神谷薫
かみやかおる
プロフィール
人称・呼称・言葉遣い
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概要
『るろうに剣心』のメインヒロイン。父・越路郎が興した活人剣の流派『神谷活心流』の使い手で、『神谷道場』の師範代(最終的には師範になる)。巷では剣術小町と評判の美少女である。
一流の流派を担うだけあり、剣の腕は相当なものなのだが、剣心をはじめ周りの連中の強さがバケモノレベルなためイマイチ目立たない。但し密かに修行したのか、序盤では比留間に負けているが、中盤では巻町操と共闘して十本刀の一人・本条鎌足を倒すほどまでに実力を上げる。作者によると「剣心が強すぎるだけで薫も本当は強い。少なくとも竹刀剣術では全国レベル」とのこと。アニメ版では柔道も達人レベルの腕前だった。
有事の際は木刀・竹刀など真剣以外を得物とし、道着・袴にリボンを外した姿で戦う。
人物像
基本的に明るく活発で、正義感が強い性格。しかしその一方で短気で怒りやすくもあり、弥彦とよく喧嘩したり、ギャグ描写であるが剣心たちを殴ったり、時には竹刀を取り出したりもする(剣心の場合は殆どが理不尽な理由で、弥彦や左之助の場合は彼女の短気さを差し引いても悪ノリが過ぎているため、不当な制裁とは言い難い)。作中では斎藤が恵を「狐」・操を「イタチ」と例えることと並んで薫を「狸」と例えている。
自分の美貌に自信を持っており、「ブス」と呼ばれると激怒する(女子なら当たり前ではあるが…)。また、初期の頃は恵を筆頭に剣心に他の女子が近づくと、機嫌が途端に悪くなるなど嫉妬深い一面を見せることも多かった。
因みに本家原作版と実写映画の公開記念に連載されたキネマ版とでもっとも性格に違いがある。これは和月自身が昨今の風潮を元に書き直したためであり、お転婆な原作に比べ、キネマ版の方がややおとなしい性格である。
何かと後述の料理下手をネタにされてしまうが、女性の社会参画がまだ難しかった時代に、剣心や弟子の明神弥彦を養い、左之助の飯代まで出すしっかり者である。職業婦人の先駆けとも言える(剣心は専業主夫と言ったところであるが)。
また芯が強く、剣心の素性や過去を知っても、態度を変えず、彼が京都に向かった際には(恵の叱責もあり)、会いたいという気持ちひとつで、後を追いかけた。
剣術道場の師範代だけあって戦闘における洞察力や武器の知識にも長けており、人誅編では乙和瓢湖と弥彦が戦う際に弥彦に暗器についての忠告をし、そのからくりを見抜いている(乙和からはなかなか聡明と評価されていた)。
初期は剣心がいなくなるのではないかという不安を抱いていたが、京都編以降はそうしたところは見せなくなった。短気さも目立たなくなった代わりに気丈さが強調され、人誅編では縁に脅されても怯まず、戦いを終えた剣心を「傍で支えたい」と決意している。
また続編の北海道編では、「剣心が戦いの中で死んでも、息子の剣路を立派に育てる」という覚悟をしていることがわかる。また、父の越路郎の生存の可能性を知った際には再会を夢見て北海道へと向かう。
弱点
非常に料理下手なのが玉にきず。焦がさない限り失敗しなさそうな焼き魚でさえ『不味い』判定を頂いてしまい、寝ていた相楽左之助に味噌汁を飲ませただけで即座に目覚めさせる(しかも「誰だ!?俺に毒を盛った奴は!」と勘違いされる)ほど。
剣心は薫の料理を「食べるごとに味が増すいい料理」とフォローしていたが、連載終了から8年近く経って発売された剣心皆伝にて「苦手なもの:薫の料理」であることが判明している。弥彦だけは何も言わず黙々と食べ続けているのだが、恵が神谷道場で夕飯を作ってくれるという話に即座に乗った辺り、別においしいと思っているわけではない模様。
但し、剣心との結婚後はおにぎりを美味しく握れるまでには上達した。
作中の動向
ネタバレ注意
剣心を拾ってからというもの、薫は彼に惹かれるようになっていった。アニメでは京都編直後のオリジナルエピソードで丸々一話にわたって薫が剣心にプロポーズされたと勘違いして有頂天になる話があったくらいである。
そして剣心にとっても、彼女はかつて愛した女性と同じ、何よりも大事な存在となっていった。
それを知った武器商人・雪代縁はかつて自分から大切な人を奪った剣心に生き地獄を味わわせるため、彼女を「剣心の心の支え」と解し、薫を奪うことで剣心を絶望の淵に叩き込もうとした。結局過去のトラウマで若い女を殺せなくなっていた縁は同志・外印の協力を得て彼女に似せた死体人形を作り上げ、剣心たちを謀った。
剣心は薫を守れなかった自責の念に苛まれて廃人と化すが、本物の薫が縁のもとに捕らえられていることを知ると再び逆刃刀を取り、戦場へと赴く。
太平洋の小島にて剣心は仲間たちと共に縁を迎え撃ち、復讐の鬼と化した縁を下して薫を再び奪い返した。
剣心にとって薫は、最早何物にも代えがたい存在になっていたのだから。
そして月日は流れ、明治12年。
幕末を駆けた人斬りと、明治の世に生きる少女。
大切な人と未来のために斬れぬ刃を振るい続けた二人の剣豪は、本当の家族となるのだった。