概要
王子(皇太子)や親王、または公爵などの高位の貴族や諸侯を指す。
日本における「親王」「王」「王世子」「公」「公爵」の英訳が全てプリンス(敬称の有無で区別する)である。
語源はラテン語で「第一人者」「皇帝」を意味する「プリンケプス(princeps)」だとされている。
西洋悪魔学におけるプリンス
princeはトップとしての「王」にも使われるが、複数居る有力者としての「君」にも使われる語である。この語は霊的存在に対しても用いられる。
聖書の本文にも英訳の際に「prince」と訳される単語が含まれる。
『ヨハネによる福音書』16章11節の「さばきについてと言ったのは、この世の君がさばかれるからである」
ここの「この世の君」は欽定訳聖書などで「prince of this world」と訳される。悪魔の頭目であるサタンを指している。 なお、ギリシャ語原文での「君(プリンス)」にあたる原語は「アルコーン(統治者)」である。
旧約聖書『ダニエル書』10章21節の「しかしわたしは、まず真理の書にしるされている事を、あなたに告げよう。わたしを助けて、彼らと戦う者は、あなたがたの君ミカエルのほかにはありません」の「君」も「prince」と訳され、文脈的にこの前に言及される「ペルシャの君」「ギリシャの君」もミカエルのような超常的存在、後世の用語を当てはめるなら「守護天使」的存在とみることもできる。
西方キリスト教世界において、地獄の悪魔たちも、地上の人間達のような封建制度を持ち、爵位や君主号も持つという考えが生まれ、グリモワール(魔導書)類に反映された。
基本的にイモータルで相互に親子関係を持たない種族であるアブラハムの宗教の天使(マルアーク、エンジェル)と同族かつ「王(king)」の位を持つ者もいるためか、悪魔の身分としての「プリンス」は「君主」と訳される傾向がある。
悪魔に親子関係がある作品『スーパーナチュラル』の邦訳では悪魔のprinceに「王子」の訳語をあてている。
『レメゲトン』第一書「ゴエティア」に記されたプリンスたちは以下の通り。なお、本書と悪魔リストの殆どを共有する『悪魔の偽王国』において、princeと英訳されたラテン語原典における単語は「プリンケプス(princeps)」である(参考)。
イポス:伯爵(Count)と兼任
ガープ:総裁(President)と兼任
『悪魔の偽王国』に言及されるプルフラスはプリンスかつ公爵である。
「ゴエティア」に記された悪魔の一体であるグレモリーは別の魔術書『精霊の職務の書』によるとプリンスの位も持っている。
その他のプリンス
その業界や団体の中で、特にイケメンかつ人気があり、活躍を期待されている若い男性を指して「○○のプリンス」などと称することが多い。例「氷上のプリンス」
- アメリカのミュージシャン。本名はプリンス・ロジャーズ・ネルソン。→prince
- 韓国の大宇自動車(現・韓国GM)が生産していたセダン。
- アトラスのRPG『世界樹の迷宮』シリーズに登場する職業の一つ。
- アトラスの格闘ゲーム『豪血寺一族』シリーズに登場するキャラクター。
プリンスの語を含む作品やキャラクターなど
- 日本の自動車メーカー「プリンス自動車」。1966(昭和41)年に日産自動車により吸収合併された。
- アクションゲーム『プリンス・オブ・ペルシャ』。
- 乙女ゲーム『うたの☆プリンスさまっ♪』。通称「うたプリ」。
- ディズニー映画『シンデレラ』に登場するキャラクター「プリンス・チャーミング」。
- 漫画『美少女戦士セーラームーン』に登場するキャラクター「プリンス・エンディミオン」。 → 地場衛
- 漫画『美少女戦士セーラームーン』に登場するキャラクター「プリンス・デマンド」。
- 音楽ゲーム『ポップンミュージック』シリーズに登場するキャラクター「プリンスM」。
※他にありましたら加筆お願いします。
世界樹の迷宮のプリンス
『世界樹の迷宮3』に登場する職業および、そのキャラクター。女性版はプリンセス。
乱立する大小国家の王族の血を引く者たちで、号令により仲間の士気を高める、補助に特化した職業である。
プリンセスとの違いは外見と名称だけで能力やスキルは全く同じなので、詳細はプリンセスの項を参照。
キャラクター
星王子(通称)
白いファーの付いた赤いケープと、青いかぼちゃパンツを着用している。
金王子・青王子(通称)