双子葉類
そうしようるい
最初に生えてくる葉っぱ(子葉)の枚数が2枚の植物。
概要
被子植物のうち単子葉類を除く植物。発芽時にその名の通り2枚の葉(子葉)を出す(少数の例外はあるが)。
単子葉類と比較すると、葉脈は網状脈である、花の各部の個数が2または5の倍数となる、維管束が円形に並ぶ中心柱を持つ....などの特徴を持つことが多いが、形態が極めて多様なため当てはまらない例が多く、子葉の数以外の共通点をあげるのが難しい。それもそのはず、進化的には上記の特徴はいずれも被子植物が元々持っていた特徴で、単子葉植物が後から派生したのである。
新しい分類体系では、単子葉植物が分化した後に独自に進化したもののみを真正双子葉植物と呼び、モクレンやスイレン、クスノキなど原始的な双子葉植物と分けている。
さらに、真正双子葉類の中でもバラ類(バラ科、マメ科、ウリ科、アブラナ科など)とキク類(キク科、キキョウ科、セリ科、ナス科など)の2群が中核で、これらは真正双子葉植物の中でもとりわけ多様化が著しい。
」
おおざっぱな分類
詳しく書くと膨大になるので、マイナーな目や科を省くなど大幅に簡略化しているが、それでもこれだけの分類群が属する。
基部双子葉植物
(単子葉類が分岐する前に双子葉類のメイングループと分岐したもの。一般的に花被や雄しべ、心皮の数が多く,発達した花床を持つ)
- スイレン目(スイレン科、ハゴロモモ科など)
- アウストロバイレヤ目(マツブサ科など)
- センリョウ目(センリョウ科など)
- コショウ目(ドクダミ科、コショウ科など)
- モクレン目(モクレン科、バンレイシ科など)
- マツモ目(マツモ科のみ)
など
基部真正双子葉類
(真正双子葉類のうち、中核的なグループであるコア真正双子葉類に属さないもの。基部双子葉植物と共通する形質を有する)
など
コア真正双子葉類
(花弁とがく片が分化した花など、双子葉類らしい形質を進化させたグループ。双子葉類の大半を占める)
- ナデシコ目(ヒユ科(旧アカザ科を含む)、ナデシコ科、オシロイバナ科、ヤマゴボウ科、ツルムラサキ科、サボテン科など)
- ユキノシタ目(ユキノシタ科、スグリ科、カツラ科、フウ科、ボタン科、マンサク科、ユズリハ科など)
- ビャクダン目(ビャクダン科など)
など
バラ類
など
真正バラ類Ⅰ(マメ群とも)
- マメ目(マメ科、ヒメハギ科など)
- キントラノオ目(ヤナギ科、スミレ科、トケイソウ科、アマ科、フクギ科、オトギリソウ科、ラフレシア科など)
- ウリ目(ウリ科、ベゴニア科、ドクウツギ科など)
- ブナ目(ブナ科、ヤマモモ科、クルミ科、モクマオウ科、カバノキ科など)
- バラ目(バラ科、グミ科、ニレ科、アサ科、クワ科、イラクサ科など)
- ニシキギ目(ニシキギ科など)
- ハマビシ目(ハマビシ科など)
- カタバミ目(カタバミ科など)
真正バラ類Ⅱ(アオイ群とも)
- アブラナ目(アブラナ科、フウチョウソウ科、パパイア科、ノウゼンハレン科など)
- アオイ目(アオイ科、フタバガキ科、ジンチョウゲ科など)
- ムクロジ目(ムクロジ科(旧カエデ科、トチノキ科を含む)、ウルシ科、ミカン科、ニガキ科、センダン科など)
など