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MSA-0120の編集履歴

2023-02-25 23:28:52 バージョン

MSA-0120

えむえすえーぜろいちにーぜろ

MSA-0120とは劇場版アニメ『機動戦士ガンダムF91』に関連して設定された、次世代機コンペティション用モビルスーツである。

カタログスペック

ノーマル/メガブースト

頭頂高15.0m
本体重量17.5t
全備重量54.1t
ジェネレーター出力3,040kW/6,800kW
スラスター総推力180,000kg/230,000kg

概要

アナハイム・エレクトロニクス(以下、AE社)が宇宙世紀0111年に、地球連邦軍の要求した『小型・高性能モビルスーツ開発計画』に従い、完成させたモビルスーツ

連邦軍の次期主力機という目標に従い、開発はAE社においてRGM系量産機など主力MSのほとんどを手掛けたグラナダ工場のジオニック事業部が担当した。しかし、AE社はこの勧告に積極的に対応する姿勢を見せておらず、フレームはヘビーガンを流用するなど、機体本体は従来の技術の延長上にあり、機体の小型化とコストダウンの面で、連邦軍が要求するレベルには及ばなかったとされる。つまり、この一面においてはサナリィが提唱する小型MSとしての先進性は高くはなかった。一方で、メガブーストやアップリケアーマー等の特殊機構には最新技術が惜しみなく投入され、機体性能そのものは当時としては非常に高い水準にあったとされる。コンペティションにおいてはサナリィが開発したF90に後れを取る結果となったが、これには(本来あるまじきことではあるが)両機のパイロット間の技術差がかなりの要因を占めていた。後に本機が武装集団によって運用され、パイロット技術のディスアドバンテージが解消された状態でキャノンガンダムやF90と交戦した際には、これらを圧倒するほどの能力を発揮している。


コンペティション

宇宙世紀0102年にサナリィから提言されたモビルスーツの運用改善プロジェクト『モビルスーツ小型化計画』は、当初はAE社による一種の寡占状態を改善するために発足したもので、当時の閣議によって決定された「軍備拡張」と「軍事費の削減」という相反する目標を達成しなければならなくなった地球連邦軍による苦肉の策であり、元々AE社の関与を受けずに進める予定となっていた。ところが、平時が長く続く軍の機密管理のずさんさからその情報の一部がAE社側に漏洩してしまっため、急遽コンペティションという形で、次期主力MSの選考が行われる事となった。


1次審査

「最大出力」「耐弾性」「運用コスト」「機動戦闘力」の4つの評価項目をコンピューター・シミュレーションにおいて比較。


「最大出力」と「耐弾性」はMSA-0120に、「運用コスト」と「戦闘機動力」はF90に軍配が上がった。


2次審査

宇宙空間での模擬戦闘を実施。

F90がMSA-0120に対して撃墜判定をあげた。

この時のF90の圧倒的な勝利には、居並ぶ審査官が感銘さえも覚えたとされる。ただしこの結果は、両機のパイロットの技術差に依る部分が大きいと考えられる(機動戦士ガンダムF90FFの項目にて後述)。


以上のコンペ結果により、この時点では当初の連邦軍の思惑通り、次期主力機のテストベッドにはサナリィのF90が選抜される事となった。これによりMS小型化の有用性を認めることとなったアナハイムは主力開発メーカーの座に返り咲くため、非合法活動を含むシルエットフォーミュラ計画を発動、サナリィの極秘データ奪取に成功する。このデータをMSA-0120と同じくヘビーガンをベースとするシルエットガンダムに導入し、F91と同等の性能を実現し、さらにはそれを昇華させた次世代機ネオガンダムを開発する。この計画の成果をもってアナハイムは、一度はサナリィに傾きかけた主力MS開発のメーカーとしての地位奪回に成功するに至る。


機能

メガブースト

エネルギーCAPの技術を応用したコンデンサによって、瞬間的にジェネレーター出力を増大させる、本機最大の特徴となるシステム。

運動性を大きく高めるとされる。

漫画『機動戦士ガンダムF90FF』にて、初めてその一端がお披露目される。キャノンガンダムが弾幕を展開していたにもかかわらず全てメガブーストで切り抜け、距離を取ろうと後退したキャノンガンダムの懐に一瞬で加速している。元テストパイロット曰く「メガブーストからは逃げられない」と絶望的な顔で一部始終を見ている。


蒸発式アップリケアーマー

機体表面に施される装備で、耐ビームコーティングのように被弾時に装甲を蒸発させることで本体へのダメージを最小限に食い止める。


コンペテイションそのものにおいては後塵を喫したMSA-0120だったが、これらの搭載機能は連邦側に大きく評価されてもいた。その結果、連邦はサナリィ側にこれらの性能導入を促している。また一説によれば、C・V紛争終結後にサナリィとアナハイムの間に技術的交流が行われたともいわれており、A.B.C.マントという、ビームを蒸発させて無効化する耐ビーム装備がサナリィで開発された。ただし、MSA-0120のアップリケアーマーと技術的な繋がりがあるかは不明である。


武装

ハイパーメガランチャー

詳細不明。


ハイインパクトガン

ミノフスキー・クラフトを利用した、疑似重力(質量)を敵機へ激突させる新機軸の武装。

電力を質量へと変換させる、一面ではミノフスキー・エフェクトを最大限に利用した装備であった。


ビームサーベル

漫画『機動戦士ガンダムF90FF』にて使用。


ガンダムEXA

ガンダムEXAのクロスボーンガンダムの世界においての話でこの機体と思しきMSがリゼルなどと共に一コマだけ登場していた。


機動戦士ガンダムF90FF

コンペの2次審査中のこの機体が1コマのみ登場し、22話ではこの機体の技術を転用したプロトハーディガンのGカスタムが登場した。

24話にて、2機あるGカスタムのパイロットの1人であるヴェロニカ・ヴァーノンがMSA-0120の元パイロットである事を明かすものの、具体的な内容は口止めされた上で「過去の汚点」「MSの性能を引き出しきれない愚図」とまで罵倒されている。一体、どんな負け方したんですか…。




《グポン…》


あれは…

 F90にコンペで負けたはずの


なんでここに居るんだ

 闇に消えたはずじゃないのか


MSA-0120は!!


『噂をすれば影がさす』

同話では、ファステストフォーミュラを襲う武装集団が所有するMSの1機として登場。

当機体がどの経由かは分からないがネモと共に武装集団に渡ったのかは謎である。


キャノンガンダムが弾幕射撃にて応戦するものの、メガブーストで躱し照準に捉えきれない連続メガブーストで一瞬にて急接近、キャノンガンダムの懐まで辿り着いてビームサーベルでコクピットを貫いた。


後に2機製造されていたことが判明し、1号機は主任テストパイロットのウィリアム・C・オーランドが担当していたが事故で死亡、2号機のヴェロニカ・ヴァーノンがコンペで惨敗を喫した事が判明する。そして、ヴェロニカ・ヴァーノンは武装集団のMSA-0120のパイロット「サイファー」がコンペのF90のパイロットである事に気づくことになる。


更にMSA-0120は当初は2機製造、その後シルエットフォーミュラープロジェクトの為に6機追加製造され、合計8機製造されたことが判明している。

1号機は事故で喪失。

2号機はコンペティションで使用されその後はグラナダで機体開発に使用。

3号機から6号機まではフォン・ブラウンと地球に2機納入されて所在こそ不明なもののアナハイムの管理下にある模様。

7号機と8号機はルナツーへと移送中にテロリストの攻撃を受けて所在不明となっている。また、禁忌破りのサイコフレーム搭載の疑いもある。


そして事故で失われたはずの1号機が正体不明の勢力により運用されて登場した。

ビームスマートガンと八つ手ビームサーベルと思われる装備を有している。


機体デザイン

本機を解説する上でまず目を引くのがその外観。

落書きSD MSA-120

(デザイナーは藤田一己氏)


これまでの同社製のMSと比較すると毒々しいカラーリングのどこか有機的なデザインラインおよびおよそ人間的とは言い難いバランスの体型が特徴で、連邦系ともジオン系ともまた違う出す作品を間違えてるんじゃないのかと言いたくなるような極めて異質なフォルムのMSである。

……と、2000年代以降のデザインに慣れた目で見るとそうなのだが、実は『機動戦士ガンダム閃光のハサウェイ』小説挿絵に描かれている、オリジナル版グスタフ・カールメッサーの延長線として見ると、“在り得なくもない”レベルのため、決して藤田氏は「制約が少ないから好き勝手にやろう」とデザインしたわけではない(と思われる)。

その異形から、別世界の勢力であるヴェイガンのMSだとネタにされる事も。後述するプラモ作例でも、実際にヴェイガン製MSのパーツが使われている。


F90FFの8巻収録の第33話ではツインアイタイプの1号機が登場。ツインアイといってもガンダムというよりはどこかベスパのMSを思わせる顔となっている

ツインアイとなっているのは1号機のみの様で、2号機以降の現状登場している機体はすべてモノアイタイプとなっている。


立体物

2018年10月発売のホビージャパンムックにおいて、1/100スケールの作例が掲載された。しかもフルスクラッチではなくである。


ガブスレイをベースとして、パラス・アテネメッサーラシナンジュ・スタインバイアラン・カスタムジェガン(エコーズ仕様)、そしてダナジンファルシアのパーツを用いてのミキシングビルドは、読者モデラ―にも再現ができるレベルであるはずがなく、『機動模型超級指南』のコーナータイトルにある通り、一流のプロモデラーでなくては不可能な、「いっそフルスクラッチの方が早いわ!」と突っ込みを入れたくなる作例であった。


……とは言え、頭部にはジェガン(エコーズ仕様)に多少手を入れたモノを使用。外観に見えている有機的な頭部(および肩、背中アーマー)は『蒸発式アップリケアーマー(パージ前提))』として、アーマー部を全て外した“素体”は充分にヘビーガン系列機と見なせるように製作されるという、非常に興味深い解釈・アレンジが成され、実に見ごたえのある作品となっている。


もしもモデラーとしての腕に自信があるのならば、試してみる……のは、絶対にお勧めできないが。


プレミアムバンダイにてF90のMG化が行われており、同スケールで連動して関連機体が出るRE/100での発売が期待されているが、残念ながら現在に至っても立体化の動きは無い。


余談

その妙に既視感のある型番からフリーダイヤルという通称がファンの間で定着している。


シルエットフォーミュラ91の小説版にもウィリアム・C・オーランド(シルエットフォーミュラ91のアイリス・オーランドの父親)の機体として「MSA-120」の名が登場していたが、こちらはあまり知られていなかった(コミック版ではジェガン系のファイアボールと呼ばれるMSが登場している)。

後にF90FFで小説版の設定と統合された際に、1号機の主任テストパイロットとしてウィリアム・C・オーランドが登場している。

ちなみに、コミック版でのファイアボールのテスト事故はU.C.0112で、当時のF90とMSA-0120のロールアウトがU.C.0120で設定されていたが、この二つを統廃合して整理した形となる。


関連タグ

アナハイム・エレクトロニクス モビルスーツ 宇宙世紀

機動戦士ガンダムF90 F90

シルエットフォーミュラ91 シルエットガンダム

機動戦士ガンダムF91 F91 ヘビーガン

リック・ディアス

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