アダルマンとは、『転生したらスライムだった件』に登場するキャラクターである。
プロフィール
名前 | アダルマン |
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種族 | 人間→仙人→アンデッド→不死の王(ワイトキング) |
所属 | 神聖法皇国ルベリオス→傀儡国ジスターヴ→魔国連邦 |
称号 | 王子→枢機卿→示指のアダルマン、狂える聖人→迷宮十傑→聖魔十二守護王「冥霊王」 |
CV | 杉田智和 |
概説
アンデッド族の上級種「不死の王(ワイトキング)」の魔人。
ルミナス教で司祭以上だけが纏うことを許される白亜の法衣に身を包んでいる。
Web版と書籍版で登場の仕方に差異があり、Web版では「魔王達の宴」終了後、書籍版では「魔王達の宴」として平行した魔国連邦vs傀儡国防衛線にて初登場となった。
Web版では覚醒魔王となった主人公リムル=テンペストの噂を聞き及んで馳せ参じた、ジュラの大森林に住み着くアンデッドだった。しかし書籍版では、十大魔王の新参者クレイマンの配下として、ジスターヴに進攻した鬼人族の3人(シュナ・ソウエイ・ハクロウ)の前に立ちはだかる。
経歴
元は神聖法皇国ルベリオスに属する小国家の王子であり、敬虔な信徒として数々の功績を積み上げて枢機卿にまで上り詰める。
こと神聖魔法についてはかなりの上位魔法までを扱い、それ以外にも多くの魔法を修めて厳しい修行の果てに仙人の領域至るほどの力を身につけ、聖人に届くまであと一歩と迫る。
しかし法王庁の最高幹部「七曜」の老人達は、強い精神力を有するアダルマンを「神(=魔王ルミナス)のご意向(=精神操作)に反目でき、その正体に気付き兼ねない危険因子」と看做し、アダルマンの抹殺を画策。
呪われた地の浄化を大義名分に、無数のアンデッドの徘徊する大陸の西側へと派遣し、彼とその配下となった騎士団を諸共に戦死させることに成功する。
だがアダルマンの友人だった魔術師ガドラがアダルマンの抹殺を懸念し、彼に復活魔法を密かに施して一命を取り留めさせた。
ところが復活の地が呪怨で汚染されていたため、ガドラの目論見が裏目に出てしまい、アダルマンはアンデッドとして蘇ってしまった。
その後この地を占領しに来た魔王カザリームによって土地ごと呪縛され、ジスターヴの守護者として1,000年に亘ってジスターヴを外敵から護り続けてきた。
カザリームが魔王レオン=クロムウェルに返り討ちに遭い、その席をクレイマンが継承したことでクレイマンの配下に加えられる。
その実力から彼の従える最高幹部・五本指の一人である「示指のアダルマン」を拝命し、引き続きジスターヴの守護を請け負った。
そしてクレイマンが「魔王達の宴」でのリムル処断を画策する裏で、クレイマンとその配下が獣王国の民を虐殺してその魂を得る計画を実行。
対する魔国連邦も迎撃作戦の裏から、シュナ主導の下でジスターヴへの進攻を決行。
アダルマンはそれを阻むため、攻め込んで来たシュナたちを霧の結界に惑わせ、自らが率いるアンデッド軍団の包囲網に誘い込み、彼女たちを追い詰める。
しかしシュナの実力を計って格下と判断したことが陥穽となり、シュナとの術理戦自らが自爆覚悟で放った神聖魔法をシュナの固有能力「創造者」で上書きされ、軍団ごと呪縛から丸ごと解放されて敗北した。
……ところが。
浄化されたにもかかわらず、カザリームの呪縛から解放された状態で、軍団共々に復活。
シュナたちに魔国連邦へ軍門に下ると言い出し、さらにリムルを新たな自分たちの神として崇めたいと言い出す。
オマケにシュナがジスターヴの城に進撃する旨を聞くと、率先して案内役を買って出てあっさりとジスターヴを陥落させてしまった。
「魔王達の宴」の後、予定通りにリムルと謁見したのち、シュナの推薦で迷宮の守護者へと抜擢され、「迷宮十傑」の一人として地下60階の階層主(フロアボス)に君臨する。
そして天魔戦争を睨んでリムルが臣下の強化を図った際には、智慧之王による魔改造を経て更なる力を獲得し、聖魔十二守護王「冥霊王(ゲヘナロード)」へと進化した。
Web版ではリムルの噂を聞きつけ、特に敵対もせずそのまま迷宮の一員として配下となっている。
人物
かつては敬虔なルミナス教の信望者であり、現在も信心深い性根は変わっていない。
当初は見た目通りに威厳ある話し方をしていたが、シュナに呪縛から解放してもらってからはひょうきんでお喋り好きという強烈なギャップでシュナを大いに困惑させた。
しかし自らが従える不死軍団の末路を案じるあまり、かつて行使していた神聖魔法を封印する一面を見るに、根は慈悲深く人の上に立つに値する人格者であることが窺える。
また神聖魔法を筆頭に多数の上位魔法を習得し、仙人に到達するばかりか聖人にまで達しようとしたことから判るように、目標のためなら努力を惜しまない勤勉さと誠実さも持ち合わせている。
シュナが「奇跡を信じる純粋な心」だけで神聖魔法を体得したことを知り、そこから「アンデッドと化して二度と神聖魔法が使えない」と思い込んだ己を恥じて玉砕覚悟の究極神聖魔法「霊子崩壊(ディスインテグレーション)」を放つところからも、彼の実直な性格がにじみ出ている。
かつては神に見捨てられたと感じ、追い討ちにカザリームに呪縛されたため、ルミナス教の信仰は既に捨て去り、カザリームやクレイマンへは全く忠誠心を持っていない。
神聖魔法による自決も考えていたが、カザリームの呪縛のせいでそれすら封じられている。
魔国連邦へ帰順後は、リムルを神、シュナをリムルを祀る巫女として敬っており、その仰々しい態度ゆえにシュナからは苦手意識を持たれている。
要するにディアブロの同類。
能力
生前に習得した多数の魔法を行使する典型な魔法使いタイプ。
しかし実力はシュナたちと対峙した時点で彼らよりも格上であり、慢心せず最初から全力で戦えば死んでいたのは自分だと、シュナが心中で肝を冷やしていたほど。
上述通り、現代最強の聖騎士であるヒナタ・サカグチが切り札とする究極神聖魔法「霊子崩壊」さえ、アンデッドとなって全盛期の力が衰えた状態で行使してみせる。
自身が従えていた聖騎士団に加え、ジスターヴで怨霊と化した無数のアンデッドをまとめ上げている。
死霊軍団は【死霊騎士団2,000騎/死霊兵士団150,000人】と一国の軍に匹敵するほどの規模を誇り、軍団指揮にも秀でるだけでなく、的確な戦術を駆使して相手を罠に嵌める周到さも見せる。
特に生前からの腹心である骸骨剣士アルフレッドと、ジスターヴで猛威を振るった死霊魔物の頂点である屍竜(デスドラゴン)が脇を固めており、アダルマンの鉄壁の盾として近づく敵を尽く退散させる。アダルマンの覚醒後は「死霊聖騎士(デスパラディン)」へ昇格した。
アルフレッドは聖騎士団歴代最強の強者でハクロウと互角以上に切り結び、彼の持つ聖剣は神話級の強さを持つ名剣である。その実力から、アダルマンと共に迷宮十傑に名を連ねている。
屍竜はアンデッドと竜種の両方の再生能力を有する驚異的な不死性と、その巨躯から繰り出される素早い攻撃で敵を蹂躙する。ソウエイと戦った際には、ソウエイの糸で賽の目切りにされた直後に完全復活を遂げている。
迷宮の守護者となってからは、広範囲魔法「不死者軍団創造」も発揮。
効果範囲内の死者を自らの軍団へ取り込んで増強する、不死の王に相応しい陰残さで侵入者たちを殲滅する。
そして最も厄介なのが、シュナに敗北した反省とリムルへの信仰から獲得した秘奥「聖魔反転」。
闇属性のアンデッドにありながら、シュナとの術理戦で神聖魔法を取り戻したばかりか敵対者からの神聖魔法を無効化するというとんでもない反則技で、聖属性を闇属性へ、闇属性を聖属性として転換させてしまう。
恐ろしいことにこの効果はアダルマンの軍団全員に及ぶため、敵がいくら神聖魔法を撃ったところでアダルマンと彼の軍団にはほとんど効かない。
ただ、カザリームの呪縛から長らく全盛期の実力を逸し、リムルの配下になってからはエネルギー源となったジスターヴの呪いからも切り離されたため、しばらくは弱体化を余儀なくされる。
それでも当人の努力と、地下迷宮に充満するヴェルドラの超上質な魔素によって徐々に力を取り戻し、ついには生前のレベルまで到達した。
覚醒して聖魔十二守護王となった際には、智慧之王から究極贈与「魔導之書(ネクロノミコン)」を授かり、更なるパワーアップを果たした。
一方でアンデッド故に日中や乾燥地帯の行動は苦手。
地下迷宮はアダルマンたち不死軍団にはうってつけの住処となっている。
関連人物
- リムル=テンペスト
- 信仰する神(魔王)。
- シュナ
- 自身と戦い、かつての自分を取り戻すきっかけをくてくれた恩人。現在は「リムルの巫女」として崇拝しているが、当人からはその熱烈さゆえに苦手意識を持たれている。
- クラマ
- 同じ元「五本指」かつ迷宮十傑に抜擢された同僚。
- ミュウラン
- クラマ同様、元「五本指」の同僚。呪縛で忠誠を強要され、長くそれに苦しめられた者同士でもある。
- ディアブロ(転スラ)
- 似た者同士。
余談
アダルマンの能力は、本来的に言えば「リッチ」に相当する。
しかしリッチは不老不死を求めて自発的にアンデッド化した魔術師を指すが、アダルマンの場合は親友の気遣いが裏目に出てさらにそれをカザリームに利用された形式であるため、「惨たらしい死を迎えたの末に怨念でアンデッド化した」という「ワイト」の条件に近く、ワイトに区分できると考えられる。
なお「ワイトキング」そのものは『ドラゴンクエストⅤ』で初登場したアンデッド系のDQモンスターが嚆矢である。
担当声優は杉田氏なのだが、登場直後は杉田氏とは判別困難な老獪さに溢れた声色から、初見でアダルマンが杉田氏であると看破するのは容易ではなかった。
しかし中盤から威圧感を強めると近年よく見る悪役を演じる際の杉田氏に変わり、復活後のひょうきんな態度になると完全にただの杉田氏でしかなかった。