おおとりゲン
おおとりげん
「男はいつも戦うんだ。自分自身と戦うんだ」
概要
演者:真夏竜
故郷のL77星をマグマ星人に滅ぼされて地球に亡命してきたウルトラマンレオの人間態。
なぜ漢字表記でもオールカタカナでもないのかは不明。おゝとりゲンと表記されることも多い。
普段は城南スポーツセンターに指導員として勤務しているが、マグマ星人・ギラス兄弟の暴行を受けて変身能力を失ったモロボシ・ダンの危機を救ったことで彼が隊長を務めるMACの隊員として「第二の故郷」地球を守るために悪の宇宙人や怪獣と戦う事になる。
初期の師匠とのムチャな特訓(ジープ特訓等)は今なお語り草になっており、演じた真夏氏ですら後に「ありゃマジで殺されるかと思いました」と述懐している。
弟アストラとの再会、幻の超人ウルトラマンキングとの出会い、M78星雲からの使者ウルトラマンジャックとの共闘、ババルウ星人の陰謀との戦い…とゲンは様々な強者と出会い、別れ、人間として、武者として大きく成長していくが、築き上げたわずかな幸せはあっという間に崩された。
地球を狙うブラック指令が送り込んだ円盤生物・シルバーブルーメにより、MACはゲンを残して全滅、ダンは行方不明になった。更にシルバーブルーメは東京を襲撃し、ゲンの友人や恋人までをも手にかける。豪雨降りしきる中シルバーブルーメを撃滅するレオだったが、その雨の様にレオの心は荒れた。
円盤生物との激闘を経て、遂にレオは最後の敵、ブラックエンドを勇気ある少年少女(のリンチ)によって得た水晶玉で撃破。更に邪悪の根城・惑星ブラックスターをたった一撃で破壊した。そこには怪獣や宇宙人に毎週のように叩きのめされる頼りないヒーローの姿は、もう無かった。
全ての戦いを終えたゲンはレオリングをトオル少年に託し、ヨットに乗って海の彼方へと消えていった。やっと今、本当の故郷となった地球の平和を、その眼で確かめるために。
再登場
そして31年の時が流れた。
新たにM78星雲光の国からやって来たウルトラ戦士・ウルトラマンメビウスは、全ての光線技を無効化するリフレクト星人に苦戦を強いられていた。メビウス(ヒビノ・ミライ)はリフレクト星人を倒す方法を模索するが、そこに一人の托鉢僧が現れる。彼こそが、おおとりゲンその人であった。
この時既に宇宙警備隊の一員としての任務に就いていたゲンであったが、彼にとっては今も地球こそが本当の故郷であり、メビウスが自分の故郷を託せるに相応しいかを試すためにやって来たのだ。
トオルから返してもらったのか、きらりと輝くレオリングでウルトラマンレオに変身。メビウスと手合わせを行い、彼に欠けていることを教えたのだった。その姿は、かつて自分に技を叩き込んだダンにそっくりだった。
「お前たちの戦いは、必ず勝たなければならん戦いなんだ! そんなこともわからずに、よくウルトラマンを名乗れたものだ!」
「その顔は何だ? その目は! その涙は何だ! そのお前の涙でこの地球が救えるのか!!」
当時の弱かった自分自身に決別するかのように、ゲンはかつて自分がダンから言われた言葉でミライを叱咤激励し、さらに自分が使った胴着を投げ渡した。
ミライは防衛組織GUYSとの猛特訓の果てに新技を編み出した。そしてリフレクト星人に戦いを挑むメビウスだったが、リフレクト星人はGUYSの戦闘機を捕まえて人質に取ろうとする。ゲンは再び獅子の瞳を青空に向けて突出し、ウルトラマンレオへと変身した! レオとメビウスはダブルキックを放ち、リフレクト星人を撃破する。その雄姿を見て、ゲンはミライに地球の平和を託し、去っていった。怪獣たちに殺された人々の霊を慰めるために。
その後、レオはエンペラ星人による太陽黒点殲滅作業にウルトラ戦士と共に参加し、宇宙の平和を守るためにウルトラマンとして戦い続けている。
余談
企画時の初期名は「おおとりレオ」。
『キッズ・ウォー3』第2話で真夏が演じる津村信彦が大沢校長を演じた大和田伸也から「大工さんからサンドイッチ屋に転身ですか」と話しかける場面があり、信彦が照れながら「華麗なる…転身!!」とレオの変身ポーズをとるシーンがあった。ちなみにドラマで共演した井上真央、双子の斉藤祥太と斉藤慶太兄弟は真夏と同じ横浜出身であり、前作『ウルトラマンタロウ』で海野八郎でゲスト出演した大和田獏は大和田の兄である。
レオが格闘主体なために勘違いされがちだが、『武器に頼れば隙が生じる。最後に頼るべきは自分自身だ』というメビウス客演時のセリフは武器を使う事を否定しているわけではない、事実としてレオは必要とあらば、レオヌンチャクで戦うシーンがあったし、愛弟子であるウルトラマンゼロは格闘だけでなく、ゼロスラッガーでの戦闘が主体である。
ここで彼が言っているのは「武器を過信しすぎず、己の実力を磨く事が大事」という事。その言葉を裏付けるようにリフレクト星人は自分の防御力を過信して敗北している(GUYSを雑魚と呼んだ事からもその慢心具合が窺える)。如何に優れた武器でも使う者の実力が伴っていなければ真価は発揮されないのだ。
『ULTRAMAN』
こちらの作品でも、正史においてゲンに当たる人物が登場。弟も同伴しており、スクルーダ星人アダドを追う刺客として、星団評議会に雇われる。
その風貌は獅子の鬣のような髪型と髭の青年として描かれている。耳がエルフのように尖っており、彼らも人間に近い姿の異星人であることが窺える。