「一筆奏上!」
概要
シンケンジャーの戦う力にしてその源の事。
彼等が持つ書いた文字を具現化させる力及び、その力を込められて書かれた文字の総称である。
元々は、300年以上前に後の初代志葉家当主にして初代シンケンレッドの志葉烈堂が、「角笛山」にて発見した力である。そしてこの山でのモヂカラの研究中に偶発的に初の折神である牛折神が誕生したものの制御ができず封印。その後、外道衆に対抗する為に烈堂が同山でモヂカラを使いこなせる自身の一族で志葉家を興し、同じくモヂカラを使いこなせる家臣として池波家・白石家・谷家・花織家を選んで五家で組織を作った。それが後の「侍戦隊シンケンジャー」である。
この為、戦闘が可能な程の強力なモヂカラを使えるのは基本的には上記の五家のみであり、特に烈堂を始祖とする志葉家直系の後継者たる人間は、生まれつき体内に高純度の火のモヂカラを宿している。一方で戦闘以外であれば榊原家や、その他志葉家に仕える家臣達のように侍の一族でなくてもモヂカラを使える一族は一部おり、基本的には角笛山を起源とする一族が多いが、稀にそれ以外の全く無関係の家でもその才能を持って生まれる者はいる。
ショドウフォン(シンケンジャー以外は木製の普通の筆に似たタイプの物)で、空中や物に向けて字を書き、その文字に自身の生命力を注ぎ込む事で文字に応じた効果を具現化させる。概念としては言霊に近いものであり、下記する電子モヂカラでもエネルギー源はあくまで人間である。
一見するとチートな能力に見えるが、漢字の書き順などが間違っていると力は発動しない他、生半可な覚悟や気持ちで書いても発動しない。何より上記の通りモヂカラのエネルギー源は生命力なので、強力な効果を持った文字であればある程に発動には時間が掛かる上に心身共に絶大な負荷が掛かる。また、短期間での連続使用なども当然ながら負荷が大きく、特に消耗した状態では最悪自分の命を削る事になりかねない。
上記の対策として、作中でシンケンピンクが「風」、シンケンイエローが「山」と書いて嵐を起こした様に、メンバーそれぞれが文字を組み合わせる事でパワーアップするという方法もある。ただし、戦闘においてはそれだけ多くのメンバーに隙が出来るので諸刃の剣でもある。また、これにはメンバー同士のモヂカラのイメージの一致などの綿密な連携が必須である。
モヂカラにはそれぞれに応じて適性があり、メンバーはそれぞれ自分の受け継いだモヂカラに関連する属性の文字を最も得意とする。ただし、モヂカラは秘伝ディスクと呼ばれる媒体に込める事で、その文字を書いた属性の者以外でも使う事が出来る様になり、より誰でも扱いやすくなる。
一方で、モヂカラを使用できるかどうかは持って生まれた素質や家系でほぼ決まっており、さらにその中でもどれ程の量のモヂカラを持ってどんな属性のモヂカラを得意とし、それでどんな効果をどの程度発現できるのかも、その人の持って生まれた素質や鍛錬の量、体力や精神力に加えてセンスや発想力にも大きく左右される。文字と言うのは元々人間の発想力から生まれたものなのでモヂカラも同様であり、強力なモヂカラの使用にはその文字に対して本人が確固たる核となる具体的なイメージを持つ事が必要であり、モヂカラの総量や練度は上がったにも関わらず、ここを疎かにしていた谷千明は当初伸び悩んでいた。
このようにモヂカラの習得は並大抵の事ではなく、シンケンジャーでは剣術の修行と同じくらいこのモヂカラの修行が最重視されている。上記した文字のイメージ確立や仲間同士でのモヂカラの連携の強化に加え、実戦時にも素早く正確に文字を書く為、日々の鍛錬では個人と団体での習字の修行がある。
モヂカラに関しては中には特殊な才能や特性を持って生まれる者もおり、梅盛源太は歴史上でも数人しかいなかったとされるモヂカラの分析や構築に長けた才能を持って生まれた。他にも榊原家の末裔である榊原ヒロのように、モヂカラの力を集めるという特殊な性質を持ったモヂカラを持つ者もいる(これ故にヒロは、モヂカラで出来た折神達を引き寄せるという体質を持つ)。
電子モヂカラ
源太が独自に開発した、携帯電話のタイピングの様に打ち込む、その名の通り電子のモヂカラ。
効果は従来のモヂカラとほぼ同様だが、具現化したものは海老折神の様に機械的な能力を得るのが特徴である。まさしくサイバネティックに進化した現代のモヂカラと呼ぶに相応しい力であり、上記したヒロからも「新しいモヂカラって感じがする」と評されている。
ただし、こちらもモヂカラそのもののエネルギー源は電気ではなくあくまで人間なので、力を多用したり強力な効果を持つ文字を使えば、その分自身の体力を著しく消耗する事に変わりは無い。なお、普通のモヂカラは筆書きで表現されるが、電子モヂカラはゴシック体で表示される。
劇中で登場したモヂカラ
文字 | 概要 | 主な使用者 |
---|---|---|
火 | シンケンレッドに変身 | 志葉丈瑠・志葉薫 |
水 | シンケンブルーに変身 | 池波流ノ介 |
天 | シンケンピンクに変身 | 白石茉子 |
木 | シンケングリーンに変身 | 谷千明 |
土 | シンケンイエローに変身 | 花織ことは |
大 | 対象を大変化(巨大化)させる | 全員 |
合 | 折神を侍合体させる | レッド、スーパーシンケンジャー |
超 | 超侍合体させる | レッド、スーパーシンケンジャー |
馬 | 鞍のついた馬を実体化する。 | 全員 |
沫 | 沫を具現化する | ブルー |
石 | 石を実体化 | イエロー |
風 | そよ風を吹かせる。 | ピンク |
草 | 不発に終わった為不明 | グリーン |
斬 | 「ダイシンケン・侍斬り」が発動。 | 全員 |
葉 | 木の葉を実体化させる。 | グリーン |
思 | 対象が考えている事や思い出を可視化させる。 | |
竿 | 竿状の道具を具現化。劇中では釣り竿に変化した。 | ブルー |
捕 | 捕ディスクに込められたモヂカラ。 | ブルー |
旨 | 木札に力を込めて梶木折神用の釣り餌とした。 | ブルー |
影 | 自分の影武者を生み出す。 | |
反 | 敵の放った飛び道具を跳ね返す。 | |
紙 | 巨大な和紙を出現させる。 | |
超 | テンクウシンケンオーの合体に使用される。 | |
嵐 | 山と風のモヂカラを合わせて発動。嵐を巻き起こす。 | |
岩 | 石のモヂカラの上位互換。枝と組み合わせれば壁になる。 | |
枝 | 木の枝を具現化。 | |
波 | 波浪を具現化。沫の上位互換。 | |
守 | 結界を作り出す。志葉家の隙間から外道衆が侵入する事を防げる程に強力。 | |
刀 | シンケンマルを召喚。と言っても思念で実体化する為、あまり使われない。 | |
煙 | 煙幕を張る。 | |
海老 | 海老折神を構築する | |
活 | 折神に活動エネルギーを与える。 | |
変 | ダイカイオーへの変形に使用される。 | |
竹 | 長い竹竿を召喚。 | |
真 | インロウマルに製作に使用された。 | |
滅 | 敵を滅する為の力であるダイカイシンケンオーの必殺技「折神大開砲」を発動する。 | |
夢 | 対象物の夢へ入る為のゲートを作り出す。 | |
侍 | 対象物に侍の力を込める。 | |
穴 | 抜け穴を作り出す。 | |
開 | 対象物を開ける。劇中では祠の「开」と榊原ヒロの「門」のモヂカラを組み合わせていた | |
王 | 牛折神の制御に使われる | |
砕 | 対象物を砕く。 | |
壁 | レンガの壁を作り出す | |
双 | 烈火大斬刀を双刃に変化させる。 | |
縛 | 対象を金縛りにする。 | |
防 | こちらは敵の攻撃を直接防御する。 | |
車 | 赤いオープンカーを召喚する。 | |
蔦 | 長い蔦を召喚する。 | |
護 | 画数が多い為、複数人で各部種を担当。敵の攻撃から身を守る。 | |
解 | いかなるロックでも解除してしまう。蒸着不能に陥った十文字撃を助ける為に使用された。 | |
雷 | 雷ディスクに込められた力。電撃を発生させる。 | |
火人火 | 志葉家に伝わる文字。強力な火の力を発現する | 志葉薫 |
眠 | 対象を眠らせる(小説版) | ブルー |
放 | 消防車に匹敵する放水を行う(小説版) | ブルー |
始 | 装置の起動を行う(小説版) | ゴールド |
大 | 巨大化する(機界戦隊ゼンカイジャー第48カイ!) | セッちゃん |
獅子 | モヂカラ大弾円に込められたモヂカラに確認できる。 | |
龍 | モヂカラ大弾円に込められたモヂカラに確認できる。 | |
熊 | モヂカラ大弾円に込められたモヂカラに確認できる。 | |
猿 | モヂカラ大弾円に込められたモヂカラに確認できる。 | |
亀 | モヂカラ大弾円に込められたモヂカラに確認できる。 | |
兜 | モヂカラ大弾円に込められたモヂカラに確認できる。 | |
梶木 | モヂカラ大弾円に込められたモヂカラに確認できる。 | |
虎 | モヂカラ大弾円に込められたモヂカラに確認できる。 | |
烏賊 | モヂカラ大弾円に込められたモヂカラに確認できる。 | |
牛 | モヂカラ大弾円に込められたモヂカラに確認できる。 | |
恐竜 | 12折神大侍斬りに込められたモヂカラの一つ。 |
封印の文字
志葉家が外道衆の総大将・血祭ドウコクを封印する為に開発した文字。高純度の火のモヂカラを体内に宿した志葉家の人間しかまともに使えないもので、非常に強力だが極めて高度な文字である為、歴代の志葉家当主=シンケンレッドは誰も完全に習得できなかった。詳細はリンク先参照。
本編外での登場
天装戦隊ゴセイジャーVSシンケンジャーでは、ゴセイジャーの天装術と組み合わせる事でパワーアップさせている。ただし、タイミングを合わせないと強力な技になるどころか弱体化してしまうという大きな欠点があり、ゴセイジャーとシンケンジャーの面々はゴールドとゴセイナイト以外は何回かシミュレーションを行っている。
暴太郎戦隊ドンブラザーズでは、ドンモモタロウこと桃井タロウが第1話でショドウフォンのSE付きで紙に「必勝」と書き、それをハチマキに差し込むとやる気を失っていた人物が途端にやる気を取り戻すという、モヂカラとしか思えない能力を発揮していた。ただし、ショドウフォンやそれに類するアイテムもしくはアバタロウギア等は一切使っておらず、それ以降はそれに類する能力を作中で使う事は一切無かったので、結局詳細は謎のままである。
余談
ちなみに「死」や「殺」などのモヂカラを使った場合はどうなるのかは不明。画目通りだと相手を一撃で殺す力を有するのかもしれないが、モヂカラはその人のイメージや発想によって効果が変わるので、本当にその通りの効果になるのかは不明(実際に、似たような意味の「滅」はダイカイシンケンオーの必殺技発動のキーワードとして使用されている)。そして仮にその通りの効果が出たとしても、それ程強力な文字を使えば命に関わる程の絶大な負荷や代償を要求される事は想像に難くなく、加えてそのような危険な文字とイメージを使えるようになった人間が、侍に相応しい人間のままその後も戦えるとは到底思えない(実際に作中ではこのようにただ相手を倒す為だけに戦う事は、外道衆と変わらない行為として度々諫められており、最悪はぐれ外道に堕ちる危険性もある)。
同様に、「乾」というモヂカラを使用すれば、アヤカシを水切れに追い込む事ができるのではないかと一部視聴者から指摘された事もあるが、そもそも三途の川の水自体がこの世の水とは相反する性質を持った全く異なる概念のものである事が作中で説明されており、つまり「三途の川の水が乾く」というのはこの世の「水が乾く」のとは、全く異なる概念の現象なのでまず間違いなく意味はない(繰り返すがモヂカラは、本人にその文字の現象に対する具体的なイメージや理解が無ければ効果は薄い)。
そもそも、こういった文字が本当に外道衆に対して実戦で有効なのであれば、300年の歴史の中でとうの昔に実用化されている筈なので、結論から言えばいずれも的外れな指摘だと言わざるを得ない。
関連項目
梵字 象形文字 ルーン文字:フィクション作品でよく登場する呪術的文字。
戦隊の特殊能力の変遷