概要
双子葉類シソ目に属する大きな科。現在のAPG分類体系では220属3500種が属する。ほとんどが草本で、一部が木本。5枚の花弁が合着した特徴的な形の合弁花が特徴で、これを「唇形花」という。対生の葉(まれに輪生)をつけた茎のてっぺんに、たくさんの花が集まっている花穂をつける種が多い。繁殖力が旺盛で、多くの種が精油を含む。
形態的には同じシソ目に属するクマツヅラ科と共通する特徴が多く、近縁と言われていたが、分子系統解析ではキリ科などの方が近縁とする結果も出ている。
唇形花について
花弁(花びら)が筒状になり、上下に大きく割れた特徴的な花形。上の花弁を上唇に、下の花弁を下唇に見立てた名前である。ホトケノザ(オドリコソウ属)は上唇部分が長く伸び、ウツボグサ(ウツボグサ属)は下唇部分が伸びた形態をしている。
シソ目の他の科にもしばしば見られ、クマツヅラ科をはじめ、ゴマノハグサ科の植物にも唇形花をとるものがあり、桐の花(キリ科)も唇形花である。
属する植物
シソ(及びその変種のエゴマ)をはじめ、ハッカ(ミント)、バジル、ローズマリー、ラベンダー、セージ、マジョラム、オレガノ、タイム、レモンバームなど多くのハーブ類を含む。
そのほか、サルビアなどの草花がよく知られ、ホトケノザやオドリコソウ、チョロギなどもこの科に属する。
過去にクマツヅラ科に入れられていたハマゴウ、ムラサキシキブ、クサギなどは分子系統解析によりシソ科に移された。