コミックマーケット
こみっくまーけっと
コミックマーケットとは世界最大の同人誌即売会。公式の略称は「コミケット」「コミケ」。
(「コミックマーケット」→「コミケット」→「コミケ」のいずれも商標登録されているため、
他の同人誌即売会では原則使用できない)
次回のコミックマーケット100は2022年8月13日-14日に開催予定ですが、新型コロナウイルス(COVID-19)の情勢により中止および予定変更の可能性がございます。
概要
毎年8月中旬(盆)、12月(年末)に行われ、それぞれ夏コミ、冬コミと呼ばれている。
さらに、5年に一度(西暦が5の倍数の年に)普段とは違うコミケ、コミケットスペシャルも開催される。
過去には沖縄での開催、24時間耐久コミケなど色々な試みがなされた。まさに「スペシャル」なコミケだ。
コミケ参加者は「カタログ(コミケットカタログ)」と呼ばれる、他のイベントでいうところの「パンフレット」にあたる冊子の「イベント概要や当日案内&諸注意事項といった、参加する上で重要な部分の熟読」が、参加する上での必須条件とされている。
カタログは紙媒体とDVD-ROM媒体があるほか、web上でもある程度の情報が公開されている。
とりわけ紙媒体のカタログはその分厚さに定評があり(C91のカタログはおよそ1400ページ超)、しばしば鈍器と形容される。
当然、重量もかさむ(C91のカタログはおよそ1.6㎏超。コレでも一時期より軽くなったほうだというから恐れ入る)ため、事前に必要な部分をカッターなどで裁断して切り分けて持って行くほうが好ましい。
夏コミ、冬コミ共に、東京ビッグサイト(東京国際展示場)を複数日程で全館貸し切って行われるが、それでも収まり切らない規模になったために、日本のどこにも収容可能な代替開催地がないことが問題視されている。
日本全国にとどまらず、世界中から多数の参加者が集まり、その人数は3日間でのべ50万人を超える。夏冬の気候が厳しい時期に長時間の整列などを余儀なくされ、また短期間に大量の人数が移動するため各自の体調管理、宿や交通機関の確保は重大な課題となっている。
参加人数の増加に伴い徹夜組などのマナー違反が目立ってきているのが現状。
そいつらのせいでビッグサイトでの開催どころか、二度と開催さえできなくなるかもしれないので、徹夜はダメ。ゼッタイ。
pixivで活躍している多くの人も参加している。好きな絵師さんがいたらその人のサイトを見てみよう。サークルで参加するかもしれない。
アクセス
会場(C96~C98ではサークルが使用する西展示棟・南展示棟、ならびにコスプレの更衣室がある会議棟)の最寄駅は
C96~C98で企業ブースが使用する青海展示棟の最寄駅は
りんかい線の「東京テレポート駅」
(注:青梅駅ではない。また、言うまでもないが東京都の駅なので、乗換案内アプリなどで間違えて新潟県の同名駅を指定すると大変なことになるので留意されたし。)
なお、有明地区と青海地区の間は1.5km離れており、この間は徒歩移動(推奨ルートはやぐら橋〜イーストプロムナード〜センタープロムナード〜夢の大橋)かゆりかもめ、りんかい線、無料シャトルバスを利用することになる(コスプレでの鉄道利用は有明地区と青海地区の間を移動する場合のみ可とされている)。
りんかい線ならびに埼京線でのアクセスの場合、2019年11月30日より、埼京線が相鉄との直通運転が開始されたため、乗り間違いにも注意する必要が出てきている。
(紺色の電車は海老名行きなのでアウト、青と水色のラインの電車は新木場行きなのでセーフといった具合。但し、緑のラインの電車はどっちにも行くため、行き先をよく確認してから乗ること)
東京駅八重洲口からは臨時の直通バスも出ている。
鉄道に比べると一度に乗れる人数の少なさや渋滞に巻き込まれるリスクがあるものの、りんかい線やゆりかもめに比べると運賃が安く、交通費が抑えられるのがメリット。
帰りは切符売り場がものすごく混雑するのでなるべく全国共通対応の交通系ICカードを使うか、(特にゆりかもめで新橋方面に戻る場合は)復路の切符をあらかじめ買っておこう。
ちなみに、りんかい線が大崎から埼京線と直通しているため勘違いしやすいと思われるが、りんかい線はあくまでも第三セクター路線のためJRではない。なので、青春18きっぷのようなJRのフリーパスは使用できないので注意。もっとも、仮に使えたとしても18きっぷは窓口からしか出入りできないため駅へ出入りできるかどうかは別問題なのだが。
休日おでかけパスは利用可能。磁気券対応改札から出入りしなければならないのがネックだったが、Suicaに休日おでかけパスの機能を搭載する『のんびりホリデーSuicaパス』が開始されてこの問題も解消した。
移転論・分散論
あまりの混雑ゆえ、コミケ移転論や分散論がある。先述の通り、国内最大8万㎡のコンベンションセンターであるビッグサイトを3日前後に渡ってフル稼働、やっと開催している怪物イベントであるコミケは、収容可能な他の会場が限られており、具体的・効果的な案はないというのが実情。
C96において一部分散開催を実施したが、1.5km離れた青海展示棟での開催に留まっている。
- 代替候補地として有力視されていたのが幕張メッセで7万㎡。かつて有害図書追放運動で一度追い出された過去のある因縁の地であり、嫌悪されることが多い施設だが、2015年春には追放事件を和解したのか、コミケSP6オタクサミットが3月28日~29日に幕張メッセで開催された。しかし近隣の交通機関が京葉線一本しかない(総武線と京成もあるが、かなり歩く)。
- 神奈川代表は、横浜市のパシフィコ横浜約2万㎡。横浜駅徒歩圏内だが大きさ的に本会場は不可能、分散会場にしかならない。
- 関西代表は、大阪市のインテックス大阪で7万㎡。立地はビッグサイト並。空港・新幹線からは遠い。
- 東海代表は、常滑市の中部国際空港隣接の愛知県国際展示場なら約6万平方m。名古屋市のポートメッセなごやは約4万㎡と厳しい。
- これより下は1万㎡級の展示場と呼べない埼玉スーパーアリーナ・東京ドーム・横浜アリーナ・日本武道館・その他ドーム球場といったものや、東京の流通センターや池袋サンシャインシティといった大きめのビルになってしまう。
特にコミケが地方移転となればその地方の人としては嬉しい…ところだが、参加者・運営・印刷所など様々な事情を鑑みるに、首都圏から離れての開催は負担の方が大きく現実味がない。
インテックス大阪も幕張メッセも規模的にはビッグサイトに準ずるが、コミケほどの大人数が押し寄せるイベントを捌いたことはない(幕張で開催される東京ゲームショウですら1日当りの参加者数で3分の1〜4分の1程度の規模)。
インテックス大阪は現地関西の同人誌即売会(こみっくシティ、コミックとれじゃーなど)で1日3万人(2日で6万人)程度で幕張メッセと同様だ。
幕張メッセはGLAYEXPO99の20万人ライブを開催した実績が1999年にある。インテックス大阪は隣の夢洲でL'Arc〜en〜Cielの10万人ライブを開催した実績がある。いずれも音楽ライブで同人誌即売会とは特性が異なるので参考にすらならない。
コミックマーケットが抱える問題
次のような解決しなければならない問題があることも忘れてはならない。
徹夜組
朝4時30分以前の来場は禁止されているにも関わらず、前夜から長時間並ぶ人が毎回数千人~1万人程度の大規模で発生する。
近隣の施設に迷惑を掛ける(列形成をした後で、東京ビッグサイトの隣のがん研有明病院の駐車場で朝まで寝るなど)心無い人が大勢いる。
晴海の東京国際見本市会場の時代から、徹夜組は大問題となっている。
C94の3日目には徹夜組がおよそ6000人になる事態が発生した。これが原因で日の出以降は混乱を見せる結果に・・・
増えていく来場者による混雑
開催される度に来場者が増えていくにつれて大量の混雑が常態化している。同時に心無い来場者によってゴミが増えていたり、幾多の列が外にも会場内にもできていて行き交う人たちの大きな妨げになっている。夏と冬に開催されるコミックマーケットにおいては致命的であり、いつ病人や死者が出てもおかしくない状況になっている。
2020年東京オリンピックパラリンピックによる使用不可
2013年9月に2020年夏の東京オリンピックパラリンピックの開催が決定したが、
招致計画により、東京ビッグサイトは五輪のプレスセンター兼競技場で使われることも決定してしまった。
そこで白羽の矢が立つ幕張メッセ。
過去にコミケ幕張メッセ追放事件と呼ばれるエロ同人誌で子供の教育に悪いとされて、厳しいバッシングで追放された経緯があるが、追放後に和解し2015年3月にSP6オタクサミットの開催に至った。
SP6の開催で(2013年9月に東京オリンピックパラリンピック開催決定し、東京ビッグサイトが使用不可になることも決定していたため)、幕張メッセが東京ビッグサイトの受け皿で有力な移転先になるとの報道がなされたが、その後、開催決定時はプレスセンター兼競技会場だった東京ビッグサイトが2015年夏に計画変更でプレスセンターのみ(プレスセンターが狭かったので拡張)競技会場は幕張メッセに移されることになってしまい、幕張メッセも使用不可になる見通しになってしまった。
東京ビッグサイトの使用不可期間は、大会期間中の2020年7~8月だけではなく、9月のパラリンピック終了まではもちろん、前年の2019年7月から五輪準備開始でプレ大会が行われるので、2019年7月~2020年9月で1年強にも及ぶ長期予定が組まれていた。
幕張メッセも同様に、2019年7月から準備しプレ大会を行い2020年9月のパラリンピック終了まで1年強にも及ぶ長期使用不可になる見込みだった。
そのため2020年の「夏コミ」(コミックマーケット98)は他の同人誌即売会との調整のすえゴールデンウィーク(5月2日~5日)に前倒し開催される計画であった。
しかし、東京都が東京ビッグサイトが2年程度使えないのは困る、幕張メッセでも吸収しきれないという世論に応え、救済のために仮設展示場(青海展示棟)を建設した。
場所は東京テレポート付近で東京ビッグサイトから約1km離れた場所である。
面積は約2万4000平方mでパシフィコ横浜よりやや大きい程度しかない。
電車ではりんかい線とゆりかもめともにアクセスしやすい場所にあり、輸送力もりんかい線が使えるので十分にあり、補助会場として機能することに期待したい。但し、最寄のテレビ局が夏の時期にイベントを行っているので、東京テレポート駅が混乱する可能性も否定できないが・・・。
なお、2019年開催コミケではここを企業ブースとして利用した。企業ブースが1.5km離れた場所で分割開催される計画はC94反省会に激震を走らせた。
COVID-19の脅威による史上初の中止処置
東京オリンピック以上に開催が危ぶまれる事態が2020年に3月後半から発生する。新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的蔓延および終息の目途が経たないため、コミックマーケット98は開催中止の運びとなった。これはコミケ史上初の開催中止である。
その影響は未だに続いており、当初2020年冬に開催予定であったコミックマーケット99は開催延期となり、2021年のゴールデンウィーク開催、さらに延期して2021年冬開催となった。但し、今後の世界情勢次第では中止および変更となる可能性もあったが無事開催された。(参照→https://www.comiket.co.jp/info-a/C99/C99info.html)
このC99ではコロナウイルス予防ワクチンの接種を完了していることが一般・サークル問わず参加条件となり、入場チケット・身分証明書・ワクチン接種証明の3種を携帯していないと入場できない事になった。
コロナ感染対策のため、参加チケットは1日5万5千人分とC97の来場者数に比べると非常に少なくなり、終了後のオフ会・打ち上げなども禁止されたが一方で徹夜組が消滅し、鉄道やバスの混雑も激減するなどメリットも多々生まれた。
関連タグ・関連リンク
pixivイベントページができてからのコミケを表にまとめました。