この戦いに正義はない…。
概要
「ヴァルケン」と呼ばれる人型マシン(アサルトスーツ)を駆り、数々のミッションを達成していく横スクロール型アクションゲーム。1990年にメガドライブ用ソフトとして発売された『重装機兵レイノス』の続編にあたるが、時系列上ではレイノスよりも過去の話となっている。
海外版のタイトルは『Cybernator』で1993年にコナミより発売されているが、会話シーンに挿入されるキャラクターの顔窓や一部のイベントシーンが削除されてしまっている。
現在はバーチャルコンソールで購入可能。⇒紹介ページ
その後、本作の製作スタッフは大宮ソフト(代表作:『カルドセプト』)として独立。後にスクウェアが開発したアクションRPG『ガンハザード』の開発にも携わった。
製作スタッフがメサイヤから離脱した後もプレイステーションで続編がリリースされており、こちらは『フロントミッション』タイプのウォーシミュレーションとなっている。当初は3Dシューティングゲームとしてリリースする予定だったが、『重装機兵』シリーズの重厚なストーリーや複雑なメカニックの表現には、アクションゲームより戦略シミュレーションゲームの方が向いている、と判断された為、ジャンル変更となった。
登場人物のキャラクターデザインにはうるし原智志が起用されている。
ゲームシステム
基本的な操作方法は前作を踏襲しているが、敵の攻撃を防ぐシールドが標準装備となり、接地状態で高速移動が可能なローラーダッシュも追加された。『魂斗羅スピリッツ』のように射撃方向を固定する事も可能となっている。
戦績によって新しい武器が支給されるシステムやライフの自動回復は廃止され、武器やライフ回復用のアイテムはステージ内に設置されているボックスを破壊して入手するようになっている。
武器は初期状態を含め3段階までレベルアップ可能で、武器の強化もアイテムを一定数回収する事で行われる。
非常に優れた操作性と重厚なシナリオで今なお評価が高く、極悪難易度として知られた前作の反省からゲームバランスは間口を広げられるよう調整されている。ただし、強制スクロールシーンで地形に挟まれたり、奈落に転落するとライフの残量に関わらず一撃死となり、コンティニュー回数も3回までとなっている為、スーパーファミコンのアクションゲームとしては難易度は高い方である。
この作品はマルチエンディングとなっており、特定のステージでボスの撃破にしくじると、最終ステージクリア後にバッドエンドへ直行。その内容もヒロインが死ぬという戦争の悲壮感が漂うものとなっている。
武器
バルカン
初期装備。弾を高速で連射可能だが、威力は低め。弾がなくなるとリロードの為に一時的に隙が生まれる。弾は壁や天井に当たると跳弾し、これを活かして敵を攻撃する事も可能。レベルが上がると弾の威力が上がり、リロード時間も短縮され、跳弾回数も増える。
パンチ
初期装備。ヴァルケンの拳を相手に直接叩き込む接近戦用の武器。メーターがフルになってから打たないと十分な威力が発揮できない為、連打しても効果はない。レベルが上がると有効範囲が延び、威力もアップする。
ミサイル
ステージ2で入手可能。単発の誘導ミサイルを射出するが、方向転換時に慣性がかかる為、機動力のある敵に対してはロクに当たらない事も。また、4つの武器の中では唯一残弾制限があり、全て撃ち尽くしてしまうとそのステージ中は使用できなくなる。レベルが上がると連続発射数が増え、追尾性能も上昇する。
レーザー
ステージ5で入手可能。直線状に延びるレーザーを照射し、射線上にいる敵を貫通する。威力も高めで後半の軸となる武器。バルカンと同様に撃ち尽くすとリロードが発生する。レベルが上がるとレーザーの幅が太くなり、威力もアップ。
ナパーム
隠し武器。ステージ1の道中の敵を一切倒さず(厳密にはスコアの値で判断してる為アイテムボックスを壊したりアイテムを拾ったりする(どちらもスコアが加算される)のもNGである)ボス(エンジンのみ)のみを撃破すると入手できる。この状態ではレベルアップこそないものの、耐久力の高い敵を瞬時に破壊し得る程の威力を秘めたチート武器。コンティニューすると失われてしまうが、ステージ2も同様のボスのみ撃破でクリア(実質的にミサイルとの二択)すると以降はコンティニューしても失われなくなる上にレベルアップが解禁され、高威力・広範囲の火炎放射攻撃を行える様になる。
登場人物
【環太平洋合衆国】
本ゲームの主人公であり、カナダ出身の25歳。階級は中尉で、環太平洋合衆国海兵隊第68アサルトスーツ小隊隊長として強襲揚陸艦バーシスに乗り込んでいる。正義感が強く仲間思いだが、兵士としては少々甘い面もある。『重装機兵ヴァルケン2』にも引き続き登場する。
クレア・コーラル
バーシスのオペレーターを勤める曹長。ジェイクとは相思相愛の仲だが、ゲームの進め方次第で彼女の生死が決まる。
ハーマン・シンガー
ジェイクと同期のパイロットで、訓練学校時代からの親友でもある。階級もジェイクと同じく中尉だが、皮肉屋で無鉄砲な性格が災いし、小隊長にはジェイクが選ばれることになる。地球降下後にアルフの乗るシュメルツとの交戦の後、戦死。
カーツ・モートン
ジェイクの部下で、階級は少尉。物静かな性格であり、まじめで几帳面な性格。敵の撃破よりも生還を第一に考えて戦うタイプで、「敵を撃墜したのを囃し立ているようだ」という理由からキルマークを機体に描き込むのを好まない。
チャック・ジョンストン
ジェイクらが乗るバーシスの艦長。階級は大佐。実戦部隊から叩きあげられてきた歴戦の兵士で粗野な外見に似合わず温情家でもあり、大気圏突入に失敗した敵のパイロットを救助するよう進言したのも彼である。同じバーシスの艦長でも『重装機兵レイノス』でゾウザリーを見殺しにした名無しの艦長とは大違い。
【欧州アジア連邦】
アルフ・ベルダーク
欧州アジア連邦側のエースパイロットで、自分を厳しく律する一方で部下には優しく接する。シュメルツ、ゾアフレムと度々乗機を変えてジェイクの前に立ちふさがるも敗北を重ね、自身のプライドは大きく傷つけられてしまう。追い詰められ、狂気にとりつかれた彼は連邦の切り札とも言える超大型ASビルドヴォーグを起動させるが、最期までジェイクに勝つことは叶わなかった。
リック・ブリーザス
アルフの部下で、実戦部隊に配属されて間もない新兵。アーク・ノヴァ陥落後にアルフらと共にジェイクを追い詰める。その後誤って大気圏に突入してしまうが、バーシスによって救助される。環太平洋合衆国の一大作戦「オペレーション ソルジャーソウル」では試作機のヴォルカーノに搭乗し、アルフを追撃するジェイクの前に立ち塞がるも彼によって倒された。
テゲトフ・カガノヴィッチ
アーク・ノヴァ陥落後にアルフの隊の一人として登場した雑兵。地球降下後はアルフと別行動を取り、アルプス山脈で雪上戦仕様のASスノークスを駆るが、ジェイクのヴァルケンに敗れ戦死。
ゲルツ将軍
小惑星を利用した欧州アジア連邦の軌道要塞「アーク・ノバ」の司令官。地球に甚大な被害をもたらすことを知りながら、要塞を地上へと落下させる事に何の躊躇いも見せない非情な男で、乗機のグランビアを駆ってアーク・ノバの落下の阻止を試みるジェイクを妨害する。
シェルマーク大統領
欧州アジア連邦の最高権力者。「オペレーション ソルジャーソウル」の最中に議事堂内の自室で拳銃自殺する。海外版の『Cybernator』ではこのシーンが削除されている。
関連動画
作品紹介
プレイ編
関連タグ
メサイヤ(ゲームブランド) スーパーファミコン バーチャルコンソール アクションゲーム ロボゲー レトロゲーム
重装機兵レイノス(前作)
悪名高いプレイステーション2版
2004年度クソゲー・オブ・ザ・イヤー次点
このゲームには92年のオリジナル版とその忠実な移植であるバーチャルコンソール版以外に2004年度に発売されたPS2版が存在するのだが、これが非常に質の悪い改悪移植であり、ゲームショップ等では買取拒否という事態まで起こったとか。
内容についての解説は下記のサイトを参照して欲しいが、幻の0面と称した単なる捏造プロローグ面や、操作性やBGMがオリジナル版に比べて悪かったり、開発が韓国のゲームメーカーの外注など、不満だらけな面が多い。
この失態により、発売元のクロスノーツの評判は地に堕ちることになり、一部のファンの間ではオリジナル版と区別する為に(揶揄の意味合いも込めて)PS2版ヴァルケンを「ヴァルケソ」あるいは「ヴァルクソ」と呼んでいる。
この出来事でオリジナルであるSFC版を改めて中古市場で求めるケースもあったり、ファンの手によるオリジナル版を尊重したリメイク活動があった(現在製作停滞中)。先述のVC版はこういった騒動があった事で配信されたものともみられる。
その他
- バーチャルコンソール版の権利クレジットは「©KONAM(現:コナミデジタルエンタテインメント)/NCS corp」となっている。なお、当初はハドソンだったがコナミに吸収合併された際に移ったと推測される。何故ハドソンが持っていたのかは不明。少なくともPS2版にはハドソンの名は無い為、オリジナル版の権利を取得した可能性も考えられる。現在ではメサイヤ作品は全てエクストリームが持っている模様ら、
- 2017年9月7日に発売された旋光の輪舞2にて、セガのバーチャロンと共に第二弾DLCとして同年11月20日に配信された。⇒公式サイト内キャラ紹介