概要
ロックマンXシリーズ5作目タイトル。
新アクションの追加や過去作品のオマージュ要素などをふんだんに盛り込んでおり、作中に登場するBGMも他シリーズと比較すると高い評価を得ている。
しかし、レベルシステム導入によるボス敵の体力増加や強制的なエイリアとの無線通信会話の導入によりゲーム進行のテンポが悪くなったり、ストーリー分岐の条件が完全な運任せ、さらに前作ではボス敵にもキャラボイスが実装されていたのに本作ではエックスとゼロ、本作の新キャラであるダイナモしか声が収録されていない(しかもほとんどが前作の汎用ボイスの流用)など、演出面においての評価があまりよろしくない。
これらの要素から、クソゲーと呼ぶまでには至らぬものの、単体のアクションゲームとして見てもかなりクセがある為、結果的に賛否両論の声があがる作品という総評を受ける事となった。
実は本作でシリーズそのものを完結させるつもりでいたらしいが、その後いつの間にかX6の開発が始まっており、そのままシリーズ継続となったらしい(ロックマン・ロックマンX オフィシャルコンプリートワークスより)。
つまり、ヘタをしたらロックマンゼロシリーズ及びロックマンZXシリーズそのものが存在しない可能性もあったわけである。
ロックマンシリーズでも恐らく初の早い段階で最終ステージが出現する進め方がある作品である。
ストーリー
レプリフォース大戦から数ヶ月、地球に平穏な時間が続いていた。
大戦の影響で被害にあったスペースコロニー群の修復もほとんど終わり、残すは、月のラグランジュポイントに浮かぶ超巨大コロニー「ユーラシア」の工事のみとなっていた。
そんなある日、平和は一瞬にして崩れ去る…。何者かによって「ユーラシア」が占領されたのだ。
人工重力装置のコントロールを奪われ、地球へと向かう軌道に乗ってしまった。このままでは16時間後には地球と激突してしまう。
ユーラシアが衝突すれば地球はほぼ壊滅状態になり、最悪の場合、消滅の恐れまである。
地球存亡への残る手段は、旧時代のギガ粒子砲「エニグマ」または、マニュアルでしか動作しない「スペースシャトル」に乗りこんで「ユーラシア」を破壊する他にない。
この任務をこなせるのは、イレギュラーハンターのエックスとゼロ以外には存在せず、地球の未来は二人に委ねられる。
「エニグマ」再起動のパーツを集め、粒子ビームで超巨大コロニー「ユーラシア」の地球激突を食い止めるため、エックスとゼロは出動した。
新しい基本操作
しゃがみ
地面に立っている時、下ボタン
立ち止まり膝を折ることで、ダッシュ中と同じだけ姿勢を低くする。
上半身部分の当たり判定を無くすことで、一部の敵の攻撃を避けることができる。また、しゃがみ時の攻撃は通常時より高さが一段階低くなるため、地面沿いの敵に攻撃しやすくなる。
この操作は、ロックマンX7まで続いたが不評だったらしい。
ロープつかまり
ステージに設置されているロープのそばで方向キー上を押すと、ロープにつかまることができる。つかまっている間はロープの伸びている方向にのみ移動ができ、ダッシュも可能。降りる際はジャンプボタンを押す。
ちなみに、ロープにつかまっている時にダメージを受けるとロープから落ちてしまうが、この時方向キー上を押し続けていればすぐにつかまり直して落ちずに済む。
新システム
エイリアからの通信
ステージの各ポイントにて強制的に現れる、エイリアからのサポートメッセージ。
ステージ攻略のヒントなどを聞くことができる。但し、ON/OFFの機能がないためゲームのテンポを悪くする要因となってしまっており、次回作の「ロックマンX6」からは改善されている。
ウィルスゲージ
本作特有のゲームシステム。ゲーム中に現れる「シグマウィルス(もしくはゼロウィルス)」に触れることで、「NORMAL(ノーマル)」、「CAUTION(コーション)」、「DANGER(デンジャー)」、「VIRUS(ウィルス)」と段階的にゲージが上昇する。VIRUSはウィルスに冒された状態であり、エックスの場合は体力が徐々に減少、ゼロの場合は体力が全回復し、更に一定時間無敵になる。ゲージは一定時間で回復する。なお、本作の解説書ではイの字は大文字ではなく小文字で記載されている。
レプリロイド救出
ステージ各所に配置されている傷ついたレプリロイドに触れることで、残機が1つ増え、体力が回復する。回復量は救出したレプリロイドによって違う。
この救出システムは後の2作品でも使われたが、ストレスになるとの意見も多かった(特にロックマンX6)。
ミッションレポート
ステージを攻略すると、エイリアがその経過をレポート形式で解説してくれる。
クリアタイム、倒した敵の数、受けたダメージ値、そしてそれらの総合成績である6段階のハンターランクが表示される。
MEH←PA←GA←SA←A←B
DNAセレクト
ボスを倒してステージを攻略した時のみに表示される。ボスから手に入れた「DNAプログラム」を解析し、エックスの特殊武器やゼロの必殺技、各種パーツを作り出す。DNAプログラムには3段階のレベルがあり、そのレベルに応じて入手できるアイテムも変化する。
ウェポンセットアップ
コロニーを破壊するためのエニグマとスペースシャトル。両者をパワーアップさせるアイテムを集め、コロニー破壊率を上げる。ウェポンは特殊武器を持つボスキャラクターが所持している。
ちなみにエニグマは最初からパワーアップさせるアイテム無しでも起動可能であるが、成功確率は低い上にこの両者はどちらもアイテムを揃えたところで結局は運任せである。
ちなみに成否を決めるのは発動前の直前のステージクリアで抽選しているらしく、ステージクリアでセーブした場合はその判定で固定される模様。つまりリセットして発動をやり直しても結果は同じになる。
登場キャラクター
メイン
ボスキャラクター
クレッセント・グリズリー体力半減後はクレッセントショットの巨大化版メガクレッセントショット
シャイニング・ホタルニクス体力半減後はプリズムレーザー攻撃が追加
タイダル・マッコイーン体力半減後はスピードの速い氷ブロックを連射
スパイク・ローズレッド体力半減後は分身やローズカッター(バラの花びら落とし)が追加
ダーク・ネクロバット体力半減後は巨大な超音波ダークウェーブ
バーン・ディノレックス体力半減後はグランドファイア⇒バーンタックル
アーマー
エックスはカプセルに入ることで新たなパーツを取得し、パワーアップするという特殊能力を持っている。カプセルはステージの特定の場所に隠されており、カプセルに入ればそのパーツを入手できる。本作では、機能的に異なる3つ(アルティメットアーマーを含めれば4つ。)のアーマー(フォースアーマー、ファルコンアーマー、ガイアアーマー)が使用可能。
各パーツは、シグマウィルスの影響でライト博士がデータの形で渡してくる。そのため、アーマー自体は該当する4つのデータを全て揃えないと使用することができない。データの取得自体はゼロでも可能である。なお、本作のカプセル発見時のBGMはシリーズ第1作のもののアレンジである
強化パーツ
本作から導入されたシステム。
ボスを倒すことで入手できるDNAプログラムによって作り出せる装備アイテム。装備はセットアップ画面にて行える。装備できる数はキャラクターや装着中のアーマーによって変わる。また、1回のプレイにおいてすべてのパーツは入手できない。周回システムも存在しないため、強化パーツ画面が全て埋まることはあり得ない。(但し、改造コードを使えば全て埋まる事が可能。)また、難易度を「やさしい」にすると使用不可、入手不可能になる。
ノーマル
スピードムーブ - 移動速度が上昇する。
ハイジャンプ - ジャンプ力が上昇する。
ハイパーダッシュ - ダッシュ時の速度が上昇する。
エナジーセーバー - 特殊武器のエネルギー消費量が半減される。
スーパーリカバー - アイテム入手時の回復量が上昇する。
ウィルスバリア - ウィルスによるダメージを半減する。
バスタープラス - バスターの攻撃力が上昇する。
スピードショット - バスターの速度が上昇する。
ショックアブソーバー - ダメージを半減し、ノックバックを防ぐ。
ウィルスバスター - ウィルスを攻撃で掻き消せるようになる。
エックス専用
ラピッド5 - 通常は画面内に3発しか撃てないバスターを5撃てるようになる。
アルティメットバスター - チャージをしなくてもチャージショットが撃てる。また、特殊武器による攻撃もチャージに限定される。
ハイパーチャージ - チャージ時間が半分になる。
ゼロ専用
ゼットセイバープラス - ゼットセイバーの攻撃力がアップする。
ゼットセイバーエクステンド - ゼットセイバーの攻撃範囲が広がる。
ショットイレイザー - エネルギー弾を攻撃によって掻き消せるようになる。
余談
本作は前作とは違いアニメムービーなどは無く、会話デモはボイス無し&一枚絵が表示されるだけと演出面が壊滅的にショボくなっている。原因は同時期に開発していた『鬼武者』の影響で予算が割かれてしまったととも前作の売り上げが悪かったからともいわれている。
ボスのセレクト画面においては、前半の四体はまだしも後半の四体は「証明写真」と揶揄されることがある。
関連タグ
ロックマンDASH……本作のエンディングの一つがDASHシリーズの歴史に繋がるという説がある
黄昏のオード:OPとEDまでムービーなし、全編ドット絵でストーリー進行と共通点があるという共通点がある。ただしこちらはガチのクソゲー。