【注意】
こちらの記事の内容は、人によって不快な思いをする場合がありますので、それでも大丈夫な方のみ閲覧をしてください。
概要
『ポケットモンスターダイヤモンド・パール』に存在する(存在しないが特定の手順を踏むことでバグで行けてしまう)場所の呼称。
ただし、特定の場所ではなくバグで進入できる場所のことであり、そこからそのバグマップ全体がそう呼ばれている。
「なぞのばしょ」という名称自体ゲーム内で表示されるある意味正式名称ではあるのだが、こういった名称は通常プレイでは見えない空データの部分につけられた開発スタッフの便宜上の名前である。いわばマップ版「けつばん」ともいえる。
「わざわざ名称が付けられているのはおかしい、意図的に作られたマップだ」「なぞのばしょでイベントが起こるのはおかしい、意図的に作られたものだ」と解釈する者もいるが、空データや没データに便宜上の名前がついていたり、それらを読み込むことで通常プレイでは起こらない状況が発生するのは珍しいことではない。
何故有名になってしまったのか
当時、「なぞのばしょ」を経由して通常では入れない場所(ダークライやシェイミのいる場所)に行ったり、通常では入手できないポケモンをゲットできるなどとして試すトレーナーが続出し、話題になった。
しかし、同時に多くのトレーナー達が遭難する事態も発生した。
更に、非常に致命的である一方、手順を慎重に踏めば行けるバグである為にこの「なぞのばしょ」に入らせて脱出不能にする事を悪用した嘘の手順すら流れた事もある。
そうした経緯や「なぞのばしょ」という絶妙な名前、バグによって起こる現象の奇怪さなどから都市伝説的な知名度がある。
「なぞのばしょ」の実態
「なぞのばしょ」に行ってしまうと…
当然ながら、「なぞのばしょ」に進入すること自体が本来の仕様ではないため、データ自体が破損する可能性もある。
そこに行く手順を間違えたが最後、基本的に障害物にめりこむ等の意図せぬ動作を起こして本当に脱出不可能になってしまい、(特にその中でレポートを書いてしまった場合)プレイ続行不可能になる。
「なぞのばしょ」に迷い込んだら
出られなくなってしまう理由には手順にセーブされる事が入っている為で、「なぞのばしょ」に入った時点で出られないリスクが高いので、正確に行く手順を踏んだと確信できていない限りレポート(セーブ)はそこで行ってはならない。入っただけの場合はソフトリセットしてタイトル画面に戻るか電源を切る事。
公式側の対応
「なぞのばしょ」騒動の対策
ニンテンドーDS(Lite、DSiを含む)シリーズまでは現在における不具合を修正する為のソフトウェア更新による対策が不可能だった為、当時出られなくなった場合の対策の為に、全国に設置したニンテンドーWi-Fiスポットで『セーブデータ再開時に主人公の位置を強制的に自宅に戻す修復プログラム』(あくまでこれは応急処置にすぎずパッチを当ててバグを解消するものでは無い)が配信された。
(しかし、現在はDSのニンテンドーWi-Fiコネクション自体が終了しているので一部店頭にでも行かない限り復帰はまず不可能。)
その後のDS・3DSシリーズにおける対応
同じ第4世代のプラチナ、HGSSでもバグやチートを用いてなぞのばしょと同じような場所に行くことはできるが、名前は「なぞのばしょ」ではなく「ーーーー」となり、更に誤ってセーブすることを防ぐためか、メニューを開いたり一部の登録したアイテムを使えないようになっている。
ゲーム自体のソフトウェア更新については現在では、ハードがニンテンドー3DSになって以降はポケモンXYからはこれらの様な不具合(バグ)の修正が可能となった。のちのハード(ニンテンドーSwitchシリーズ)へ移ったシリーズでも更新データ(パッチ)をダウンロードすれば修正可能である。
時は流れ…
時は流れ2021年、本作のリメイク版であるBDSPが発売された。
BDSPではこのバグは流石に修正されており、なぞのばしょに行くことは不可能…
と思われていたが、別の方法でなぞのばしょ(のようなばしょ)に行けることが判明し、しかもシェイミもゲットできてしまうことも判明してしまった(このバグでダークライがいる新月島にも行けるが、イベントフラグを立てないと会えないようになっている為、バグを使っても捕まえることが出来ない)。
しかし、これはほんの序の口に過ぎなかった…。
発売から程なくして、ゲームバランスが崩壊しかねない増殖バグが発見されてしまい、伝説ポケモンや色違い等のレアポケモン、ガンテツボール(本作ではオムニ7のショップ限定特典)・マスターボール・とくせいパッチ・ふしぎなアメなど一部のレアアイテムの価値が崩壊してしまう事態になった。
増殖バグの亜種として、色違いポケモンと通常色のポケモンを“融合”させて通常色のポケモンの進化形を色違い個体に変えてしまうバグも発見されている(通称融合バグ)。
壁抜けバグも現時点では解禁されていないシェイミが居る場所に行けてしまうという事が発見されてしまっており、一部プレイヤーから「なぞのばしょの再現」などと皮肉られてしまっている。
ピッピにんぎょうを使うとトレーナーとすらバトル回避出来てしまうバグが発見され、ジムリーダーや四天王・チャンピオン戦をスキップしシナリオが崩壊してしまう事態が発生(シロナに関しては、特定のタイミングでむしよけスプレーを使うことでも突破できてしまうことが確認されている)。
技の思い出しにもバグが確認されており、手持ちに2体以上ポケモンがいる際に特定の動作をすると、本来であればそのポケモンが覚えられない筈の技を覚えさせられてしまうバグが発生する。これにより、りゅうのまいガブリアスや、ノーガードぜったいれいどカイリキーにスキルスワップケッキングとレジギガス、擬似的なそらをとぶピカチュウといった、環境破壊間違いなしの化け物が次々と生み出される事態となった。
さらに、バトルタワーの難易度が大幅にダウンし、これによりBPと交換できるアイテムの値打ちが大きく崩壊することになるため、やはりゲームバランスを考える上ではあまりにも問題のある存在であることには間違いない。
ちなみに、上記のバグの多くがボタンの同時押しでメニューが多重に開けてしまうバグ(通称:メニューバグ)をトリガーにしているのだが、これはday1パッチであるVer1.1で起こり、パッケージ版でパッチ未適用の場合(Ver1.0)では起こらないという。まさかのエンバグである。
他、致命的ではないもののテキストバグ、名前バグ、主人公のグラフィック増殖バグなども確認されている。
このように、本作はここ最近のシリーズ作品と比較してもバグが極めて多い。
これについては、通常のシリーズ作品と比べて開発期間が短く十分なデバッグが行えなかったこと、制作を担当した株式会社ILCAは本来CGの制作メーカーであり、ゲーム制作のノウハウが少なかったことなどが原因ではないかと言われている。
結果として、発売後のおよそ10日間はほぼ毎日のようにプレイヤーによって新たなバグが発見されるというゲームとしてはあまりに情けないと言わざるを得ない事態になってしまい、遂には「BDSPはバグだらけスペシャルの略」「ゲームの内容そのものよりも、どのようなバグを見つけ出すかでプレイヤーが盛り上がっている」という皮肉めいたジョークまで産まれる有様であった。
いずれにしてもこのままでは埒が明かないため、修正パッチの早期の配信が待ち望まれる所であったが、発売から13日後のアップデートでようやく修正パッチが配信され、メニューバグを起点としたこれらの裏技の類は完全に実行不可能になり、増殖・融合・技のバグは排除された。
アプデから12日後、Ver1.1.2で別の方法によるメニューバグと増殖バグが発見されたが、こちらは間を置かずにすぐに修正されている。
それでも、プレイヤーの間では「どうせ修正してもすぐに別のバグが見つかるのだろう」という冷めた見方が広がっており、これ以降も(さすがにここまで深刻なものはなかったものの)散発的にバグの発見報告が行われ続けていた。
バグは修正されたけど…。
しかし、これらのバグが残した爪痕はあまりにも大きすぎるものだった。
そもそもこれらのバグの修正はアップデートにより行われているため、アップデートを行わなければ依然として利用できるという問題がある。そのため、アップデート後もあえてアップデートを拒絶することでこのバグを利用し続けたプレイヤーは世界中で相当数いたものと推測されている(現在は対策が進んだことや、一通りバグが利用しつくされたためそこまでではないと言われているが)。
また、バグにより増殖させたポケモンやアイテム、本来覚えない技を覚えたポケモンはそのまま残すことができるため、完全にバグを利用するだけ利用した者が得をする事態になっていた。
現在は、こうした不正な手段で何かしら手を加えられたポケモンに関しては、交換およびポケモンHOMEへの送信ができないというペナルティを課すことで一応の決着がついているが、増殖させたアイテムに関してはこれといった対策もできないまま放置されているのが現状(ポケモンとは異なり、検知が極めて困難で、事実上対策できないというべきか)。結局のところ、バグを利用するだけ利用した者が得をするという事態を完全に是正できなかったということであり、プレイヤーからの批判は大きい。
修正パッチを配信するまで公式がバグに対する声明を一切出さなかったことを「説明責任の放棄」として問題視する意見もある。もちろん、本来であればバグのないゲームを作るのが一番であるが、せめてバグの存在を早期に認め、バグを用いた不適切なプレイイングが横行していることを警告したり、それを防止するために近日中に何かしらの対応を取ることをプレイヤーに対して告知するなどしていれば、まだプレイヤーからの心象は違ったものになっていたかもしれない。
結局、対応が後手後手に回ってしまったことで、開発側はプレイヤーから強い不信感を抱かれることになってしまったのである。
このように、一連のバグ騒動は一応の終結を見たものの、円満解決とは程遠い事態となってしまったと言える。
関連動画
この現象については一部のYouTuberによってバグを検証する動画がYouTubeに幾つかアップされている。
関連イラスト
pixivではそれをネタにした(ブラックなものも含む)イラストにタグが付けられているようである。