概要
『機動戦士ガンダムΖΖ』に登場。型式番号MS-14J。
ネオ・ジオンが一年戦争時のモビルスーツ「ゲルググ」を近代化改修した機体。
リゲルグの名は「リファインド・ゲルググ」の略称であり、後の火星独立ジオン軍のRFゲルググと同じ意味合いを持つ。
アクシズに持ち込まれたゲルググは当初居住空間拡張用の作業機械として運用されていたが、作業用に特化したガザA、Bの登場によって一線を退く事になった。
しかし、アクシズが地球圏への帰還を本格的に開始した段階で人的・物的資源に限度のあるアクシズ内ではザクやゲルググなどの旧型機が再び実戦に持ちだされる事になる。
リゲルグは、そんなゲルググを大幅に改修した機体であり、 従来機をベースに最新の技術を投入し、当時の一線級のレベルまで性能を引き上げられた機体である。
主に新兵用の訓練機として用いられたが、一部の機体は前線にも進出し、指揮官機として活躍している。
また、一部には従来機以外にもゲルググJをベースにした機体も存在する。
最も目を引く特徴は、従来機から二倍以上に延長された巨大なショルダーアーマー「ウイングバインダー」である。
同じアクシズ製のキュベレイのフレキシブルバインダーを参考に設計されており、内部には3基ずつのバーニアを内蔵、プロペラントタンクも増設する事によって強力な推進力を発揮し、一撃離脱等の高速戦闘を可能とした。
装甲を超硬スチール合金からガンダリウム合金(チタニウム・コンポジットという説がある)に変更し、コクピットモジュールには当時普及していた全天周囲モニター・リニアシート方式が採用された球形のイジェクション・ポッドを採用。インターフェイスも第2世代MSに準じた近代化改修が行われた(乗り込みハッチの開閉方向は 従来機とは異なり、上方にヒンジが設けられている)。
武装は、指揮官機は実戦用に設計されたグレネードランチャー搭載型のビームライフル、訓練機は従来機と同様のビームライフルを携行する。また、前腕部は改修に合わせてグレネードランチャーを搭載、バックパックにはミサイルポッドが追加された他、ウイングバインダー内には3基1対の円盤型宇宙機雷を内蔵しているなど、総合的な火力も向上している。
生産効率はガザ系列に劣るものの、性能は従来機と比較して段違いに高く、ゲルググのフレームとフォルムを持った新鋭機とも評された。
第一次ネオ・ジオン抗争終盤、マシュマー・セロの副官であるイリア・パゾムが搭乗。
旧式機をベースとした機体でありながらΖΖガンダムに引けを取らない戦闘を行った。
余談だが、後述の一般機が登場したこともあり、今まで登場していたリゲルグは「指揮官用リゲルグ」という扱いになりつつある。
バリエーション
リゲルグ(袖付き仕様機)
型式番号MS-14J。
アニメ『機動戦士ガンダムUC』に登場。
ネオ・ジオン軍残党「袖付き」に合流した残存機であり、原型機のゲルググと共に運用されていることが確認されている。
本機は指揮官用ギラ・ドーガのビーム・マシンガンを装備している。
最終決戦にてネェル・アーガマに迫るが、ジェガンD型エコーズ仕様(コンロイ機)が甲板から放ったメガ・バズーカ・ランチャーの砲撃が直撃して撃墜された。
リゲルグ(オーラフ・デール機)
型式番号MS-14J。
漫画『機動戦士Ζガンダム外伝 審判のメイス』に登場。
本機はゲルググJがベースとなっており、アクシズの騎士オーラフ・デールが搭乗する。
武装は指揮官用リゲルグとほぼ同様だが、ゲルググJ用のビーム・マシンガンを携行、前腕部のビーム・スポットガンは他のリゲルグと同じタイプのグレネードランチャーに変更している。
リゲルグ(一般機)
型式番号MS-14J。
Web企画『アナハイム・ラボラトリー・ログ』に登場。
一般機であるため、在来機と同様にブレードアンテナを持たず、ゲルググ本来のカラーリングも残している。
背部はゲルググMの一般機に採用されたバックパックをベースに、ミサイルポッドなどの増設が加えられた専用のバックパックを有している。なお、パックの形状自体はプロペラントタンクを除けば指揮官機と同型となっている。
武装はプルバップ式360mmロケット砲(主に360mmロケット・ランチャーとも呼称される)を携行、左腕にのみグレネードランチャーを装備(右腕も指揮官機と同様だが詳細は不明)、シールドは指揮官用ゲルググMの物を装備している。
漫画『機動戦士ガンダムF90FF』では、ジオン残党の新米だった頃のシャルル・ロウチェスターが搭乗している。
ゲルググ ウェルテクス
型式番号MS-14J/BR。
漫画『機動戦士ガンダム MSV-R ジョニー・ライデンの帰還』に登場。
キマイラ隊用として開発されたリゲルグのバリエーション機。リック・ディアスを開発したアナハイム・エレクトロニクス社の第2研究事業部の協力の元、FSSのリミア・グリンウッドが基礎概念を担当した。
前回の戦闘で得られた、サイコミュシステムを発動させたシャア専用ディジェのデータを元に同機に仮想敵として、対抗しうるスペックを保ちつつも、短期間での開発が求められてる状況で、新規使用部品の検証期間や設計・開発期間などを大幅に短縮する為に、アナハイム社が過去にハマーン・カーンとの取引(ネオ・ジオン軍が勝利の時には、軍備の生産はAE社が請け負うという契約)で事事前にアナハイム社に提供されたネオ・ジオンのMSの機体のデータから、リゲルグの基礎設計をベースにし開発された。
バックパック側面にリゲルグの肩部ウイング・バインダーを接続し、基部がフレキシブルに可動することから「アクティブ・バインダー」と呼ばれており、制御データは過去にアナハイム社が過去に関与したガンダム開発計画に置いて、同じ基礎概念を持った機体の実戦データを流用し、ウェルテクスに合わせる形でフィックスさせてある。また機体本体もアナハイム社がキマイラ隊に密かに提供していた、高機動型ゲルググの先進改修機をブラッシュアップし、フレームから構造を見直すとともに装甲材をガンダリウム系に変更している。
ゲルググ・ウェルテクス・テスタロッサ
ジョニー・ライデン専用機。
ウェルテクスはいろいろな装備でカスタマイズすることも視野に入れてあるため、パイロットによって装備バリエーションが異っており、テスタロッサはガーベラ・テトラと同型のビーム・マシンガンを携行している。
ゲルググ・ウェルテクス・キュアノス
ユーマ・ライトニング専用機。
一年戦争時に自身が乗っていたゲルググキャノンベースにカスタマイズされた高機動型ゲルググをほぼ踏襲したウェルテクス。
ギャン・エーオースのビーム・ベイオネットを携行している。
ゲルググ・ウェルテクス・クサントス
ジャコビアス・ノード専用機。
ゲルググキャノン1A型を踏襲しており、頭部カメラモジュール追加やプロペラントタンクの形状が細めになってたりとウェルテクスでは特にカスタマイズされている。
Ζガンダムと同型のハイパー・メガ・ランチャーを携行している。
ゲルググ・ウェルテクス・プラス
ウェルテクス完成前の実験検証モデルとしてシミュレーションデータ上にのみ存在する機体。
この時点ではアクティブ・バインダーのバーニアが2基だけだったが、完成したウェルテクスは3基に増設されている。
データ取りのためか後にヤクト・ドーガに採用されたメガ・ガトリングガンを携行していた。
ガンプラ
『ZZ』放送時に発売されたガンプラ(旧キット・700円・税抜)は過去に発売されたMSV1/144ゲルググキャノン(600円・税抜)にパーツを追加したもの(ザクⅢ改、ジムⅢなど「ガンダムΖΖ」の後期メカは従来キットの金型を流用出来るようデザインされている)だが、同じくC型からの部品追加キットである高機動型ゲルググ(800円・税抜)よりも安い。もちろんどちらもC型に組み立てる事も可能となっている。
とはいえ、ベース機のゲルググが2度のMG化とHGUC化を果たしてはいるが、リゲルグへのバリエーション展開はMGに関しては今のところアナウンスされていない。
お馴染みB-CLUBからHGUCおよびMG用に改造パーツが発売されているが、高価かつ[[ガンプラ]にくらべ入手も難しい。
1/144なら刃物・工具と接着剤さえあれば、前述のキットを加工しシャア専用ゲルググからのコンパチだったBB戦士のごとくHGUCゲルググをリゲルグ化することはできる。
ただし、SDでは誤魔化されているが、ゲルググの腕部推進機に対してリゲルグのグレネードランチャーは90度後ろに付いている(ゲルググで外側を向いている場合、リゲルグでは後側になる)ことに注意が必要。
また、腕部推進機の取り付け穴が丸見えになってしまう為、ここも工作が必須となる。
そして2018年4月11日、プレミアムバンダイ限定商品として念願のHGUC化が決定された。
さらには袖付き版HGUC化も決定、予約受付となっている。