数人集まって異能を扱う仕事を合法的に行う場合に必要となる。
ただし政府内では課は存在しないものとして扱われているため、学知金権等で許可証を無理矢理手に入れるのは基本的に不可能。
とある事件は森鴎外が許可証を手に入れるために画策した事件であり、北米の超巨大異能組織もトップ自らが、所持者の福沢に直談判して許可証を譲るように迫ったことがある。
軍や警察に頼れない危険な依頼解決を専門にする探偵社。社員の多くが異能力を有する『異能力者』であるため『異能力集団』とも呼ばれている。
曰く「昼の世界と夜の世界、その間を取り仕切る薄暮の武装集団」。トップは福沢諭吉。
港湾都市横浜の港を縄張りにする凶悪マフィア。町の暗部そのものであり、傘下の団体は数十を超え、街の政治・経済のほとんどに関係すると言われている。
組織内には凶暴な実働部隊『黒蜥蜴』も在籍する。トップは森鴎外。
北米を拠点にする異能力者集団。
膨大な資金力と異能力で策謀企む秘密結社と噂されており、「三文小説の悪玉」のような非現実さから日本では都市伝説の一つだと思われていた。
現在は死の家の鼠の策略によって、大きく弱体化している。トップはジョン・スタインベック。
前組合(ギルド)の団長だったフランシス・スコット・キー・フィッツジェラルドが、内務省の買収を目論んで立ち上げた組織。
現在は為替操作で手に入れた警備会社を拠点に、勢力拡大を目指している。
盗賊稼業を行う地下組織。
少ない兵力で大規模な窃盗や破壊活動を行うのが特徴で、幾重ものダミーを用いる為、壊滅に追い込むのは非常に難しいとされる。トップはフョードル・ドストエフスキー。
登場人物
⇒文豪ストレイドッグスの登場人物一覧を参照のこと。
アニメ化
2015年8月21日に情報解禁となり、アニメ化が発表された。アニメ制作はボンズ、監督は五十嵐卓哉が担当。
放送時期に関しては、2016年4月及び同年10月の、分割2クールのスタイルを取っている。放送局は、TOKYOMX、テレビ埼玉、チバテレビ、tvk、岐阜放送、三重テレビ、サンテレビなどの、かつての(旧)角川書店UHFアニメ常連局約9局。
また、映画版も制作されており、2018年3月に全国のシネコンの一部で公開。この映画版の「前宣伝」もかねて、同年1月からTOKYOMX、サンテレビおよびKBS京都、ついでに日テレプラス(読売新聞系のCS局の1つ)、BS11、オマケに六本木三丁目のお友達約2局で放送された。なお、TOKYOMX、サンテレビおよびBS11、オマケに六本木三丁目のお友達の片割れは再放送にあたる。
2018年7月21日、第3期の制作が決定した。この時は放送時期は決まっていなかったが、2019年の新年早々1月1日、2019年春アニメとして放送される事が明らかにされている。ネット局はWOWOWが加わり、tvkが復帰、さらに六本木三丁目のお友達が1局にシェイプアップを果たしている。また、NTTドコモ系のアニメ配信サービス(ただしKADOKAWAも1枚かんでいる)・dアニメストアで(のみだが)配信も行われる。
余談だが、一期二期三期ともにOP歌手は本作に出演(GRANRODEO(一期、三期)=谷山紀章⇒中原中也役、SCREEN mode(二期)=林勇⇒立原道造役)しており、所属事務所も同じ。
それに加えて劇場版『DEAD APPLE』のOP主題歌もGRANRODEOが担当。
また、「文豪ストレイドッグス わん!」のアニメ化も決定したことが、2020年6月19日公式ツイッターで発表された。
舞台化
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